ヘイ、ミスター
Hey, Misterの回です。こんにちは。英語で「オッサン」的なニュアンスの単語ってないんですよね。
私が知らないだけかな?
というわけで、皆さまご存じパワハラ部長の回です。ただの愚痴です。イラっとしましたら、そっとじ推奨いたします。
◇ ◇ ◇
パワハラ部長、五十歳。
見た目完全にハンシャ(漢字はお察し)、言葉遣いは方言交じりで常に荒い。オフィスで仕事の話をするのに、ほぼほぼ枕詞が「ばっかやろお、おまえさあ」です。
で、よく「今時の若モンは」「おまえ若ぇんだから、これぐらいやれんだろお」「根性出せや、若ぇんだから!」と言います。
若さと仕事。何が関係あるんでしょうかね。未だにさっぱりわかりません。
ある日、なんで彼のことをパワハラと感じるかを考えてみました。
大前提として、部長という、私のクビを握っている存在は、脅威ですよね。
次に、ジェネレーションギャップなんて言葉が浸透している昨今ですが、このギャップをそもそも埋めようという気持ちが、これっぽっちもない。
常に俺の言う通りにしろ、俺の話を聞いてればいいんだ! です。
五十歳というと、バブル世代。
働けば働くほどお金が入ってきては豪遊して、客先で浴びるようにお酒飲んで仕事取ってきて……という自慢話? をよくされます。つまりは、会社に捧げた時間分、まるごと利益になってきた方々。だから、会社員としての『常識』がとことん違う。
ちょっと考えてみてください。
残業時間はコストカットだと人事から制限され。年次昇給は不景気だからゼロ回答。ボーナスも出るか怪しい。
世界中のコスト高とインフレで、向こう数年の経済的インパクトさえまったく読めない、この状況です。
会社が存続するかも分からないのに身を粉にして捧げて、いったい何が得られるっていうんです? 明日その努力がゴミになるかもしれないんですよ。
そんな不安感を抱えて毎日仕事しているんです。サービス残業なんて、以ての外。
状況が全然違うんです。現在の現実に、そろそろ意識をアップデートして頂けませんか。
次に、デジタルへの圧倒的拒否感。
「新しいのばっかいれやがって。こんなん全然わかんねえよ!」とマウスをぶん投げて(物理攻撃)、電子承認を放棄する。
最初から学ぼうとしていないところが、もうね。
一通りマニュアルを見ながら、やってみたらどうですか。
画面見て拒絶するだけが通じるなら、私もあなたの顔を見るだけで拒絶したいよ。
ものすごい簡単なアプリのセットアップすら、
「おまえらのサービスだろ! 今すぐ俺の席来てやれよ!」
と社内のITの人を脅迫していました。あのね、一人にやってあげたら、その後ろに数百人いるんですよ? あなただけ特別扱いなんてできないから、全員にやらないといけなくなる。それすらわからないんですか?
拒絶されたからって「どうせ暇なくせによ! サービスって言葉、知らねえのかボゲエ!」ってオフィスで叫ぶの、恥ずかしいのでやめてください。
あと、飲み会で酔ったら必ず、同席した女性たちに『女は子供を産め産め』言ってくる。人口減るからふたり以上な! ってそれガチでセクハラですから。(この件はさすがに人事にイエローカードきってもらってます)
うちの会社は、女性管理職の割合を増やすため、リモートワーク制度があります。
家事との両立を! と、上司が承認すれば月に数日のみですが、在宅勤務できます。
すると
「会社に出て来てなんぼだからな」「対面でないと話にならん」「他の社員は在宅できねえんだ。いいか。空気読めよ」
だって。
制度っていったい? あなたは、他部署の評判が気になるのであり、働く部下の環境は気にならないのですね。
「俺はお前のために言ってやってるんだ」「将来のためになるんだ」
などと言いますけどね。へーへーほーへーですよ。
社内の仲間内だけでごはん食べに行ったら、翌朝それを聞いて「俺は誘われなかった」「なんで勝手に行くんだ」って拗ねてますけど。まずあなたが空気読めてないじゃんね。呼ばねーよ。
で、具体的に私が今一番困っていることは、仕事の丸投げです。
部長であるからして、役員クラスの人から何か言われて、脊髄反射で「よろしく」ってメール転送してくる。
指示が「よろしく」の四文字だけです。四文字あればいい方。ただの転送の時すらある。
仕方ないので、とりあえず一生懸命、下にあるメールのやり取り(英語)を解読します。誰がいつまでに、何のために欲しいのか、そのラリーで分かればいいですが――分からないことのが多い。しかも三割ぐらい、よく読むと「if possible(できれば)」とか「Please proceed it when PJ will be started(プロジェクトが始まったら、やってね)」とか書いてある。プロジェクトは始まっていない。脱力する。
「せめてちゃんと読んでください。読んでから、どうするべきか判断して、それから具体的な指示のもと、投げてください」
て言ってみたら「それもお前の仕事だろうが!」「おまえのスキルアップのためだ」「とにかく俺のためにやりゃいーんだ!」と来る。
最近、私は『俺に逆らうやつリスト』に入ったみたいです。逆らうってのは、仕事をしないってことじゃないのかなあ。
そして夏のボーナス査定、部長は私のスコアを理由なく、意図的に下げてました。
一昨年、去年とまったく同じ目標達成率なのに、なんでかなって思っていたら……部門内のお気にちゃんを出世させたかったんだそうで。彼女は無事職位が上がってました。部門内でハイスコアを付けられる人数割り当ては、決まっていますから。まあ、逆らうからにはこうなるだろうと思っていたので、別に良いのですが。
おかげさまで、バブルさんが大暴れです(自分は出世しなかったのが、ご不満らしいです)。
ヘイ、ミスター。お好きにどうぞですけど、バブルさんのフォローだけは、きっちりお願いしますね。連獅子か? てくらい髪の毛振り乱してお怒りだったので。
ハンシャと連獅子対決……物騒なオフィスだな。
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