第26話 【本編】大勇者かどうか問題!

「でも、魔法とかまだ全然使えないんだけど」


 魔法銃の使い手(今はまだ所有者というべきか)古堂こどう 美冬みふゆが言う。


 俺はそれにこう返した。


「大丈夫! もうこの世界に来てかなり経ってるから回復魔法 イヤースルとか補助魔法 目覚まし羽根とか攻撃魔法 小炎しょうえんくらいは使えるようになってるはずだから!」


「マジで? あーし何気に魔法使えるようになってんの? ・・・・・・ってかトキハル、何でそんなことまでわかるわけ? トキハルってマジ大勇者なんじゃね?」


 不意に大勇者かどうか問題に言及されて俺はかなり焦ってしまう。


 だってそこはずっとスルーしてくれていたから!


「・・・・・・だっ、大勇者なわけないでしょ? この僕が」


 ああ、勇者モードからまたぼっちモードに戻っちまった!


「怪しっ! さすがにトキハル怪しすぎじゃね?」


「・・・・・・ほんとだよ!」


 そう俺が言っているのに、ビビがこんなふうに口を挟んでくる。


「大勇者様は大勇者様に決まってるじゃないか! 何を今さら! ・・・・・・大勇者様は大変謙虚なお方だから毎回否定されるんだ!」


「何それ? なんで否定しなきゃなんないわけ?」


「わからないやつだな、あんたも! 本当に偉大な方は驚くほど謙虚なんだよ! なんでそれがわからないかな?」


「ちゅうか、こいつは基本カッコつけのやつやねん! 姉ちゃんごめんな!」


 と大魔導書マドー君まで参戦してくる。


「でも、大勇者なら大勇者って言えばよくね?」


「大勇者じゃなくて大勇者だ!」

 

 と、再びビビが口を開く。


「なんでクラスメイトに様付けしなきゃなんないわけ? マジ意味分かんない! ってかトキハルはトキハルだし!」


 もう収拾がつかなくなってきたので(トキハルはトキハルだし、は相当うれしかったが)俺はここで必死に話をらすためにこう言ったのだ。


「・・・・・・そんなことより魔法唱えられるか試してみようよ! 出発前に、さ!」


「試す? いいじゃん! それ! トキハルもたまにはいいこと言うじゃん!」


 と相手は食いついてきた!


 よし!


 さらには、


「トッキー! 阿香里あかりも魔法唱えたーい!」


 と、秋野あきの 阿香里までが言ってくる。


 秋野 阿香里は剣士系だが、魔法剣士の素質があるなら基礎攻撃魔法くらいはもしかしたらすでに唱えられるかもしれない。


 そんなとこを思っていると、さらにさらに、


「私も唱えてみたいわ!」


 と、乗崎じょうさき 麗夏れいかまでが言ってくる!


 そりゃみんな魔法には興味あるよな(俺だってそうだった)!

 


「・・・・・・じゃあ、みんなで出発前にイヤースルか小炎でも唱えてみようか?」


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第26話も最後までお読みくださりありがとうございます!


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