第33話【本編 ほっこり回?】回復魔法で涙!?

「緑の光は最上級の回復魔法の色なんだよ! ひょっとしたらミフユは人一倍人のことを癒してあげたいって思いが強いのかもしれないね」


 俺がちょっと興奮した声音こわねでそう言うと、古堂こどう 美冬みふゆの小さな顔は一瞬で真っ赤になった。


「なんで真顔でそんなハズいこと言えるわけ? トキハル、マジで頭バグってんじゃね?」


 文面は確かにひどいが、照れ照れの顔で言っているので正直かなりかわいかった。


「・・・・・・で、このあと、どうするわけ? つまんねえこと言ってねえで早く教えろよ!」


「ああ、うん。・・・・・・じゃあ、もう魔法銃を持っちゃおうか?」


「なんだよ! 結局銃使うんじゃん! ・・・・・・持ったけど、もう撃っちゃっていいわけ?」


 古堂 美冬が魔法銃を俺に向けて構えながら言う。


「ああ、今僕はなんのダメージも受けてないけど、別に回復魔法は害になるものじゃないから撃ってもいいよ! その緑の光を銃口から撃ち放つのをイメージしながら引き金を引いてみて!」


「引き金を? ・・・・・・なんかドキドキすんだけど! ・・・・・・トキハル死んじゃったりしないよな?」


「大丈夫だよ! 回復魔法で死んじゃった人はこれまで一人もいないはずだから」

 

 それに俺はこう見えて強いし! 


 と、さらに言おうとしたが、やっぱりやめておいた。

 

 過去99回も召喚されているのだから強いのは当たり前だ。

 誰だってそれだけ召喚されればこれくらいは強くなるだろう。

 自慢するようなことじゃない。


「じゃっ、じゃあ、撃つぞ、トキハル! マジで撃っちゃうからな!」


「うん。いいよ」


 俺がそう言った直後、古堂 美冬は魔法銃の引き金を引いた。


 すると、その銃口から美しい緑の光が撃ち放たれ、俺に一直線に向かってきた。


 古堂 美冬には恥ずかしくてまだ言えていなかったが、無傷で回復魔法を受けると傷が回復するかわりに、回復魔法を放った者の温かい気持ちをダイレクトに受けとることができるのだ。


 そして、俺は古堂 美冬の温かい気持ちをダイレクトに受け取って、なんかすごく感動してしまって、なんと涙を流してしまったのだった。


「トキハル? 何泣いてるわけ? やっぱほんとは痛かったんじゃねーの? 銃で撃たれたんだからそりゃ痛いよな! ごめんな、トキハル」


 

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