第34話【本編】配信コメント荒れまくり!?

「・・・・・・何泣いてるわけ? やっぱほんとは痛かったんじゃねーの? 銃で撃たれたんだからそりゃ痛いよな! ごめんな、トキハル」


 古堂こどう 美冬みふゆにそう見当違いの心配をされて、俺は正直恥ずかしくてたまらなかった。


「大丈夫だよ、痛くなんてないから!」


「ほんとかよ? よかった! あーしの回復魔法でトキハルが死んじゃったらどうしようかと思った」


 古堂 美冬はそう言って一旦は笑顔を見せたのだが、その後でなぜか泣き出してしまった。


 そして俺の方はと言えば、驚いて涙が一気に引いてしまって、気が動転してこんなことを口走ってしまったのだった。


「大丈夫だよ、僕はこう見えてこの世界では結構強いからそう簡単には死なないよ!」


「・・・・・・ほんとに?」


 古堂 美冬は手の甲で涙を拭きながら上目遣いで俺にそう確認してきた。


 とにかくその表情がおそろしいくらいかわいかったので、俺は思わずゴクンと喉を鳴らしてしまった。


「ほんとだよ。だから安心して!」


 俺がそう言うと、古堂 美冬は急にとても鋭い質問をしてきた。


「・・・・・・じゃあ、あーしなんか連れて行かなくても一人でみんなのこと助けに行けたんじゃね?」


 俺はどう答えようかちょっと迷ったのだが、結局は正直にこう言った。


「確かに一人で行くことも考えたけど、今回の相手は体を乗っ取る能力のある奴だから、ミフユの助けも必要なんだ」


「どうして・・・・・・必要なんだよ? 強いんだったら必要なくね?」


 まだ涙を手の甲で拭き続けていた古堂 美冬はちょっと駄々だだっ子みたいな声で言った。


 俺はそんな古堂 美冬のことを真っ直ぐ見つめながらこう答えた。


「今回のミッションで一番の失敗は僕の体を相手に乗っ取られることだと思うんだ。そうなったらこの世界が終わってしまうかもしれない。隠していたけど、この世界ではそれくらい僕は強いから」


「何それ? 自慢?」


「ごめん! 自慢する気はなかったんだけど・・・・・・とにかく僕が強いってことを相手に悟られたら今回はアウトなんだ。だから、自己ステータス・ダウンって能力を使って必要最低限の強さまで僕の力を下げようと思ってる。・・・・・・そうなると、かなり苦戦すると思うからミフユの援護が必要なんだよ」



         ⚫



時岡ときおかくん! いくら大勇者様でも有名人とそんなイチャイチャしちゃいけないよ! コメント荒れちゃってるよ! 俺のコドーちゃんと何いい感じになってんだよ! 絶対○○す! コドーちゃん泣かすんじゃねえ! 泣いてるコドーちゃん激カワ! あんた何様?・・・・・・それでも同接5万! 登録者40万! 増えてますよ、時岡くん! だからもっとイチャイチャやっちゃっていいよ! おれが許す!」



         ⚫



 俺の話を涙目で真剣に聞いてくれていた古堂 美冬は俺が話し終わるとすぐにこう言ってくれた。


「わかった! 回復魔法を遠くからこの銃でトキハルに撃てばいいんだよな? ・・・・・・なあ、他にもあーしにできることあんじゃね?」



―――――――――――――――――――

第34話も最後までお読みくださりありがとうございます!


ここまで読まれて、もしちょっとでも「なんかおもしろそう!」「これは期待できるかも!」と思っていただけましたら、作品フォローや★★★評価をしていただけるとうれしいです!


皆様からの応援が駆け出し作者の力にメチャクチャなります!


精一杯おもしろい作品になるように努力しますので、よろしければ是非応援よろしくお願いしますm(__)m


―――――――――――――――――――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る