第8話 美味しゅうございました。

 グンは今、危機的状況にいる。


 足腰は日中の走り込みで動かず、両手も銃の撃ちすぎで全く上がらない。


 覚悟を決め、のめり込む様に訓練を行ったのだ…だが結末は?





〇●〇●〇●〇●〇


(※エ〇パートです、苦手な方は次の〇●〇●〇●〇●〇へゴー!)





「ふっふっふっなんよ。計画通りなんよ(じゅるり)」


「なん…だと?」


「まんまと罠に嵌ったグンは今からメイに嵌められるんよ」


「なんだその下品なダジャレは!」


 口だけは動く、身体は動かない。問題は他にもあった、グンのグンがグングンしているのだ!自分でも信じられない程グングンである。

 そんなグングンに自分のメイメイをこすりつけ、馬乗りになっているメイ。何と言って良いのか、メイのメイメイはすでに準備は万端であった。 


「一体俺に何をした!?」


「何もしてないんよ。それは知ってるはずなんよ、メイはグンの身体を気遣っただけなんよ?食欲が無いグンを心配して10秒ゼリーを渡しただけなんよ?そうゼリーを、なんよ」


「イロイロ…色々には何が含まれている?」


「色々は色々なんよ、そこに色事成分がイロイロ入っていても不思議じゃないんよ?(ニタリ)」


 そう、訓練後身体中が悲鳴を上げていたグンは、車椅子で運ばれる事となった。


 流石は近未来施設。その車椅子はグンを浴場まで連れて行き、身体を洗う介助を行ったのだ。

 立ち上がろうと意志を示せば自動的に持ち上げてくれ、身体を洗いたいを示せば自動洗浄機へと連れてってくれる。


 おかげでグンが何もせずとも身体中ピカピカである。


 入浴後はマッサージチェアとなり、疲れた体を癒してくれる大変便利な椅子だった。


 マッサージで変な声を上げている最中にメイが聞いてきた。


「グン、何か食べれそうなんよ?」


「無理だな、ちょっと身体か受け付けそうになない」


「ふ~ん、それならこれだけでも食べておくんよ、栄養満点の10秒ゼリーなんよ、少しでも食べておいた方がいいんよ」


「おう、ありがとう。それくらいなら何とななるな助かるよ」


 グンを気遣いながらメイはゼリーを手渡してくる。

 日中鬼のようなイメージだったが、今は天使に見える。人とは実に現金だ。


「昨日の部屋に布団は敷いといたんよ、メイはお風呂にいくから身体を休めておくんよ?」


「ははは、身体中どこもかしこも動きそうにない、横になればそのまま寝ちゃうって」


「そう?それじゃお風呂いってくるんよ」


「いってっしゃい、後、おやすみ」


「ふふふ」


 手を振り昨日の温泉へと向かうメイ、介助君(グン命名)に布団まで運ばれ、滑り台の様に固定位置が変化すると、負担が無いように布団へと寝かされる事となる。


「流石に掛布団は無理だよなぁ」


 布団へと倒れ込だグンはそのまま目を瞑る。


 日中あれだけシゴかれたのだ、すぐに寝てしまうだろう。グンはそう考えていたのだが、まったく寝付けない。


(疲れすぎると眠れなくなるんだっけ?)


 そんな話もあったかなぁ。などとぼんやり天井を見つめていた。


 するとその耳に襖が開く、リビングの光が和室に差し込んでくる。

 

 光を背に、メイが其処には立っていた。


(あぁ~様子を見に来てくれたのかな?優しいな~メイは)


 だが様子がオカシイ。


「うふ、うふふふふ。グン?起きてるんよね?寝られないんよね?寝られないはずなんよ……だってゼリーなんよ」


 横になりながら思わず目を見開く。メイは今なんといった?寝られない?そういうゼリー?思考が追い付かない。


「身体の自由をほんのちょっと奪うだけなんよ?ついでにグンのグンがグングンするだけのゼリーなん?安心するんよメイは初めてなんよ?訓練中に予習しておいたんよ?お風呂場でグンを想って準備万端にしてきたんよ?準備に夢中になりそうだったんよ?我慢してここまで来たんよ?グンのグングン受け入れたくて此処に居るだけなんよ?(じゅるり)」


「っく!何をいっている!?」


 グンは無理やり身体を動かそうとしたが動く気配が無い。

 メイの瞳は赤く怪しく光っている。言動も何処かオカシイと感じる位だ。おそらく何かしら自分にもしているのだろう。(実際は致してる途中なのだが…)


「無駄無駄無駄なんよ、さあ始めるんよ”人間式の初夜”を」


「あ……」


 今朝、朝食時に確かにそう言った、言ってしまった。

 物の弾みと言うか、何と言うか、売る言葉に買い言葉、確かに今晩実行すると…。


「っふっふっふ、なんよ。計画通りなんよ(じゅるり)」


「なん…だと?」


「まんまと罠に嵌ったグンは今からメイに嵌められるんよ」


「なんだその下品なダジャレは!」

 

 そして序盤に戻る。


 グンはいろいろ言っているがメイは全く聞く気が無い。逆光で分りずらかったが何も衣服を着ていなかったのだ。


 デジャブ。


 昨日と同じようにメイに馬乗りされるグン、違いがあるとすれば…。


「いただきまぁ~ぁ~すぅ」


 グンの唇にメイの唇が重なる。ゆっくりと口の中を浸食されていく。


 重なった唇を離すことなく、メイは手を伸ばし、グンのグングンを誘導していく。


 ゆっくり、ゆっくりと包み込んで、包み込んで……。






「痛たたたたたた!!!ってえええ!えっ!?何!?こんなに痛いんよ!?」


 はい、まさにデジャブ。


 昨日グンが上げた悲鳴そのままであった!(笑)


「や・め・な・い・か・?」


 メイの様子を伺い、グンはそう提案する。


「ッフ」


 メイは鼻で笑い飛ばす、と一気に腰を落とした。


「このまま修復を承認!」 


「えぇぇぇぇえ…」


「うふふふふ、これでも吸血鬼なんよ、再生はお手の物(一部再生不可)なんよ」


 そう、彼女は吸血鬼。自慢げに胸を張る。と、どうなるか?


「これで痛みは消えた、わぁはぁぁあん♡ん……♡なぁはぁああんよほぉぉぉぉおおお♡」


 動くのである!何が何処でとは聞かないで欲しい。





 メイは一晩どころか、翌日のまでグンのグングンに完全に溺れる事となる。



 余談だが、チュン合唱団は朝頑張っていた、本当に頑張っていたのだ!






〇●〇●〇●〇●〇





「すんごい事になったんよ……」


「腹上死を実践されそうになりました、本当にアリガトウゴザイマス」


「ねえグン?毎晩の日課に…なんよ♡」


「シンデシマイマス、ユルシテクダサイ」


「残念なんよ、致しながらの吸血行為は言葉に言い表せないほど気持ちよかったんよ♡」


「……」


 そう、メイは快楽と興奮と欲望のままグンの首に嚙みついた。

 それは今までの何十倍も、いや何千倍もすごかったのだ!(強調)


「ダメ人間になってしまいますので次のゲーム終了までご遠慮下さるよう、お願い申し上げます」


「次のゲームの晩にするんよ?約束なんよ」


「……」


 グンは返事をしなかった、返事をしてしまえば決定事項になってしまうからだ。


「それよりもルリの所に行こう、きっと待っているはずだよ」


「ん、それもそうなんよ」


 二人は訓練施設へと足を向ける。





「昨晩はお愉しみなの♪」


「「……」」


(どこまで?いや、どこで見ていたのだろう…てか、そのネタはどこから?)


「母様、お渡ししたゼリーは役にたったなの?」


「もちろんなんよ!」


「ルリーーー!お前かーー!!犯人は!!!」


「何の事なの?ルリは父様を心配している母様の相談に乗っただけなの、父様そんな母様に乗られただけなの(笑)」


「そうなんよ、でも腰は勝手に動いていたなんよ、見事な動きだったんよ」


「しゃらーーーーっぷ!!」


 画面の中、笑い転げるルリと、先程迄の秘め事を思い出し、口から涎を垂らすメイ。


「あ、そうなの。言い忘れていたなの」


「ん?どうしたルリ」


「十連ガチャが3日分溜まっているの、引いた方がいいなの。後、プールしている魂が2つあるなの、魂ガチャ2回分あるなの、ライフプールにも使えるなの、どちらかか2回分なの、ガチャ1回ライフ1個に分けてもいいなの」


「言ってる意味が解らんのだが…」


「十連は1日1回引けてプール可能なの、魂ガチャはゲーム中殺害した人数がプール回数なの、最高レアリティ確定なの、ライフプールは死んでも生き返れる回数なの」


「へ……いきかえ?え?嘘だろ?それじゃまるっきりゲームじゃないか!」


「何を言っているのなの?これはゲームなの、ライフは大事なの」





(──もう、まったく意味がわからん。)


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