第19話 古の???
扉を開き、中に入ると同時に戦闘体制をとり、未だ目を見開いたまま固まっているイケメンを鑑定する。
「鑑定」
・・・・・・・・・・・・・・・・
名前:ルシル・ルーフェル
種族:魔王
Lv:200
1代目(初代)魔王であり、最強の魔王
世界を荒らす竜を御し、魔族をまとめた偉大なる王
ある時を境に表舞台から姿を消した
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うん?魔王?魔王ってあの?ここって世界の果ての塔のはずだがなんでこんな奴がいるんだ?
頭の中を疑問が埋め尽くして行く中、相手の動向を窺っていると、両手をゆっくりと上げ、投降するようなポーズをとりながら立ち上がり、話しかけてきた。
「はじめまして。人間?なのかな?が、ここまで来るのは初めてだよ。色々聞きたいこと、言いたいことがあるが、まずは私の疑問に答えてくれると嬉しい。」
魔王が話しかけてきたことにかなり戸惑いがあるが、敵意がないことはわかるし、戦わなくていいのなら戦いたくないなと思いとりあえずは話を聞くことにした。
「答えれることなら答えよう。その疑問とはなんだ?」
「君って人間なんだよね?」
よくわからない質問をされたので、自信満々に返す。
「どこからどう見ても人間だろ?」
「いや、人間でなくともあの扉は反対方向に開けな…。いや、いいや。ここから先のことについて知っているかい?」
前半は小声すぎて聴覚を強化していない状態の俺には聞き取れなかったが、後半は普通に聞き取れる声の大きさだったので聞き取れることができた。
あったばかりなのに前半の方にあきれが入っていたのは気のせいだろうか。
「いや、わからないな。もしかして教えてくれるのか?」
「あぁ、私はここから先のことを教えるためにここにいるからね。」
「ここから先のことは一切知らなかったので感謝する。」
本当のことを教えてくれるのか定かではないが、善意で教えてくれようとしていることが伝わってきた。
しかし、本当のことを言う保証もないため疑いながらではあるが、とりあえず話を聞くことにした。
感謝を告げると魔王はこの塔について、この先について話してくれた。
「まず、この塔は神が外界から隔離するために作った場所であり、強すぎる者、とんでもない犯罪者などが送られてくる。
中は、一つの層に10個にの区画があり、一つの層イコール10階になっている。わかりやすく例えるならば、10階のボスが、君が倒したサメで、20階のボスが私になるね。
ここから先のことについてだが、20階までが、チュートリアルであり、ここから先の難易度は一気に変わる。30 階のボスには天候を操るオオカミが存在し、40階には圧倒的パワーを持った牛が存在する。
……きみには勝てないだろうがね。
気をつけないといけないのは100階に存在する、はるか昔にこの星からは遠い場所にある太陽を喰らった竜がいる。こいつはとにかく熱く近くにいるだけで蒸発してしまうから絶対に気をつけてね。
次に気をつけないといけないのは200階に存在する、魔神だ。こいつについては一切わからないがとにかく気をつけてくれ。
私が塔のことで伝えないといけないことはこれで全部かな」
「ところで君はなんで自分の力を封印しているんだい?」
魔王が心底疑問という顔で問いかけてきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます