第8話【本編】動画配信やり放題!?

「・・・・・・では、取って置きのプレゼントを受け取ってくれたまえ!」


 プレゼント? 


 そんなもの今まで一度ももらったことがないぞ!

 

 超マイナーロールプレイングゲーム『サーザントビアス』にもそんなオープニングイベントはなかったはずだ。


 そんなことを思っていると、すぐに天から白いプレゼントボックスのようなものがゆっくりと各人に降ってきたのだが、なぜか俺だけはいつまで経っても何ももらえなかった。


「おーっ! 超カッコいい剣だぜ!」


「なんだよ、俺は盾かよ!」


「僕なんて回復薬だよ! めちゃいっぱい入ってるけど」


    

         ⚫



「スマホだ! しかもネット、5Gでバリバリ繋がってるし! これで動画配信やり放題じゃねぇか! ・・・・・・ルテルスモード? なんだよ、これ? タップしてみっか? ・・・・・・えっ? おれ透明になってねえか? おいおい! これで誰にも気づかれずに配信できるってことかよ! ・・・・・・あとはどのパーティーに同行するかだな! これミスったらマジ終わりだからよく考えねえとな! 大金持ちになれるかどうかの大事な選択なんだからよ!」



         ⚫



 などと、みんなプレゼントボックスを開けて一喜一憂いっきいちゆうしている。


 そんな中、天の声(おっさん)が俺だけに聞こえる声でこう呟いてくるのだった。


「君はいらないよね? ・・・・・・でも、何もないのはかわいそうだからステータスの上限値9999を撤廃してあげるね。もう君は好きなだけ強くなりなさい!」


 実はこの天の声(おっさん)との付き合いも小5からだからもうかれこれ丸7年以上になる。


 それでも他人のふりをしてくれているのは、できる限り目立ちたくない俺にとっては正直ありがたい。

 

 それでもしばらくすると、安斎あんざい遼也りょうやが俺だけプレゼントボックスをもらっていないことに気づいてこう言ってくる。


「なんだぁ? ここに一人だけプレゼントもらえてないぼっち野郎がいるんだけど! どういうこと? やっぱこういうプレゼントも存在感のないやつには届かねーのか? ハハハハハッ!」


 そう言う遼也は魔法銃を手に入れたようだった。

 おっさん! こんなやつに銃なんて与えんなよ!


 俺がそんなことを思いながら、遼也が手にしている魔法銃を見つめていると、その視線に気づいた遼也がこんなことを言ってくる。


「そんな物欲しそうな顔で見るなよ、気持ちわりぃ! ・・・・・・おい! お前らが選んだぼっち野郎は全員がもらえるはずのプレゼントももらえない最低の使えない男だってことがこれ証明されたな! お先真っ暗だな、かわいそうに! 今更オレ達のパーティーに入れてくれって言ったってもう駄目だからな! ハハハハハッ! この世界もオレ達がすぐに救ってやるからお前らは死にたくなかったらどっかにずっと隠れてるんだな! ・・・・・・ああ、それでオッサン! オレ達はどうすれば元の世界に戻れんだよ! 出発前にそれを教えてくれよ!」


 遼也のその問いにすぐに天の声(おっさん)がこう答えた。


「この世界を救ってくれた者達だけが元の世界に戻ることが可能だ! それ以外の者達は一生この世界で暮らしてもらう!」



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