お茶会

振り出しに戻り、ミネルが頭を抱えていたところ


 コンコン

「ミネル様、今お時間よろしいでしょうか?」

 

唐突に婚約者(成立1時間)がやってきた

「良いですけど、何かありました?」

「いえ、婚約者になったことですし、お互いの事を知るためにお話をしたくて、

 お茶でも一緒にどうかと、侍女を連れてきたのですが。どうですか?」

「ちょうど暇なので、ぜひ。トート家うちのサロンはとてもきれいなので、そこでどうですか?」

「はい、それで良いです。」


というわけで、ドキドキ婚約者と初めてのお茶会タイム

のはずだったのだが


「あなたがミネルの婚約者のシエンちゃんね。

 私はミネルの母のシャルルよ。シャルル義母おかあさんって呼んでね。よろしくね。」

「はっはい。よろしくおねがいします。シャルル義母おかあさん。」

「それにしても昨日会ったときは少ししか見れなかったけど、やっぱり綺麗だわぁ。

肌もこんなにすべすべで、ミネルに素敵な婚約者が出来て、私嬉しいわ。」

「いえ、私も、ミネル様のような素晴らしい方と婚約出来てとても光栄です。」

「気を使わなくて良いのよ?この子は昔っから・・・・・


母上がサロンにいたため、俺とシエンのお茶会だったはずが、俺と母上とシエンのお茶会となった。・・・というか、現在進行形で俺は空気と化しているが。


「ミネル様はとても立ち振る舞いが気品にあふれているのはシャルル義母おかあさんのおかげだとすごく分かります。義母おかあさんの服の着こなし方も見たことないですがとても綺麗ですもの!」


そういえば、母上の趣味は服だったな

この前のパーティーの時でも母上のファッションは珍しい物だったし、他に見なかったから、母上はこの世界のファッションの最前線的立ち位置なのかな?

この前のパーティーでも色んな服の話を貴婦人の方とされていたし。


「ミネルが気品があふれているねぇ。上手い事猫かぶってるのね。」

「猫をかぶっているですか?」

「ミネルはねぇ、実際そんなに気品はあふれていないわ。お茶とかの飲み方は様になってきたけど、服が出ている事なんてしょっちゅうだし、服もよくシワが出来ているわ。ネクタイも偶に曲がっているし。 まぁ、トート家うちの中ではマシな方ですけど。というか、それもあって、ミネルが選ばれたのですよ、あなたの婚約者に。」

『っえ?そうなんですか?』

俺たちは声をハモらせた。

初耳情報すぎる。というか、母上も知ってて、当人の俺だけ成立後に知るって・・・

「それは本当ですか?母上」

「ええ、まああなたがシエンちゃんと同い年というのもあったけど。

婚約が決まっているルクス以外だとジゼルか、あなたか、分家の子達が候補と考えれば教養がある程度のあなたになったのよ。まあ、それとシエンちゃんも同い年の方が気を使わなくていいかなってのが一番大きいけど。」

「そうなんですね。」

「まあ、それでもあなた、まだまだ教養身についてない部分いっぱいあるわね。

それにダンスもまだまだ未熟なんだからしっかり教えるわよ。

一年後のあなたの6歳の誕生日が過ぎれば、シエンちゃんは帰っちゃうから

その次、会えるのは学園なんだから。6年も会えないのよ。来年のあなたの誕生日が最後のアピールチャンスなんだから6年間思ってもらえるように頑張りなさい。」

「はっはい。」


どうやら地獄は確定のようです 

とほほ


この後3時間程度お茶会は続き、姉上達までも混ざり、ミネルの居ずらさは更にマシ、ミネルにとっては疲労がたまるだけのお茶会であった。


「よく考えたら、最初はシエンと話すお茶会だったんだけどなぁ。

まあ、トート家うちに今日だけでかなりなじめてたからそれを今日の収穫としよう。」

疲労困憊でベットに倒れ、そのまま眠るミネルであった。




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