ロール・アンド・リスポンスィビリティ
こんにちは。
Role and Responsibilityの回です。R&Rと略します。役割と責任ですね。
みなさんCMなどでちょくちょく目にされている電子帳簿保存法というのがあります。簡単に言うと電子で請求書受け取って処理できるよ的なアレです(雑すぎるのはご愛敬)。
日本は押印・原本主義ですので、これを一気に電子にとなると、結構大変です。
そしてうちの経理、年齢層高いです。DX(デジタルトランスフォーメーション)、弱いです。あとは……わかるな?
正直絶対関わりたくありませんでしたが、指名されたとあれば致し方ない。
半年ぐらい前、紙から電子に変えるプロジェクトが発足いたしまして、参画しておりました。
このリーダーがまぁ、大変です。
ぽやぽやしているので、ぽや子さんとしましょう。
まず、経理がやりたいわけです。電子化。けれども「どうしましょう?」「アイデアありますか?」「次は何をすれば?」――リーダーって何?
プロジェクトリーダー、別に業務の全てを把握している必要はないです。スケジュールを組んで管理して、担当をアサインして、仕様と問題を抽出して最後までみんなのベクトルを合わせる。そんなんで十分です。ところが。
「仕様書みたいなの、ないんですか。企画書でも」「え? ないとダメですか」
「ITとどんなシステム構築する話してます?」「私もよくわからないです。資料転送します」
「適格請求書の判断基準とか」「ネットで検索してください」
「社内への説明って誰がするんです?」「お願いします」
「問題点の洗い出しってどうされます?」「え、それって必要ですか? ただ電子ファイルを流すだけですよね」
ええ、ええ。全力で言わせてください。
――オワタ。
おいおいマジかよ、って電話会議で何度も言いそうになりました。ミュート機能よ、ありがとう。
仕事でも、小説を書いていてもそうですが、第三者視点って想像しませんか。
知識のない人=読者がこれを読んだ時に、正しく把握できるか。自身の狙い通りに捉えてくれるか。共通知識として取り込んでくれるか。
(蛇足ですが、テンプレ作品はこの観点を徹底的に排除しているので除外します。ステータスオープンもSSSランクも、私は全然わからないですが、用語説明のないまま当然のように使われるのでググりました。笑)
これって物事の基本中の基本ではないでしょうか?
ぽや子さんは、あたしが知ってる=みんなも知ってる、です。だから会話も仕事も全然かみ合いません。そもそも、すり合わせすらもしようとしないので。
大体請求書の書式って統一されてないですよね。そんなの言われるまでもなくわかりますよね。
で、それらを経理知識ゼロである一般社員たちが、正しくプロセスできるようにするのが経理の役割ですよね。
正直私よりもだいぶ年上で勤続経験も長く、社歴も長い方にそんな強くは――
「あの。何をされたいのかが全く見えないんですが。結局現行の経理システムを維持したまま、社員や取引先に対応を変えてもらってプロセスしたいんですね? なら、これとこれとこれが足りないんですが、そのあたりどうお考えですか」
言っちゃった~★
「えっと……足りない、ですか?」
うお~何も考えてなかった~~~~~~~!!!!!
この方の職位は私より上ですし、「プロジェクトを独自に立ち上げ遂行、メンバーをアサインし完了することができる」っていうスキルマップは当然クリアしているはずです……!
「パリピ課長ぉ~~~~~~」
イヤホンで会議を聞いていた私の直属の上司、パーテーションの横から顔を出し、
「うん。やっべえな! (ニカッ)」
サムズアップ。
ニカッじゃねえよ、ニカッじゃ~~~~! いい笑顔だな~~~~~~!!
わたくしの上司パリピ課長、この通り明るく温和な態度ですけど、部下に求める基準はものっそい高くて。日頃からすごく言われているのが「行動規範」「R&R」です。
「行動規範」というのは、仕事を完遂するだけではなく、相手を思いやったり要求されたもの以上のものを提案したり、またこの人と仕事がしたいなと思わせる態度など。よくいますよね、すんごい優秀だけど人としてはあまり関わりたくないってタイプ。
パリピ課長は仕事の成果が横並びになった時、じゃあ次の評価基準はってなるとそういう部分だよ、と教えてくれています。
「R&R」というのは、その人の持つ責任と役割を意識するということ。これはあたしの仕事じゃない! ってよくバブルさんがオフィスで咆哮してますが(黒い炎吹いてる)、仕事の範囲って自分が決めるものでしょうか。上司であったりお客さんであったりじゃないでしょうか。つまり最低限果たさなければならない責任・義務はありますよね。それを行うための役割を担って、働いてお金をもらっている。これをやらなければ、この仕事は終わらない。ならば、やる必要はあるのではないでしょうか。誰かがやらなければならないわけですしね。とはいえ抱え込みすぎるとダメなので上司・同僚に相談しつつ、ですけどね。
わたくしこのふたつ、常に意識して行動するようになりました。
ぽや子さんには、残念ながらこれらが全くない。それでも評価する上司が間違っているわけです。なので、わたくしもう何も言いません。上司じゃないし同じ部署でもないんで。粛々とこのプロジェクトを終わらせました。すんごいストレスでしたけど。肩こりと眼精疲労やっべ~。完全に片頭痛持ちに進化いたしました、ありがとうございました。マッサージ、行きたい。
そしてこの観点、創作物にも活かせるなと思いました。
作者として、この物語にはどういうテーマがあって、出てくるキャラたちにはどんな責任と役割があるのかを常に考える。
さらには、第三者視点でもって、初めて読んだ時に正しく意味を捉え、同じ世界に没頭してくれるように書く。
俺の話を読め! っていう傲慢さも魅力的ですけども。長くなるとそれが鼻についてきちゃって……
あたしの気持ちを詰めに詰め込んだ! っていう理想も魅力的ですけども。えっと結局どれが大事で何が言いたいんだろう? とボヤけます。
私の書いたキャラが魅力的! と言ってくださる読者様が時々(本当に時々ですけど、ありがたいです~!)いらっしゃるのは、きっとこの意識があるからじゃないかな、と自負しています。同時に『ものかきのはしくれ』として、読者様を楽しませるっていう役割と、最後まで書ききるという責任は、果たしていきたいなと思って今日も書いています。
いつも応援してくださり、本当にありがとうございますm(__)m
また新しいお話で、会えますように!
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