第11話【本編】突然のスレ(配信直後)!?

「・・・・・・ああっ、大勇者様なのですねっ! わたくしたちを救うためにまたその高貴なる御身おんみを現してくださったのですね!」


 そう言いながら大きな薄紫うすむらさき色の瞳から大粒の涙を流していた幼いエルフの少女は手の甲でその涙を拭いて、さっきまで話していた秋野あきの 阿香里あかりの方を一瞥いちべつしてこう言ったのだった。


「・・・・・・ってことは、あんたは大勇者様の従者じゅうしゃか。それならそうと早く言えよな! ヘコヘコして損したぜ!」


「何よー! この子態度いきなり変えちゃってー! 超感じ悪いんですけどー! てか、かわいいのに男みたいな言葉使いして幻滅ー!」


 秋野 阿香里にそう言われても、一切悪びれる様子もなく、


「何勘違いしてんだよ! オイラは男だ!」


 と、幼いエルフの少年(?)は言った。


「男ー? どう見ても女の子じゃなーい! 嘘つかないでよー!」


「嘘なんかくもんか!」


「てか、このぼっち君が大勇者っていうのもどうせ大嘘なんでしょー! そうやっておだててこの人の良さそうなぼっち君のことをだまそうとしてるんじゃないのー!」


「おばさんっ! 次、大勇者様のことをその訳のわかんない呼び名で呼んだら、この上級魔術師エルフのビビ・ケナーがおばさんのことを確実に殺すからな!」


「えーっ! 何、この子、さっき助けてくれって泣きついてきたのに、殺すとか言ってるんですけどー! 変だよー、この子絶対変だよー! みんなこんな子無視して先行こうよー! ・・・・・・ってか、上級魔術師かなんか知らないけどさー、天下のJKつかまえておばさんとか言うな! ちーび!」


「ちびだとっ! おばさん! 言ってはいけないことを言ってしまったな! いくら大勇者様の従者でも言っていいことと悪いことがあるんだぞ! これはもう絶対に体でわからせてやらないといけないな!」


「何ちびのくせに怖いこといっちゃってんのー! ねぇ、ぼっ・・・・・・じゃなくて、とっ・・・・・・トッキー! 黙ってないでなんか言ってやってよー! 大勇者様なんでしょー?」





         ⚫





【例の異世界配信について】



0011 名無しの異世界人


ぼっち君無口すぎないか?






0012 名無しの異世界人


ぼっち君じゃなくて大勇者様らしいぞ!





0013 名無しの異世界人


【悲報】アカリちゃんエルフの幼女におばさんと言われてしまう! 





0014 名無しの異世界人


ビビ何気にかわいくないか?





0015 名無しの異世界人


ギョギョ、このスレにロリコン交じってる?





0016 名無しの異世界人


ビビは男の子らしいからショタコンだろ!





0017 名無しの異世界人


男の娘??





0018 名無しの異世界人


同接ランキング2位!!!





0019 名無しの異世界人


2位!!!!!





0020 名無しの異世界人


フェイクなのに?





0021 名無しの異世界人


フェイクじゃねえだろ、あれ!





0022 名無しの異世界人


出た! 異世界肯定派! 厨二病!





0023 名無しの異世界人


ってか今日の配信変なところで切れてたし、ぼっち君最後まで話さなかったな!






         ⚫





 ビビ・ケナーという名前のエルフの少年(?)と秋野 阿香里のやり取りに少々圧倒されていた俺は、秋野 阿香里の「大勇者様なんでしょ?」という問いにこう答えた。


「他人の空似そらにに決まってるじゃない! 僕が大勇者様のはずがないでしょ?」


 すると、ビビ・ケナーという名前のエルフの少年(?)がこう言ったのだった。


「やっぱり大勇者様だっ!」


「あんたトッキーの話聞いてなかったのー? 他人の空似だって言ってるじゃないのー?」


 秋野 阿香里がそう言うと、ビビ・ケナーはすぐにひどく興奮した口調でこう叫んだのだった。


「大勇者様はとても謙虚なお方だからいつもそう言って否定されるんだっ! やったあ! 大勇者様がオイラたちを助けに来てくれたんだあ! やったあ! やったぞ!」


 

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