9話

生徒会室の前まで着くと、まずは深呼吸をして気持ちを落ち着け、考えることにした。


生徒会室には高円寺先輩がいる。


きっと先輩も他の三人と同じく私になにかしてくるはずだ。


今までみたいに動揺しないよう気をつけないといけない。


よし…がんばろ…。と気合いを入れると扉をノックし中に入る。


どうやら他の生徒会メンバーはすでに集まっていたみたいで挨拶をすると、それぞれ挨拶を返してくれた。


そして、一番奥の会長の席に座っている先輩も、こちらに気づくと作業中の手を止め挨拶してくれる。


私は先輩の仕事の手伝いをするため側まで寄ると、先輩が今日の分の指示をしてくれる。


それから私は自分の席に着き仕事を始める。


あれ?いつも通り?


そう考えていたけど…。


しばらく経ち他のメンバーが校内での作業のため、一人また一人と外へ出ていく。


気づけば生徒会室には先輩と二人きりになっていた。


そして、先輩に呼ばれる。


うぅ…まさかぁ…と思いながら私は緊張しつつ、先輩の元へと近づく。


私はこれからなにかされるのだろうと考えていたのだが…。


先輩が今後の作業の話をするだけで終わり特になにもなかった。


あれ…警戒しすぎていたのかなぁ…。


そう思うと緊張の糸が切れ、昨日の疲れと今日一日のことで大分気を張りすぎていたようで、うとうとしてきた。


うぅ…眠くなってきちゃった…。


そう考えていると、そんな私に気づいたのか、また先輩に呼ばれた。


「上田一樹。ちょっとこちらに来なさい」


怒られちゃうのかなぁ…と思いながら先輩の元へ行く。


「今日はどうしたの?いつものあなたらしくないけど」


「ごめんなさい…。なんだかすごく眠くなってきちゃって…」


「しょうがないわね…。それじゃあ仕事にならないからこちらに来なさい」


先輩がそう言い立ち上がると、部屋の隅に置かれた来客用のソファーまで連れていかれる。


そこに二人で座ると先輩が言った。


「まずはここで軽く仮眠をとりなさい」


「はい…そうします…」


私の返事を聞くと先輩が自分のふとももをぽんぽんとする。


「さぁ、どうぞいらっしゃい」


え?という顔をした私に先輩が続けて言う。


「どうしたの?遠慮しなくていいわよ?」


「え、えぇ…」


いいから来なさいと先輩が言うと、私の肩を掴み寝かせた状態にさせられ、気づくと膝枕をしてもらう形になっていた。


視界には先輩の綺麗に整った顔と、ある大きいものが映った。


羨ましいなぁ…と思ったけど今はそれどころじゃない。


「せ、先輩…恥ずかしいですよぉ。それに先輩に迷惑が…」


「いいからそのまま寝なさい。わたくしのことは気にしないでいいから」


「で、でもぉ…」


そう言いかけると先輩が私の頭を撫でながら言う。


「いつも頑張ってくれてるのだから今日くらいは特別よ。それにわたくしはあなたにしてあげたくてしてるのだから」


私は眠気に勝てずお言葉に甘えて休ませてもらうことにした。


目をつぶると意識してなかったせいで気づかなかったが、先輩のふとももは細いのに柔らかくすごい寝やすい。


さらに先輩の良い匂いがしてすごく落ち着く…。


そして私はいつの間にか眠っていた。


先輩がなにか言っていたが聞き取れず…。



「…ほんとにかわいい子。もっとわたくしに甘えてくれていいのに」




意識が戻り寝ぼけながら目を開けると目の前が真っ暗だった。


夜まで寝てしまったのかと思ったけど、違うみたい。


もしそうなら先輩か他の生徒会メンバーが起こしてくれるはず。


それならなんで真っ暗なのかと考えていると、頭になにか乗っていることに気づく。


気になり触ってみるとすごく柔らかい感触が。


その時先輩が、身体をビクッとさせた。すると私の視界が明るくなった。


目の前には先輩のお腹部分の制服が。


いつの間にか寝返りをうっていたようで私は先輩の身体の方に顔を向けていたみたい。


先輩もいつの間にか寝ちゃったみたいで私の頭を抱き抱える形になっていた。


私が頭に乗っていた柔らかいなにかに触れたせいで先輩もびっくりして起きたようで視界が明るくなったのだった。


それじゃあさっきの柔らかいものはなんだったのかと考える。


そして気づく…。


柔らかいもの正体に…。


私はその正体に気づくと慌てて起き上がり先輩に言う。


「せ、先輩!ご、ごめんなさい!」


「もぉ…エッチ…」


そう言うと先輩は少し顔を赤らめていた。


「ほ、ほんとごめんなさいぃ!」


私はひたすら謝る。


「そんなに触りたかったのなら言ってくれればいいのに…あなたならいつでも歓迎よ」


「な、なにいってるんですかぁ…!そういうつもりじゃ…」


「ふふ…なーんてね。女同士なんだからそんなに焦らなくていいのに…ほんとにかわいい子ねぇ」


顔を赤くし否定する私を見て笑いながらそう言うと先輩が私の頭を撫でてくれる。


たしかにそうだけど…。最近の私はおかしく、ひどく動揺してしまっていた。


「さて、眠気は覚めたかしら?」


寝起きの衝撃が強すぎて、すっかり目が覚めた私は大丈夫ですと返事をする。


「それなら他のメンバーもそろそろ戻ってくるし作業を再開するわよ!」


はい!と返事をし、膝枕のお礼を言い作業に戻る。




作業中、先輩と自分のを交互に見比べて、すごい羨ましいなぁと思ったのは秘密。


大きいし柔らかいし、ずるいよ…。


うぅ…。

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