第27話 【本編 急展開?】カナタ、覚醒の時!?

「・・・・・・じゃあ、みんなで出発前にイヤースルか小炎しょうえんでも唱えてみようか?」


 俺がそう提案した直後だった。


 大魔導書マード君がその体(?)をバタバタと開いたり閉じたりしながらこう言ったのである。


「そうのんびりもしてられんみたいやで、ナオハル! ニアルガっていう売り出し中の極小ごくしょう魔王・・・・・・また動き出したみたいや! どうやらこっから18キロくらい先にあるターラカ村を目指してるっぽい! もしそこで新たな体を見つけたらそのダタンって子の体捨てられてまうかもしれん! こらちょっと急がなあかんで!」


 18キロ?


 かなり遠いな。


「・・・・・・ごめん、予定変更して今すぐ出発しなきゃいけないみたい」


 俺がそう言うと、すぐに秋野あきの 阿香里あかりが大声を出した。


「えーっ! 阿香里せっかく魔法を唱えられると思ったのにーっ!」


 すると、すぐに乗崎じょうさき 麗夏れいかがこう言ってくれた。


「緊急事態なんだからしょうがないでしょ、秋野さん! ・・・・・・それより時岡ときおか君、今から行って間に合うものなの?」


「どうかなあ? ・・・・・・あっ! ひとつだけいい方法があるかも!」

 

「いい方法? なに? なにー?」


 と、阿香里。


「カナタに・・・・・・飛竜ひりゅうになってもらって、乗せてもらえば十分間に合うかもしれない。間に合うどころかもしかしたら相手よりも早く着けるかも!」


 俺がそう思い付いたことを口にすると、カタナが驚きの声を上げた。


「僕にそんなことができるんですかっ?」


「できるよ! [コドラゴン]はかわいいだけじゃなくて、飛竜、陸竜りくりゅう雷竜らいりゅう雨竜うりゅうに姿を変えることができるんだ! その中でも飛竜は頭の中で巨大な竜の全身像を鮮明にイメージさえできれば、あの広大な紫の草原を支配していたカナタなら十分変身することができるはずだよ!」


「本当ですか! じゃあ、飛竜に変身できれば僕は大勇者様のお役に立つことができるんですね! ・・・・・・やってみます。飛竜って空飛ぶ竜ですよね? どんなふうにイメージすればいいんですか?」


 そうカナタに訊かれて、俺は久しぶりに頭の中でその巨大な竜のことを想像してみた。


「ええっと、・・・・・・首が長くて、大きな翼を持っていて、体長は20メートルくらいの、燃えるような赤い竜を想像してみて!」


 そう俺が頭の中のイメージをそのまま伝えると、カナタは目を閉じ、俺の言った飛竜を想像し始めた。



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