第28話 【本編 衝撃回?】カナタ、赤き飛竜となる!

「・・・・・・首が長くて、大きな翼を持っていて、体長は20メートルくらいの、燃えるような赤い竜を想像してみて!」


 そう俺が頭の中のイメージをそのまま伝えると、カナタは目を閉じ、俺の言った飛竜ひりゅうを想像し始めた。


 それは本当に一瞬の出来事だった。

 カナタが目を閉じてからその姿が真っ赤な巨大な竜に変わるまでほんの数分だったんじゃないだろうか?


「カナタ! すごいよ! 目を開けてみて!」


 俺がそううながすと、カノタはゆっくりと目を開けた。


「すごい! 頭の中のイメージ通りの姿になってる! これが大勇者様のお力なんですね!」


 いさましい赤き飛竜となったカナタにそう言われて、俺は慌ててこう言い返す。


「違うよ! それはカタナ自身の力だよ! カナタが今までの人生の中でつちかってきた力だ!」


「・・・・・・大勇者様にそう言ってもらえると今までの辛かったことが全部 むくわれたような気がします!」


 今更だけど、巨大な飛竜となったカナタに敬語を使われるのはちょっと変な感じがする。


 でも、一方で[コドラゴン]の時と全く変わらない言葉遣いをしてくれているカナタに安心してもいたのだけど。


「・・・・・・じゃあ、早速出発しようか? ・・・・・・ミフユ! 僕と一緒にカナタの背中に乗ってくれる?」


 俺がそう言うと、秋野あきの 阿香里あかりが大声を上げた。


「えーっ! なんかデートみたいでずるーい! 阿香里もカナタくんの背中に乗っけてもらいたいー!」


 すると、乗崎じょうさき 麗夏れいかがすぐにこう言ってくれた。


「何言ってるの? 秋野さん! 二人はこれからダタン君とこの村の人達を救出に行くのよ!」


「麗夏ちゃん! それはわかってるんだけどなんかデートっぽくない? 竜に若い男女が乗ってお空を飛んで行くんだよー! もー、デートだよ、それはー! めちゃくちゃすてきなデートだよー!」


 秋野阿香里がそう言うと、一瞬妙な沈黙があってから、乗崎 麗夏がこう言ったのである。


「・・・・・・そう言われてみればそうかもしれない」


「でしょー! でしょー! さすが麗夏ちゃん! 理解が早い!」


時岡ときおか君!」


 乗崎 麗夏に突然そう呼び掛けられて俺は思わず、


「・・・・・・は、はい」


 と、またぼっちモードに戻ってしまった。


「私と秋野さんも今回の件が無事に終わったら、カナタ君の背中に乗せてもらいたいんだけど、いいかしら?」


「もちろん一人ずつだよー!」


「当然そうなるわね。どう? いいかしら? 時岡君?」


 さすがにそれは自分だけでは判断できないので、赤き飛竜となったカナタと目を合わせるとカナタはこう言ってくれた。


「いいですよ! 僕はいくらでも!」


 そしてその直後、ずっと黙っていた古堂こどう 美冬みふゆが俺に向かってこう言ったのだった。


「・・・・・・あのっ、トキハル、こういうのマジで初めてだからさ・・・・・・ちゃんとやさしくしてくれよ?」

 


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