攻略対象No.3 ロウワー・ワモ・ジェニス
俺とシエンは、王子の誕生日パーティーを無事乗り切り、一安心をしていた。
しかし、そんな俺達を待ち受けていたのは
更なるパーティーだった
ドン
ドン
ドン
台パンしたいよ・・・ホント
まあただ愚痴を言っても始まらないのだが。
それでも、これから毎日パーティーがあるのだ。文句も言いたくなる。
その上、でかいパーティーが何個かあるのが最悪だ
まあそりゃ、社交界デビューの年は多くのパーティ―に参加して、人脈を作るべきだってのは分かるけどさぁ、何でここまで多いですかねぇ
そんなこんなで毎日パーティ―生活2週間目。
本日はロウワー公爵家次男で攻略対象のロウワー・ワモ・ジェニスの5歳の誕生日パーティ―に出席である。
王子は期待以上であったが、他の攻略対象も同じとは限らない。
油断せずに行こう・・・油断したところで何も起こらない気がするが。
「ミネル様、シエン様お疲れ様です。」
「「ファンサイさんお疲れ様です。」」
安定のファンサイさん。この人にはだいぶ遠慮とか、距離感を感じなくなり、最近では多少雑談もするようになってきた。いると安心するなぁ。
隣からの視線がきつくなってきた。やっべ
「それにしても、
「そうですね。壁や天井の装飾も自分の家の家紋や領内の絵、王家の物程ではないですが、かなり意匠が凝ってます。」
「王家と違い、かなり繊細で精密な代わりに遊び心がないというか、写実的なものだな。かなり」
「さすがは三大公爵家の中でも法を司る家なだけあり、精巧な物が多いですね。
性格だけではなく、装飾までもが質実剛健と言ったところでしょうか。」
会場内の設備を見ながらシエンと雑談をしていると、会場の灯りが消え、今まで鳴っていた音楽も消えた。
「みなさま、本日は私ロウワ―公爵家次男のロウワー・ワモ・ジェニスの誕生日パーティ―にご参加いただき誠にありがとうございます。本日は最後までお楽しみください。」
「王家と違い、音楽は無く、灯りだけだったな。」
「挨拶だけを聞いてもらうために音楽を消したのでしょうね。さすがロウワ―家ですね。」
「そうだな。」
ロウワ―家はすべてにおいて
「ミネル様、シエン様お疲れ様です。」
「お疲れ様です。シンル様」
・
・
・
今回も居た、マチェット公爵家嫡男マチェット・ロベリア・シンルを筆頭に、様々な貴族の子息、父上がいない今回に限っては貴族までもが挨拶に来るせいでかなり忙しい。マジでふざけんな。ちなみに父上は本日は騎士団の視察です。良いなぁ
そんなこんなでいつもより多い人数の貴族たちを捌いた後、俺たちは今回の主役である、ロウワ―公爵家次男のロウワー・ワモ・ジェニスに挨拶に行った。
「「この度はお誕生日おめでとうございます。ジュニス様」」
「ありがとうございます。ミネル様、シエン様
「改めてご挨拶させていただきます。
ロウワ―公爵家次男のロウワー・ワモ・ジェニスです。
王子の側近同士これからよろしくお願いいたします。」
「トート公爵家三男トート・アイビー・ミネルです
こちらこそよろしくお願いします。」
「その婚約者のカラー聖国の第一王女兼聖女のカラー・ナデシコ・シエンです
婚約者共々よろしくお願いいたします。」
「お二人は父上や、兄上から聞いていた通り、かなりしっかりされていますね。
私も
「私達も、側近候補とその婚約者としてはまだまだです。
お互いに研鑽を積んでいきましょう。」
「私の婚約者も言った通り、
王子は、私達よりもしっかりされておられました。王子と並びたてなくては何が側近ですか。共に頑張りましょう。」
「そうですね。お互い頑張りましょう。
そういえばお二人は王子に会われたことがあるのでしたね。どんな人だったのですか?お二人より優れていたというのが特に気になります。」
「王子はですね、高いカリスマ性と強い上昇志向が感じられましたね。」
「高いカリスマ性と強い上昇志向ですか、どちらも王になるには必見の能力ですね。
それがもとから備わっているというのは、確かに優れておりますね。」
「ジュニス様、挨拶をされに来た方が来たので、私たちはこの辺で失礼させていただきます。」
「分かりました。この後のパーティ―もお楽しみください。」
俺達が、今回はたくさんの貴族の相手をしていたせいで、ジュニスに挨拶をするのが遅れた結果、多少雑談をする機会が生まれたが、これは期待が持てそうだ。
「これは、俺達もうかうかしてはいれないな。」
「ですね。あの人たちに置いていかれれば、トート家の一員として
「だな。」
俺もだが俺以上にシエンが燃えていた。
これで俺を含めて6人いる攻略対象のうち半数の3人がまともだ。
これなら、将来に不安を持たなくて済みそうだ。
俺の将来が~またひとつ明るくなった~
るんるんなミネルだったがパーティ―が終わり、
これからあと3週間毎日パーティーに出ないといけない上に、父親が来週には領地に帰ることを思い出し、明るくなったはずの将来が暗雲が立ち込んだような気分になったのであった。
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