婚約者が出来ました・・・え?
「ちなみに、何処から聞いてたかと言いますと、碌なもんじゃないな貴族からですわ。実際その前から何かの愚痴を言われていたのは気付いていましたが、何分距離があったのと、ちょうど会場の音声で聞こえなかったので。」
「そういえば、ちょうどダンスの時間でしたね。
それでは、そろそろ戻らなくては父上に叱られてしまうので戻りますね。」
っとその前に、私の名前はトート・アイビー・ミネルです。
こちらこそ、同世代として、よろしくお願いします。
カラー聖国第一王女兼聖女のシエン様。」
さっき、完璧な挨拶を見せられたのが、尺なので、出来る限りキザっぽく、その上に手のひらにキスまでして綺麗にさった。これでさっきの意趣返しが出来たかな。
「ふーん。面白い人ね、ミネル様って。」
「父上戻りました」
「うむ」
ふぅ、それにしてもさっきの愚痴、最初の部分聞かれてなくてよかった。
危うく社会的にお陀仏になるところだった。
「ところで、先程、カラー聖国の第一王女様と楽しそうに話していたな。」
「っは、はい。少し世間話を。ほう、あれは世間話か。そうか、そうか。」
「はい。貴族の言う愚痴など、軽い冗談、世間話の様な物ですよ。」
「そうかそうか、貴族の言う愚痴かそれで、その冗談とはどんな内容だったのだ?」
「いえいえ、大した事ではございませんので、それに冗談ですので。」
「ふーむ、まあ良いか。」
あっぶねー父上が耳に強化魔法かけていなかったおかげで助かったぁ
もしかけていたら・・・うぅ寒気が
そしてこの後、何事もなく俺の誕生日パーティーは終わった。
そしてその翌日、俺は父上に呼び出されていた。
部屋で待っていると様々な不安が湧いてくる。
これまで、父上に呼び出されたことは何度かあるが、必ず要件が伝えられていた。
だが、今回は違う。何も言われていない。
まるで、嵐が始まる前の静けさのように感じる。
そして、俺の心が不安でいっぱいになった頃
父上が昨日の少女を連れて、ドアを開けて入ってきた
「すまん 待たせた。今日はお前の婚約者を連れてきた。」
「昨日振りです。改めて挨拶させていただきます。
私、カラー聖国の第一王女兼聖女のカラー・ナデシコ・シエンと申します。
これからは婚約者としてお願いします。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。
トート家三男トート・アイビー・ミネルです。
こちらこそこれから婚約者としてよろしくお願いします。」
なんとか挨拶をすることが出来たが、俺の心は|?《はてな
》が大量に浮かんでいた。困惑する俺を見てか、父上が説明をしてくれた。
「この婚約話は、昨日急に決まったのだ。お前に言う時間もなく、成立してから言うことになってしまった。すまん」
「い、いえ。大丈夫です。私は大丈夫ですが、シエン様は大丈夫ですか?」
「私も王家の一員としていつ誰と婚約が決まろうと受け入れると決めていたので、大丈夫です。それに、私はお父様から移動中に聞かされていたので。だから、私がミネル様に挨拶したのです。お父様の代わりに。」
「な、なるほど。」
「10ヵ月前、カラー聖国は隣国のパッション王国に急に侵攻をされただろう?」
「はっはい。」
「それを受けてな、両国の関係をより強くするという事により、誰かと第一王女様との結婚することが決まり、その結果カラー聖国と接している
「なるほど。」
ふぅ~む。かなり唐突な事だったからかなり驚いたが、確かに合理的だ。
それにしても、ミネルに婚約者なんて居たっけ?
原作していた時そんなの見た覚えがないな、せいぜい大事な人関連で多少トラウマがあった気が・・・
いや待てよ、確か公式ガイドブックでプレイヤーからの質問を集めた時に、
「何故ミネルだけ婚約者が居ないのですか?」という質問をストーリ製作者がミネルは最初に考えた時から、堅物だった。それを変えようとしたり努力もしたが結局どう頑張ろうと堅物なのが変わらなくて、どうしようか悩んだ。
そんな堅物では婚約者が居るのに、別の女にうつつを抜かすわけがないから婚約者を殺すことにしたとか言ってたような・・・嘘だろおい
さすがに死ぬと分かっている相手を助けないのは、さすがに気分悪い。
それもなぁ、明らかに悪い子ではないのがなぁ。
どうすりゃ助けられるんだろ。確かカラー聖国が戦争で負けて、隣国のパッション王国に吸収され、パッション聖国となるのは記憶にあるが、いつ聖国が負けるのか覚えてない、というか発表されてない気がする。
いつ負けるのか、いつ死ぬのか知らなかったらどうしようもないぞ、どうしろって言うんだよ。
ミネルは頭を抱えて膝から崩れ落ちた。
数分後
そういえば、ミネルって幼少期にある戦いで傷を負った設定あったな。
それが、その戦争が原因だとしたら、その傷を負った年がシエンが死ぬ年か
あれは・・・6歳か
って来年じゃねーかぁーーー
というか6歳にどうしろって言うんだよ
トホホォ
どうしようもないという振り出しに戻るミネルであったのだった。
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