攻略対象No.1 王子との邂逅
王子の誕生日パーティーが開始した。
国内の貴族だけではなく、国外の貴族、小国の王族までもが来ていた。
「かなり豪華だな」
「そうですね、三大公爵家だけではなく、四大侯爵家、十二伯爵家まで勢ぞろいで居ない家がないか、いない
「そのうえ、ラング王国にミッド公国は王族が来ているな。いつも我が国の領海に連絡も無しに入って来て迷い込んだなどとかいう世迷い事を抜かして、
「まあ、一応は同盟国ですしね。何処かで絞った方が良いですね。」
「そうだな。絶対に懲らしめる。」
「それは、後々ですね。」
シエンと会場内の人々を見ながら雑談をしていると、
パーティー開始のため、一度席に戻った貴族の子息達が戻ってきた。
「ミネル様、シエン様お疲れ様です。」
「お疲れ様です。シンル様」
「ミネル様に以前お会いしたのは、ミネル様の5歳の誕生日会でしたかな。
婚約者のシエン様は、初めましてですね。
マチェット公爵家嫡男マチェット・ロベリア・シンルです。」
「カラー聖国の第一王女兼聖女のカラー・ナデシコ・シエンです。よろしくお願いします。」
マチェット公爵家、カリス王国三大公爵家の一つ
悪役令嬢マチェット・ロベリア・カーディナリスの実家である。
「ミネル様と、シエン様はとても優秀だと聞いております。様々なパーティーに出られておりますが、何処でも5歳とは思えぬ立ち振る舞いであると噂になっていますよ。」
「そうなのですね、私たちは公爵家の一員としてしっかりせねばと精進していたところなので良いうわさになっていて、よかったです。」
「これは、これは、噂は当てになりませんね。噂以上ではないですか。これは私もマチェット公爵家の次期当主としてうかうかしておれませんな。
それでは、私は他にも挨拶回りをしないといけないので、これで失礼させていただきます。」
「どちらがだよ。ホント」
「ですね」
「食えない男だ。社交界に出たばかりの俺達でも分かる。あれは怪物だ。」
「あの人、他の子息と同じように私に視線を向けて、見とれているように見せかけながら、私たちを観察してましたね。」
「あぁ、俺達がそれに気づいていることにも気づいていたぞ。」
「そうですね。さらっと言ってましたが、私が他の子息に嘗め回すように見られていること知ってたのに、今まで何のフォローもなしですか。」
「っう、ごめんなさい。俺もだいぶ疲れてて。」
「今度埋め合わせで王都でデートですからね。」
「お安いですね。それに朝昼夜の食事と何か一つも買わせてもらいます。」
「っえ?それは貰いすぎな気がしますが・・・今度お返ししますね。」
「そんなに気にしなくt、おっと、次の
「ミネル様、シエン様お疲れ様です。」
「お疲れ様です。カツク様」
「ミネル様は5歳の誕生日パーティーでお会いしましたね。お久しぶりです。」
「お久しぶりです。」
「シエン様は初めましてですね。ミネル様の誕生日パーティーでは挨拶できずにすみません。
カリス王国ロウアー公爵家嫡男ロウアー・ワモ・カツクです。
よろしくお願いいたします。」
「カラー聖国の第一王女兼聖女のカラー・ナデシコ・シエンです。よろしくお願いします。挨拶の件ですが、お互い忙しい身でありましたので、お気になさらないでください。」
ロウアー公爵家、カリス王国三大公爵家の一つ
攻略対象ロウアー・ワモ・ジェニスの実家である。
「お二人とも噂以上に聡明ですね。お話をしたい気持ちはやまやまなのですが、他にも挨拶をしなければならないので、失礼します。」
「タイミングを見計らっている様々な派閥があるようなので、お気を付けください。」
去り際にさらっと憂鬱なこと小声で言って去っていくカツク殿だった。
「想像以上にお堅い方だったな。」
「そうですね。ですが、気遣いのできる良い人ですね。」
「そうだな。それにしても、三大公爵家の嫡男は何処も優秀だな。」
「そうですね。
「そうだな。それはそうと、タイミングを見計らってる派閥があるのか。それならそのまま見計らいを続けて、来ないで欲しいな。」
「そうですね。まあ、そんな事は叶わず、来ているようですね。」
「そうだな。頑張るかぁ。」
そうして、その後、4大侯爵家や12伯爵家の子息などがそれぞれ派閥ごとにき、その相手をして、ひと段落したころ。
「こっちがひと段落付いたと思えば、王子の方も大人たちの挨拶がひと段落ついたようだな。」
「ですね。挨拶に行きますか」
「そうだな。将来の側近候補という事は、王子への挨拶は俺が一番最初に行った方が良いだろう。」
王子との初対面である。
あの
まともなのを求む
あと、どっかの公爵家の奴みたいな
「申し訳ないです。少し席を外しますね。」
「分かりました。」
ハックシュン、誰かが俺の噂してるのかな。するならパーティー終わってからにしろよ。わざわざベランダに行くのめんどうなんだぞ。
「トート公爵家三男トート・アイビー・ミネルです。」
「その婚約者のカラー聖国の第一王女兼聖女のカラー・ナデシコ・シエンです。」
「「ラムール王子よろしくお願いいたします。」
「カリス王国第一王子カリス・ミムラサキ・ラムールだ。よろしく頼む
ミネル、お前は私の側近として宰相になってもらう予定だ。私を支えてくれ。
シエン、お前はわしの大事な右腕の伴侶じゃ。そやつを支えてくれ。」
「「っは。」
「かなりしっかりされた王子だったな。」
「そうですね。あそこまでしっかりと話されるとは。
しかし、あのようなことを言われても、違和感のなさはあの人のカリスマ性の高さゆえですかね。」
「そうだな。他の王位継承権のある人に会ったことはいまだないが、あの人が、王になるのを当たり前かのように言っているのもかなり納得のできるようなカリスマ性があるな。」
これは期待以上だ。
これはまともな攻略対象にするのは簡単そうだぞ。
主がまともになれば、下もまともになるだろ。
憂鬱なパーティーが少し楽しくなってきたぞォ
足取りが軽くなるミネルだった。
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