顔合わせ

カリス王国王宮の一室

「はぁぁぁ王の命を請け負ったものの

 初見の印象的に言うと王子以外の者に関しては頭が痛いな。

 生まれるのがほぼ一年早かっただけで、学年としては同じ子供ガキ

 教育係にするなんておかしいだろ。

 同世代の言う事の方が良く聞くであろうとか理由付けが雑すぎるだろ。」

「そうですね。

 私もいくら憂鬱であり、相手が婚約者であるとはいえ

 部屋に入るなり、婚約者に膝枕させる教育係(笑)とその他の面倒を見るのは

 とても頭が痛い問題ですね。

 役にたたない婚約者より王子に乗り換えましょうかしら。」

「それはダメ」

 ミネルは目にもとまらぬ速さで立ち上がり婚約者シエンに叫び、

 キスをした。

「ふぇぇぇ???」

シエンは少し惚けた後、

「何するんですか、、、突然。」

「わ、悪い」

「バツとして今年一年は膝枕禁止です。」

「んな、殺生な。

 それがないと、それがないと俺は社交界紛争地を一年乗り切るなんて

 無理だぁ。少しだけ、少しだけ減罰を、、、、」

「フン」

「あぁぁぁぁあ」

ミネルが泣き崩れたその時、

コンコン

「お二人をお呼びに参りました。」




コンコン

「教育係のミネル様達をお連れしました。」

「入れ」

「失礼します。

 トート公爵家三男トート・アイビー・ミネルです。

 よr「喰らえファイアーボール」


ミネルの挨拶中に突然、顔付近にファイアーボール魔法が 飛んでくる。

「フン!!!!!」

それをミネルは刀を抜いて真っ二つに裁ち、魔法を放った張本人バカに近づき

首に刀を中て、文句を言う。

「何をなさるのですか、アトロワ・ジャガ・ベロニカ侯爵子息様。」

「何、教育係としての資質を見たまでだ。」

「そうでございますか。私は合格ですか?」

「最低限って所だな。」

そのいたずら少年バカは終始顔色を変えず悪びれもなく

部屋のソファーに偉そうに座った。

(こんのクソガキィ)

「改めまして、トート公爵家三男トート・アイビー・ミネルです。

 よろしくお願いします。」

「その婚約者のカラー聖国第一王女兼聖女カラー・ナデシコ・シエンです。

 よろしくお願いします。」

「カリス王国第一王子カリス・ミムラサキ・ラムールだ。

 今後ともよろしく頼む。」

「ロウワ―公爵家次男のロウワー・ワモ・ジェニスです。

 よろしくお願いいたします。」

「アトロワ侯爵家三男アトロワ・ベロニカ・ジャガだ。

 シエンさん、そんな奴より俺の婚約者にならな~い?」

     

          ブチ


「おい、先程から貴様その態度はなんだ。」

「さすがに言葉が過ぎますよ。」

「お二人少し下がっておいてください。」


「「は?」」


二人は鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をし、

固まった。

それを見たシエンが二人を下がらせる。


「あまりやりすぎないでね、ミネル。」

「分かってる。少しお灸をすえるだけだ。」

「おいおい、僕を倒せる気か?

 舐めないでもらいたいね。

 いくら軍閥貴族のトップの息子とはいえ、

 簡単にやられるほど軟でわないよ。」


曇りのない世界オールクラウドレス

その瞬間とき世界は凍った


ミネルがその魔法を使用した瞬間

そこにあった机とソファー、そしてそこに居たジャガは凍り

ガラスのように透き通った氷漬けにしてしまった。


「どんな汚い人間でも凍れば変わらんな。

 いや、魔物の氷漬けの方が幾分か綺麗に見えるかも?」

「そんなことどうでもいいわよ。

 はぁ、やりすぎんなって言ったよね?私」

「だってイライラしたから」

「己は何歳だ?」

「5歳ですけど?」

「それならしっかりしてくださいよ。」

「誰だって婚約者を取られそうになったら必死になるでしょ。

 俺は悪くないも~ん。」

「はぁ『解凍ソイング』」

シエンは不貞腐れたミネルと共にゆっくりと氷漬けにされたものを解凍していき、

5分後


「う、うぇぇぇぇぇん」

助け出されたジャガは泣きじゃくった。

その10分後


「お前は、パパに言って首にしてやる。

 お前なんか王子様の側近にふさわしくない。」

「家の格では俺の方が上、つまり無理だよ。泣き虫」

「クソがぁぁ」

「いい加減にしなさーい!」


こうして前途多難な攻略対象達夢見ボーイズとミネル達の生活が始まる。

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攻略対象転生 @asobinin13

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