一章 

王子の誕生日パーティー開始

王都に着いてから約1カ月

移動も大変だったが、何より大変だったのはパーティーである。

様々な貴族魑魅魍魎とのパーティーは精神がすり減るようだった。

唯一の救いはシエンが一緒に参加し、俺を支えてくれたことだ。

俺達はどちらかが貴族の相手に疲れていると思えば、疲れている方の代わりに話し、お互いが休みながら、なんとかパーティーの日々を乗り切った。

ちなみに父上は挨拶腹の探り合いをしていた。


「はぁ、次のパーティーは3日後の王子の5歳の誕生日パーティーだな。」

「少し休めますね。ここ最近毎日のように生き地獄パーティーがありましたからね。」

「そうだな。しかし、王子の誕生日パーティーということは、今までの比ではない程、貴族が来るのだろう。勘弁してくれ。」

「そうですね。さすがに疲れました。」

「自分の誕生日パーティーをしたときは、思ったより辛くないなとか思ってたけど、毎日というのは想像を絶するものだったな。早く実家に帰りたい。」

「同感です。・・・ミネル様より早く戻るの申し訳ないです。私に出来ること・・・手紙などを出来る限りマメに送りますね。」

「ありがとう。シエンのそういうきずかいをしてくれるところ好きだよ。ホントシエンだけが癒しだよ。あんな貴族共魑魅魍魎相手してたら特にそう思うよ。」

「ありがとうございます。貴族あれと比べられて相対的ってのはかなり複雑ですが。」

「ご、ごめん」

「良いんですよ。ミネル様が心から誉めてくれているのは分かりますので。そんなミネル様が私は大好きです。」

「ありがとう」

はぁ、幸せだなぁ

このまま幸せな時間が続いてほしいなぁ。


       3日後

俺とシエンと父上は3日間で英気を養い、パーティー戦場に向かうのだった。


王子の誕生日パーティーの会場は王城である。

王城はトート家うちの城よりも大きくとても優雅であった。

城というのは権力誇示の一種だからでかいのも納得である。

パーティー会場は

天井は、白を基調とした細かい細工があるものの、かなり落ち着いた感じではある。

    そしてかなりおしゃれなLED電球のようなものがついている。

    数は少ないが、明るさは現代技術もびっくりな明るさである。

壁は王家の印である、龍を狩る剣の絵が彫られている。

壁のガラスは、王都の絵や、魔の森、水の都市が神秘的に描かれている。

そして床はきれいなタイルとその上に様々な金糸の刺繍のはいった黒色のカーペットがひかれていた。

となっていた。

「一見地味に見えますが、見るものが見れば分かる、かなり意匠ののこった場所ですね。」

「そうだな。この部屋に掛かっている金は子爵、いや伯爵家の10年の収入を超えているぞ。それもかなり格が高いの伯爵家の。」

「初代国王様が建国当時にこういう会場には金をかけろとおっしゃられたことから、毎年少しずつ変えている結果、かなり最新で意匠のこった場所となっているからな。」

「「なるほど」」


そうして、雑談をして、時間を潰しているとだんだん貴族が会場入りしてきたので、挨拶に来る貴族が増えてくる。

「エレンスト様、ミネル様、そして、シエン様お疲れ様です。」

「「「お疲れ様です(だ)オダマキ子爵((殿)」」

「オダマキ子爵、お主も大変だな。」

「いえいえ、私などトンデモない。エレンスト様のお忙しさに比べれば」

「お主は遠路大変だっただろう。私もかなり遠かったのと馬車だったのでだいぶ疲れたな」

「私もです。」

               ・

               ・


父上が、他貴族との会話腹の探り合いが始まった時、俺達も俺達でが始まっていた。


「ミネル様。お久しぶりです」

「オダマキ子爵の娘のファンサイさんですよね?半年ぶりですね、お久しぶりです。」

「ミネル様ののカラー聖国第一王女兼聖女のカラー・ナデシコ・シエンです。よろしくお願いします。ファンサイ様。」

「こちらこそよろしくお願いします。」


このようなやり取りを様々な貴族の家の子息としていると、会場の電気が消え、音楽も止まり、王家お抱えの楽団の演奏と共に

深紅の髪の整った顔立ちの王子が入ってきた。


「みな、今日は私の5歳の誕生日パーティーに来てくれてありがとう。今日は楽しんでいってくれ。」


王子の音頭で

王子の誕生日パーティーが始まった。

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