第12話【本編】惑いの草原の秘密!
「・・・・・・大勇者様がオイラたちを助けに来てくれたんだあ! やったあ! やったぞっ!」
ビビ・ケナーという名前のエルフの少年(?)はそう言って喜んだ後、俺に向かってこう言ったのだった。
「大勇者様! お願いがございます! このビビめを肩車してくださらないでしょうか? この
俺はその突然の意外すぎる頼みに驚いて、
「ああ・・・・・・」
と思わずどっち付かずの返事をしてしまった。
すると、それをyesと捉えたビビは大喜びして、
「では失礼します! 大勇者様!」
と言って、俺の肩にフワッと飛び乗った。
その瞬間、声を上げたのが、
「ちょっと、あんたって女の子にしか見えないんだからさ、それじゃトキハルが変態みたいに見えちゃうんじゃね?」
俺はその意見を聞いて、確かになと密かに納得していた。
変態に見えるのは確かに嫌だ。
それで、「やっぱり降りてくれ」と言おうと思ったのだが、それより先にビビがこう言ったのだった。
「なんで女の子を肩車したら変態なんだ? 確かにオイラは女だけど、オイラの村じゃ男も女もみんなオイラのこと肩車してくれるぜ!」
その言葉に最初に反応したのは、やっぱり
「何よー! やっぱ女の子なんじゃなーい! トッキー早くその子降ろして! これはトラップだよ、きっと! どこかでこの子の親が見てて法外な賠償金を請求されるんだよ、きっとー!」
「何ワケわかんないこと言ってんだよ、おばさん! ・・・・・・大勇者様、こんなおばさんはほっといて早くオイラの案内でこの惑いの紫の草原を抜けてオイラたちの村に来てくださいよ! ピンチなんです、!オイラたちの村! それに早くしないと紫の草原の草がどんどん背が高くなって肩車してもらっても先が見通せなくなっちゃいますよ! だから早く出発しましょう!」
ビビがそう言うと、ここで
「出発する前にあなたにひとつ質問をしてもいいかしら?」
乗崎 麗夏にそう訊かれると、ビビ・ケナーという名前のエルフの少女(?)は俺の肩にの上で、
「質問? 別にいいけど・・・・・・ひとつだけだよ!」
と答えた。
「ええ、ひとつだけ。・・・・・・あなたは私達と出会った時、『やっと会えた!』って言ってたけど、私たちの前に私たちのような冒険者らしきパーティーが何組もそっちに向かって行ったと思うんだけど、あなたはどうして誰にも会わなかったのかしら?」
その乗崎 麗夏の鋭い質問にビビは俺の肩の上からこう答えた。
「なんだ、そんなことか! この惑いの紫の草原では運命の相手にしか会えないんだよ! だからそいつらはオイラの運命の相手じゃなかったってだけだ!」
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