第3話


 なんと、今日も体調が悪いでござる。

 数か月前からほぼ毎日、謎の体調不良に悩まされています。

 まず何が謎かって言うとね?

 平熱がクソほど上がったんですよ。いや、クソほどは言いすぎか。

 朝35.8度から始まり、昼頃には最高で37.3度まで上がる。

 ほぼ毎日これ。だから平熱ってことにした!

 いや、この謎の平熱上昇は何年も前からそうなの。

 だから平熱ってことにした!!

 もちろん主治医に相談しましたとも。

 心療内科に相談してどうすんだ!! とお思いになるかもしれませんけどね?

 常飲している薬によって肝臓に負担がかかっていないかも見るために、たびたび血液検査しているんですよ。

 血液検査の結果では甲状腺に異常はなかったんですよ。

 それで数か月前、目眩で数日ほど動けなくなったときがありまして。

 謎の体調不良は目眩が起こる少し前からとてつもない疲労感に悩まされていたんです。

 一日過ごして、夕方にはへろへろになってしまう。

 だから、栄養剤で誤魔化してた……してる。うん。

 その疲労感に合わせて、地面が揺れる感じがしているんです。

 あれ? 地震? と思って揺れる物を見ても揺れていない。

 そうして、目眩で動けないに至ったのであります。

 みんなもうわかってると思うけど、私、馬鹿なんですよ。

 目眩が起こったとき、耳鼻科に行かなかったの。

 ね、馬鹿でしょ?

 でもね、ちょっと言い訳させて?

 とにかく動けなかったの。で、親に頼もうにも仕事で行けなかったの。

 自分で頑張ろうかと思ったんだけど、ちょっと動けるようになったのが土日だったのね?

 月曜になったらもう治まっていたからさ、行かなかったんだ。

 それ以降、目眩は起こっていないけど、地面が揺れる感覚はあるのさ。

 あとめちゃくちゃ疲労感があるのさ。

 こんなに体調が悪いのに毎日生きなきゃいけないの!?

 毎日へろへろになりながら耐えなきゃいけないの!?

 体調が悪いとメンタルも落ち込むよね!

 健康じゃないこんな体なんてとっとと捨ててえよ!!

 だから!! えっと……うん……。

 とりあえず内科と耳鼻科に行って来るわ!!!!


 ってね!! と、電話でござる。佐久間さんだ。


「はい、織部です」


佐久間さん

『あ、織部さん。こんばんは。いまいいか?』


「はい」


佐久間さん

『次の日曜、空いてるか?』


「えっと……はい、空いてます」


佐久間さん

『じゃあ予定空けとけよ』


「へえ……またおデートですか?」


佐久間さん

『嫌そうな声出すなよ。またファビオでいいか?』


「はい。大丈夫です」


佐久間さん

『じゃあ、また13時に迎えに行くからな。おやすみ』


「おやすみなさーい」


 なんと、またまたイケ散らかしたメンズにデートに誘われたでござる。

 ちょっと前に会ったばっかなのに。

 そんなに私が三日月川大橋のてっぺんに行かないか心配なのか?


 ちなみに、佐久間さんからはほぼ毎日メッセージが届くんですよ。

 マメですよね~。さすがイケ散らかしたメンズだな。

 釣った魚にもちゃんと餌をやるタイプなんだな。


 と、なんのかんので日曜13時!!

 いきなり日曜13時になるのはそれまでのあいだに書くことがねえからだよ!!!!

 家と職場を往復するだけの毎日を甘く見るなよ!!!!

 無趣味ってわけじゃないんだよ?

 ただ、全部インドアってだけでね。

 おっと、佐久間さんが手を振っている。


「今日はスーツじゃないんですね」


佐久間さん

「うん。どう? 私服の俺」


 みんな!! 拙者いまの流行りとか知らねえからさ!!

 イケ散らかしたメンズがこんなん着てたら無難だなって服装を各々で思い浮かべてくれよな!!!!


「無難な感じですね」


佐久間さん

「無難……。もしかしてスーツのほうが好きか?」


「佐久間さんに限らず私はスーツ姿の男性が好きです」


 スーツっていいよね……。

 ジャケットの内側にガンホルダーを装着してさ、風でジャケットがはためいたときにそれが見えると……ウッ……最高です……。

 ジャケットを脱いで、あれなんて言うんだっけ。ジレでいいの? ベスト?

 昭和の人が「チョッキ」って言うやつ。

 まあそういうあれの状態で戦場に出て行くのもいいんだけどさ……。

 私の推しの話をすると長いから省くぜ!!


佐久間さん

「そうなのか……。リサーチ不足だったな」


「まあでも私服のお姿も素敵ですよ?

 スーツじゃなかったとしてもイケ散らかしたメンズに変わりはないんですから」


佐久間さん

「上げて落とすのやめろよ。まあいい、乗れ」


 今日は頭をぶつけずに無事乗車!


「今日はどちらに?」


佐久間さん

「今日も喫茶店には変わりないんだが、このあいだとは少し雰囲気が違う店に行こうかと思ってな。

 俺たちはまだ話さなければならないことが山ほどあるしな。

 前回はお前が少し緊張しているように見えたから、落ち着いた店のほうがいいだろ」


 なんと、よく見ている……。

 店のせいではなく佐久間さんのせいではあるんだけど……。

 まあ、そこまで言わなくてもいいか。


「佐久間さん、ちょっと前に会ったばかりですが、

 私が三日月川大橋のてっぺんに行かないかそんなに心配なんですか?」


佐久間さん

「え?」


「そんなにご心配いただかなくとも、当分は行きませんよ?」


佐久間さん

「お前……この状況でよくそんなすっとぼけたことが言えたもんだな」


「え?」


佐久間さん

「俺はいま、お前を口説き落とそうとしているんだ。

 まあそっちも防げるだけ防ごうと思っているが。

 お前を攻略しょうとしているんだぞ?」


「……ああ、そうなんですか……」


佐久間さん

「なんだその腑抜けた返事は」


「いえ……もう落としたつもりでいらっしゃるのかと思っていました」


佐久間さん

「え」


「娶るのは確定のような仰り方をしていましたし、

 もう私を手中に収めたと思ってらっしゃるのかと……」


佐久間さん

「お前は落とされたつもりだったのかよ」


「いえ? まったく」


佐久間さん

「だったら落とせてないだろ。

 娶るのは落とせたあとの最終目標であるというだけで、それまでの過程を全部すっ飛ばそうなんて思ってない。

 お前が他の男の手に渡らないよう必死になっているだけだ」


「そうなんですね……恐れ入ります」


佐久間さん

「なんだその返事。

 お前が他の男を選ぶなら別にそれでも構わない。

 だがお前に選ばれたいと思っているから、こうして誘っているんだ」


「なるほど……その発想はなかった……」


佐久間さん

「お前もしかして恋愛事に疎いのか?」


「いかにもでござる」


佐久間さん

「だから俺に靡かないのかもしれないな」


「でも佐久間さんは自分から口説きに行かなくても、お嬢様方のほうから寄って来たんじゃないですか?」


佐久間さん

「まあ、それはあながち間違いではない。

 お前はいままでのレディたちと違いすぎて、どうしたらいいか手探り状態だよ」


「これだけの美形が自分を口説き落とすために必死になっているのは、

 大事にされている感じがして存外悪くないですね」


佐久間さん

「大事に思ってなきゃ、いま頃とっくにお前を抱いているよ」


「ふふ……他人から大事に思われたのはいつぶりでしょうね」


佐久間さん

「……」


 と、そんなこんなで喫茶店に到着。

 ふおお……落ち着いた雰囲気で素敵な喫茶店でござる。

 みんな!! 拙者の文章力では(以下略)

 斜交いの席に着いて、ぱぱ~っと注文。


佐久間さん

「お前は紅茶派なんだな。前回も紅茶だった」


「コーヒーも好きですが、お店のコーヒーって好みに合わないことが多くて。

 紅茶だったら、だいたいどこの喫茶店に行っても美味しく飲めるので」


佐久間さん

「なるほどな……。

 じゃあ、お前が俺の部屋に来るときは紅茶を用意しておかないとな」


「佐久間さんの部屋……どうせエントランスに高そうな壺とか飾ってるんでしょ」


佐久間さん

「エントランスなんかねえよ。普通のマンションだよ」


「お貴族様の部屋に土足で上がり込むなんて庶民にはとてもできませんわ」


佐久間さん

「貴族じゃねえし土足禁止だよ。俺のことなんだと思ってんだよ」


「佐久間さんてその見た目に対してその喋り方って脳がバグりますね」


佐久間さん

「ええ……なんだよ急に、どういうことなんだよ」


「見た目は麗しいのにちょっと乱暴な喋り方……。

 相手を尊重しつつちょっと強引な感じ……。

 まあそこがギャップ萌えポイントなのかもしれませんね」


佐久間さん

「そうなのか……。気にしたことなかったな。

 お前はそういう男はどうだ?」


「あ、じゃあちょっとカットインしますね」


佐久間さん

「なんて?」


「……嫌いじゃない」


 カッと目を見開いてカットイン!

 拙者、カットイン大好き忍者でござる。


「私は優柔不断なので強引な人のほうが助かりますしね」


佐久間さん

「なんだいまの時間は。

 じゃあ今後もそうしていこうかな」


「強引と横暴をお間違えになりませぬようどうぞお気を付けあそばせ」


佐久間さん

「お、おう……。あ、しまった、忘れるところだった」


 佐久間さんが私に白い箱を差し出す。

 なんだこの横長の箱は。

 と、佐久間さんが私の手の向きを直す。

 横長じゃなくて縦長だったのか。

 開けてみると、いかにも高価そうなペンダントが納まっていた。


「なんですか?」


佐久間さん

「俺が信用できる人間だという証明を形にしようと思ってな。

 あと、お前が俺のものになるという予約みたいなもんだ」


「こんな高価そうな物受け取れません」


佐久間さん

「そんな高価じゃないよ」


「お貴族様の高価じゃないは信用できませんわ」


佐久間さん

「なんでそんな俺を貴族にしたがるんだよ」


 明らかに高価なのが見て取れる。

 確かにこれを贈れば信用を得るのに効果的だろうな。

 なんてな!!!!

 ……ハイ、すみません……。

 なんてくだらないことを考えてうだうだしていると、佐久間さんがペンダントを手に取る。

 それを私の首に回すので、反射的にビクッとしてしまった。

 イケ散らかした顔面が近くにあったらそりゃいくら忍者でもドキドキするだろうが――――!!!!


佐久間さん

「仕事中でも着けられるように、シャツから見えない長さにしておいたからな。

 肌身離さず着けて、俺が信用に足る男だと信じていてくれ」


「……ありがとうございます」


 いいのだろうか、こんな高価そうな物を受け取ってしまって……。

 佐久間さんはきっと信用できる人だ。

 ただ私が、自分が愛される人間ではないと思っているだけで。

 だって愛される人間だったらもっと愛されてるはずだろクソが――――!!!!


「もしや先に贈り物をして後々もっと高価な物を要求するパターン……!?」


佐久間さん

「なんだよ急に。さっそく俺を疑ってるじゃねえか。

 ピアスにしようかとも思ったんだが、お前めちゃくちゃ開いてるし

 他のを合わせるのが大変かと思ってな」


「はっ、お心遣い痛み入ります」


佐久間さん

「何個開いてるんだ?」


「両耳に4個ずつ開いてます」


佐久間さん

「なんでそんなに開けたんだ?」


「むしゃくしゃしたからでござる」


佐久間さん

「むしゃくしゃしてピアス開けるのか……」


「こうなったら着飾って気分上げたろ!! と思いまして」


佐久間さん

「なるほど……。女性ならではだな」


 結果として言うと気分は上がらんかった!!!!

 穴だけ増えて揃えるのが大変になった!!!!

 8個セットとかあるけどさ、全部が好みに合うわけじゃないじゃん?

 まあ1セット330円で買えるとしてもさ、いくつ買えばいいんだよ!!!!

 どうしたらお洒落に見えるんだよおおおおおおおお!!!!

 って思って1年経つよ! 光陰矢の如し!


「佐久間さんは両耳ひとつずつで小さい粒のピアスを着けたら似合いそう……

 と思ったけど似合わなそうですわ」


佐久間さん

「なんだよ上げて落とすなよ。

 お前ほんと俺を振り回すのが上手いよな」


「えっ……そんな馬鹿な」


佐久間さん

「よくそんな本気で驚けたもんだわ。

 お前という人間を掴めなさすぎて攻略法がわからねえよ」


「そうですか? わかりやすい人間だと思いますけど」


佐久間さん

「お前がわかりやすい人間だったら他の人間は心が読めるくらいわかりやすくなるぞ。

 ほんと何考えてるかわからねえよ」


「……まあ、私のことをわかってくれる人なんていませんよ」


佐久間さん

「俺がそうなれるよう努力している最中だが?」


「はっ、かたじけない」


佐久間さん

「忍者とか貴族とか言ってるからわからねえんだよな。

 まあでも、本当の自分を見せないようにしている、というのは感じるな」


「偽物の忍者だと思ってらっしゃるんですか?」


佐久間さん

「えっ……いや……まあ、忍者は一旦置いとけ。

 お前は確実に死ねる方法でこの世界から退場しようと思うほど傷付いて来たんだろ。

 精神を病むほど苦労して、他人を信用することができなくなった。

 だから、俺が口説いているのも本気だと思っていないんだろ?」


 私のこれまでの人生を話すと、苦労して来たんだね、と人は言ってくれる。

 確かに前職のせいで精神は病んだ。いまだに不安定。

 でも、自分が招いた結果なら、苦労とは言えないんじゃないのかな。

 前職では散々な目に遭ったけど、あの職場を選んだのは私。

 人間関係も酷いものだったけど、どうやらそれも私が悪いみたいだし。

 学生時代だって適当なことをやって、先のことを何も考えていなかった。

 職場の閉店はさすがに私のせいじゃないけど、あの職場を選んだのは私。

 いままで適当に流されて生きて来たツケが回って来たんだよ。

 苦労なんてひとつもしていない。

 ぜんぶ悪いのは私。因果応報ってやつですよ。

 私の努力が足りてないだけ。努力したつもりになってるだけ。

 だから、人生がうまくいかないなんて嘆く資格はないんですわ。

 そんなんで幸せになりたいだなんて、烏滸がましいにも程がありますな。

 って言うと不幸な自分に酔ってる感があるよなあ――――!!!!

 私は幸せではないが決して不幸なのではない。

 むしろ何かと恵まれていると思う。

 ただ、これだけは言わせてくれ。

 精神状態はすでに限界だ!!!!!!

 いくら自分が招いた結果だからってストレスを感じないわけがないだろおおおおお!!!!????

 いままで努力を怠って楽をして来た罪への罰ってことね……。

 罰が多すぎんだろ!!!!!!


「……」


佐久間さん

「お前は性根が優しいから、他人を突き放すことができないんだな。

 ……いや、自分が突き放される側だったのかもな。

 俺はまだ3回会っただけだから、そう簡単には信用できないだろうが、

 俺はお前がいままで出会って来た者たちとは違う」


 きっとそれはその通りなんだろうと思う。

 こんなエンジン全開でも向き合ってくれる人なんてそうそういない。

 きっと佐久間さんのそばだったら私らしく生きられる。

 でも、そんなの、本当かどうかわからないじゃない。

 信用してる人に裏切られるのって、けっこうしんどいんだよ。

 おい見てるかいままで私を裏切って来たお前ら――――!!!!!!

 まだ許してねえからな!!!!!!

 ま、裏切られる側にも原因がある、ってことなんですかね。

 クズの周りにはクズが集まるって寸法サ!!!!

 言ってなかったけど拙者、底抜けのクズでござる!!!!

 自覚があるだけまだマシでござるな!!!!


佐久間さん

「お前を死から引き留めた責任は一生をかけて果たすつもりだ。

 俺が手を放したら、お前はまた三日月川大橋のてっぺんに行ってしまうんだろ?」


 それは間違いないだろうな。

 引き留めてくれる人がいないなら、生き続ける必要はない。

 まあ、引き留められたからって、そう簡単には諦めないけど。

 と、うなじに手を添えられ、ぐっと引かれる。

 状況を理解するより先に、唇を重ねられていた。

 これは卑怯でしょ……。

 咄嗟に俯いてしまった。誠に不甲斐なく……。

 これだから顔面がイケ散らかした人はああ――――!!!!

 顔が熱い。忍者には免疫がないでござる!!!!


佐久間さん

(は? それは卑怯だろ)


 などと佐久間さんが思っているとはつゆ知らず。

 佐久間さんは優しく頬を撫でて姿勢を正す。


佐久間さん

「言っただろ? お前が不安になったら何度でもキスしてやるって」


「……はい」


 もう頷くことしかできませんけど!?

 なんか文句ある!?


佐久間さん

「お前は忍者を名乗っているくせに油断しすぎだ」


「不覚を取られるとは……修行が足りないでござる……」


佐久間さん

「まあ、お前は油断でもしてないと触れることを許さないだろ。

 変に警戒されるよりはいい」


「じゃあ次から警戒しときますわ……」


佐久間さん

「やめろって。

 別にお前が嫌ならしないけど、これ以上ガードを固めるのは勘弁してくれ」


「私そもそもそんなにガード堅くないですよ?」


佐久間さん

「無意識なのが一番厄介だな。

 お前でガードが堅くないなら他のレディはノーガードだぞ」


「そういう戦法かもしれませんしね?」


佐久間さん

「まあそういうレディもいるだろうが、

 お前は俺に抱かれてもいいと思うくらいガードを緩めてもらわないと困るよ」


「佐久間さんは自分に対する自信が太陽並みですよね」


佐久間さん

「なんだその例え」


「顔面がイケ散らかした人はみんなそう。

 いや、自分がカッコいいと思っている人はみんなそう。

 だからそういう男性に落とされるのは癪なんだよ」


佐久間さん

「嫌なのかよ」


「別に嫌ではありませんが……」


佐久間さん

「不服ではあるんだな」


「まーたちょろい女を落ちしちまったぜ、さすが俺!

 みたいに思うんでしょ。知ってんですから」


佐久間さん

「嫌な目にでも遭わされたのかよ」


「嫌な目に遭ったわけではありませんが、腹立つな!! と思ってます」


佐久間さん

「え、俺に?」


「いえ、佐久間さんじゃないです」


佐久間さん

「なんか現行で口説かれてるみたいな口振りだったが」


「口説かれているわけではないですね。

 こいつ絶対オレのこと好きだろ、みたいに思ってそうなメンズがいるんですわ」


佐久間さん

「イケ散らかしたメンズなのか?」


「……ノーコメントで」


佐久間さん

「お、おう……。

 まあ、じゃあ俺はそいつに負けるわけにはいかないな?」


「ご安心召されよ! 私がその人に靡くことはないです」


佐久間さん

「そ、そうか……。

 まあ、警戒しておくに越したことはないな」


「佐久間さんに口説かれているのに他の男性に靡くのは愚かだと思いますよ?」


佐久間さん

「じゃあさっさと落とされろよ」


「それとこれとは話が別でござるな」


佐久間さん

「なんなんだよ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る