10話

生徒会の仕事が終わり先輩と他のメンバーに挨拶を済ませ、さて帰ろうと思っていたときにスマホに一件の通知が入る。


誰からだろうと思い、通知を見ると朝日からだった。


内容は、部活が終わったから、まだ学校にいたら一緒に帰らない?とのこと。


私は朝日にまだ学校にいることと、校門前で待ってるねと返事をすると校門前へと向かった。


朝日がどこの部活に入っているかというと、昔から運動神経がよく、走るのが好きで陸上部に入っている。


私もそんな朝日が楽しそうに走るのを見るのが好きで時間がある時はよく応援しに行っていた。


そういえば最近生徒会の仕事が忙しくて見に行けてないなぁ…。


校門前まで着き、そう考えていると朝日がやってきた。


「かずきー!おまたせー!生徒会のお仕事おつかれさま!」


「朝日も部活おつかれさまぁ」


「かずきと一緒に帰るの久々だねー!」


「朝日は部活、私は生徒会でなかなか時間合わないからねぇ…」


そんな話をしながら一緒に歩きだす。


「今日も練習いっぱい頑張ったよぉ!褒めて褒めてー!」


「うんうん、エライエライ」


「あーなんか適当だー!」


ぶーぶーと怒るので、朝日の頭を撫でてあげる。


「かずき…ずるい…」


朝日は不意打ちに照れていた。


「えぇ…じゃあもう撫でない!」


私は撫でていた手を止め、そっぽを向く。


「えー!かずきごめんー!もっと撫でてー!」


「やだ!」


またぶーぶーと怒りだす朝日。


そんなやり取りをしていると朝日が、なにかを思いついたようで私に提案してきた。


「そうだ!明日は学校休みだし今日かずきの家に泊まりに行って良い?」


突然の提案に少し戸惑ったが、昔はよく泊まりに来ていたし、まぁいいかぁと思い、返事をした。


「わーい!かずき大好きー!」


そう言い、私に抱きつきかけると朝日はあっ…と言い止まった。


なんだろ?と思っている朝日が続けて言う。


「うぅ…部活で汗かいちゃったからかずきに抱きつけない…かずき成分が摂取できない…」


そう言い落ち込む朝日。


かずき成分ってなに…。と考えていると、また朝日がなにか思いついたようだ。


「かずき!今日お風呂一緒に入ろ!」


「えぇ!?やだよ!」


恥ずかしいし、きっと意識してしまうと思い必死に拒否していたが、結局家の前まで着くと一緒に入る約束をすることになってしまった。


私はすでに朝日が泊まりに来るのを許可したことに後悔し始めていた…。



朝日と一旦別れ、家に入るとお母さんに朝日が泊まりに来ることを伝え部屋で待っていた。


しばらくすると呼び鈴が鳴り朝日が部屋までやってくる。


「かーずき!きーたよ!」


「いらっしゃーい」


嬉しそうな朝日に返事をすると朝日が言った。


「そういえばさっき、かずきのお母さんと話してたんだけどね…」


なにを?と聞くと朝日が答える。


「なんか今日は、うちにお母さんしかいないの?って聞かれて、そうだよーって答えたら、そうなのね!って」


え…?


「それから後は何個か頼まれて、あとはお若い二人で楽しむのよ!って言って出ていっちゃった。なんか照れちゃうねぇ!」


お母さんなに言ってるの…。そしてどこ行ったの…。


あまり深く考えないようにし、朝日と雑談していると、ついにその時が来てしまった。


「さて、それじゃあお風呂入ろっか!」


「ねぇ…ほんとに一緒に入るの…?」


私の質問に当たり前でしょ!と答える朝日。


これはもう諦めるしかないと悟り脱衣室に向かう。


「恥ずかしいからあまりジロジロ見ないでね…」


「もーかずきなに照れてるのー!昔はよく一緒に入ってたじゃん!」


「それはそうだけど…」


確かに昔はよく一緒に入っていた。だけどそれは小学生の頃の話…。


それに私、今は変に意識してるから恥ずかしいよ…。


私はなるべく朝日を見ないようにし、服を脱いだ。


そして、普段はしないけどタオルで前を隠し先にお風呂場へ。


少し遅れて入ってくる朝日が言う。


「かずき…なんでタオルで隠してるの?」


「恥ずかしいから…」


「もー!気にしすぎだよぉ!」


朝日が気にしなさすぎなんだよぉ…。


恥ずかしさからすでに顔が熱くなっているのがわかる。


「それじゃあ洗いっこしよ!」


朝日の提案にさらに動揺させられた。


「自分で洗うからいいよぉ…」


「やだやだ!かずきの肌に触れたい!」


えぇ…なにいってるのこの子…。


お願いぃ…と頼み込む朝日に負け、覚悟を決める。


「わかったよぉ…それじゃあ…お願いします…」


朝日はやった!と言うと背中を洗い始める。


うぅ…恥ずかしいよぉ…。


「かずきの肌…ほんと綺麗だし、すべすべだよね…いいなぁ」


洗いながら、背中に触れ、そう言う朝日。


やめてぇ…感想を言わないでぇ…。


そして背中側を洗い終わると前を向くように言う朝日。


必死に拒否する私。


前側はなんとか諦めてもらうと、今度は私が朝日の背中を洗うことに。


背中を向ける朝日に仕返しをするために、私も耳元で感想を言う。


「朝日だって綺麗だよ」


「か、かずき!どうしたの!?」


動揺する朝日にさらに感想を言う。


「それにスタイルだって良いし…」


そう言い朝日のくびれ部分を撫でる。


「か、かずきぃ…くすぐったいよぉ…えっち…」


あ…やりすぎた…と思い止めると朝日が照れている。


そんな私も仕返しの為にやったけど…やっててすっごい恥ずかしかった…。と思い、照れていた。


でも、感想はほんとだった。朝日は本当に綺麗だし、陸上部だからか引き締まった身体をしている。それに…朝日も私より大きい…。


「ご、ごめん…ちょっと調子に乗っちゃった…」


「ううん…かずきだからいいよ…」


お互い照れている。


それからしばらく沈黙が続いたが、朝日が先に口を開いた。


「でも、かずきがあんなにえっちだなんて思わなかったなぁ…」


ニヤニヤしながら言う朝日。


「ち、ちがうよ!仕返しのためにやったの!」


照れながら必死に否定する。


「冗談だよー!かずき照れちゃってかわいいなぁ!」


いたずらっぽくそう言う朝日を見て、なんだか吹っ切れた私は朝日のお腹をくすぐった。


「あははは!かずき…やめてぇ…」


「やめないよー」


そう言う私に朝日も負けじとくすぐってきた。


「あはは!朝日やめてぇ!」


「だめー!」


お互いにくすぐり合い笑う。


そうして、お互い満足したので二人で浴槽に浸かる。


あー楽しかったぁ!と嬉しそうに感想を言う朝日。


そうだねぇ!と私も楽しかったのでそう言った。


でーもー…なにかを言おうとする朝日。


私はなんだろ?と考えていると、朝日が顔を近づけ耳元で言う。


「今日はまだ終わりじゃないよぉ。まだまだ夜は長いんだからぁ。かずきになにしようかなぁ」


そう言うと朝日はふっふっふっと笑っていた。


そうだった…。今日は朝日が泊まりに来てるんだった…。


どうやら私の一日はまだまだ続くみたい…。


私なにされるのぉ…。

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