クリエイション・リソース
Creation Resourceの回です。たまには創作論ちっくなものを。
近況ノートに書きましたが、諸事情でしばらく小説が書けなくなっておりました。
そうこうしている内に仕事が多忙を極め(平常運転でもあり)今に至ります。
昨年の五月から執筆活動を開始して、初めてです。
こんなに書いてないの。半月、ゼロ文字。
なのでリハビリがてら、エッセイを書くことにしました。
SNSをやっていると、書籍化したい! 売れたい! とつぶやいている方を多々見かけて、皆さん意識が高いなぁと感心しております。
執筆当初は、もし編集さんからお声かかったらどうしよう♪ なんて夢を見ていたわけですけれど、これまで様々なコンテストにエントリーしてきて、それはないなと分かってきました。現実はちゃんと受け止めないとね!
仕事柄どうしてもビジネスの着眼点でラノベ市場を見てしまうわけですけれど、なかなかに厳しいですね。
この「厳しい」という単語は、私にとって、です。
私が書く作品と、
市場(ラノベ需要)
WEBのニーズ
実力
との乖離が、厳しい。なかなかすり合わせができないなあ、というのが率直な感想です。
市場で言うと、現在世界情勢で『紙』のコストはえげつなく値上がりしています。
つまり出版社が書籍を出版する体力、今まで以上に必要になる。これは、より『売れると思われるもの』を精査して出さざるを得ないということになりますよね。チャレンジができない。カテゴリがどんどん偏っていくのではと思ってしまいます。
日本は住宅事情と中高生へのスマホ普及もあり、電子書籍にどんどんシフトしていくでしょう。
となると、ディスプレイで読むのに特化していく。読書スキルもそれに合わせたものになっていく。紙の書籍は売れなくなる。
次に、WEBのニーズ。
ラノベの定義って色々ありますけれど、私はその表現方法に一般小説との大きな違いがあると思っています。
ラノベを読む方々は、ゲームやアニメに慣れている方が多いのではないでしょうか。
だから、魔法ひとつとってみても、ファイアアロー! と叫べば炎の槍が飛んでいく映像が浮かぶはずです。描写する必要がない。
冒険者ギルドランクもBとかSとかいきなり出て来て、説明がない。
あまり読まない私からすると、Bが高いのか低いのか、分からないです。でもそれで良い。
テンプレうんぬんありますけれど、共通のプラットフォームを使うことで極力描写をそぎ落として、コミック的な物語を文字で提供しているのがラノベじゃないかな、と思っています(個人の見解)。
私はラノベをほとんど読まない人間なので、これが分からない。
そんな人間が書くものなので、どうしても地の文は多いですし、情景は丁寧に描写したい。
このあたり、WEBニーズと大きな乖離があると思います。
最後に、実力。
ぶっちゃけ、書籍化された! という作品を読みに行っても、え、これが?? となることもありますよね(個人の見解)。
文章力・描写力、構成力、ストーリー性、キャラ描写、挙げればキリがないほど小説の『実力』を測る物差しがあります。
私が小説を書く時に一番重要視しているのは、『読んだ人の心を動かせるかどうか』です。
拙くても、多少表現がおかしくても、読んだ人が『おもしろかった』『読んでよかった』『元気になった』と言ってもらえること。
これが、最高の誉め言葉ですし、私の原動力。クリエーション・リソースです。
そして何より中高生の頃、一般小説は読むのが大変(辞典で単語や語彙を調べる時間も含めて)。けれどアニメ原作はちょっと……ていう時に手に取りたい本がもっとあればと思っていました。親の目に入っても大丈夫な表紙とタイトルで(これ最重要)、大人の世界への入り口的に。そして身近な大人ともできれば同じ本を一緒に読んで、感想を語り合いたい。
便利屋ブルーヘブンも、後宮黒姫も、そんな感じで書いておりました。
はい。
こうして、あえて原点に立ち戻ってみました。
明日から、きっと書けると思います。
(執筆時間をこじあけるのは、得意ですので)
あなたのリソースはなんでしょうか。
是非、お聞かせくださいね。
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