第22話 【本編】大魔導書マドー君出現!
「・・・・・・辛かったね、一人で抱え込んで、友人を悪者にして、心を痛めて、それでも友人を救えない。そんな絶望の中に君はいたんだね。本当に辛かったね。でも、もう大丈夫だよ。僕が全部なんとかするから。約束するよ」
俺はそうカルーバに語り掛けた後(泣かせるつもりはなかったのだがカルーバはまた泣いていた)、
「大魔導書[出現]!」
と久しぶりに大きな声で
すると、
「遅い! 遅い! 遅いわ、ナオハル! ええか? ワイはナオハルの都合のええ女ちゃうんやで! もうちょっと遅かったらもう出てきたらんとこって思ってたんやからな! 気ぃつけなあかんで、ほんまに!」
ああ、これだからこいつを呼び出すのは嫌なのだ。いつも初見の者には絶対にドン引きされてしまうから。
案の定、大魔導書マドー君を初めて見た全員がすでに引きまくっているのが俺には痛いほど感じられた。
せっかくいい雰囲気だったのに台無しだ。
でも、この事態を最速で解決するためにはこいつに頼るしかないのだ。
「マドー君早速で悪いんだけど、相手の体を乗っとることのできる魔王について知りたいんだ!」
と、俺が話し掛ける(しかし『サーザントビアス』にそんな特殊能力を持った魔王など登場しなかったのだが)と、
「まったく相変わらず魔導書使いの荒いやつやなぁ。なんか急ぎっぽいけど、緊急事態なんか? しゃーないなぁ、えっと、相手の体を乗っとることのできる魔王・・・・・・やな。・・・・・・うん、うん、そういうやつが一体だけおるな。ニアルガっていう売り出し中の
と、空中に浮きながらパカパカとページを開けたり閉じたりして大魔導書ドーマ君は教えてくれる。
小魔王なら『サーザントビアス』にも度々登場するのだがと極小魔王なんて聞いたことがなかった。
しかしそんなことよりも今はもっと気になることがあったので、俺はこう尋ねた。
「その乗っ取られた体を取り返すことはできる?」
「・・・・・・うーん、まあ、確率はかなり低いけど、乗っ取られた相手と力を合わせればできんこともないみたいやな」
「力を合わす?」
「そうや! 内側と外側から同時に攻められるのがどうもその魔王の弱点らしい。まあ、その乗っ取られた相手の精神力がものごっつ強ないとそんな
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