異世界説明書
「ステータス」
期待しながらそうつぶやくと
ブゥン
というような音がなり目の前に透明上の板が浮かぶ。
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名前:七瀬 瞬
種族:異世界人
職業:召喚士
MP:20/20
スキル:異世界説明書・意思翻訳・■■
クラススキル:召喚(残り2枠)・弱肉強食
加護・呪い:地球の加護・■■の寵愛
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「なんだ、これ……」
俺の口からそんな言葉が無意識に出ていた。いや、ちょっとは考えたことあったけどほんとに出るのかよこれ……
というか異世界説明書ってなんだ?
そう思いながら透明な板のその部分を触れる。
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異世界説明書(特殊):異世界に来てしまった人や異世界に来た人への救済スキル。異世界人用に調整された鑑定スキル、世界の常識などを教えてくれる。
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これは……ありがたいな。
「い、異世界ってどういうことだよ!元の世界に戻せよ!!」
川崎と周りの奴らがオタクに対して突っかかる。オタクが知ってる訳ないだろ。
俺はそう思いながら周りを見回す。
そういえば説明書に鑑定スキルがあるっぽいよな……
試しにと足元の魔法陣を見つめてみるが何も起きない。
どうすればいいんだ?、と思っていたその時、
『スキルの使用方法:該当スキル名を口に出すか頭の中で想像してください。スキルの中の内蔵スキルの場合、内蔵スキル名が該当スキル名となります』
あぁ、これが異世界説明書の常識を教えてくれるってやつか?頭の中に情報が流れてくる。あれ、でも異世界説明書のことは思い浮かべてないぞ?
『救済スキルですので』
特別ってことか?
『異世界説明書のような説明文に(特殊)と記載されているものの中には発動条件が設定されているものが存在します』
ほ~。めっちゃ親切だな。まぁ、そっか。そもそも救済スキルが発動できないんじゃ意味ないもんなぁ。
そして、気を取り直してもう一度、魔法陣を見ながら鑑定と思い浮かべる。
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異世界人召喚陣(ロールズ魔法帝作):異世界人を召喚するための魔法陣。約600年前に作成されたもの。通常は魔法陣1つに対し三人だが、塔に接続され強制的に範囲が拡大されるようになっている。
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このロールズってやつが悪いのかとも思ったが600年前か……
この世界の人間の寿命ってどれくらいなんだろうか。
『老衰や病気による寿命平均はおよそ90歳ほどです』
まぁ、日本よりちょっと長いぐらいだな……
まぁ、ゲーム風に考えれば魔法ってやつがあるから病気とかで死ににくいっていうことなんだろうな。
よし、一旦スキルの使い方は分かってきた。他にも色々とステータスについて気になるところはあった気はするが、一旦状況把握したいと思い周りを見回す。
そんな事をしている間に川崎たちの喧騒は聞こえなくなってきていた。何人かの女子たちは泣きそうな目になっては居たが男子たちは真剣な目で(一部の奴らはワクワクした目だが)空中を見ていた。
傍から見ると、やばい奴らみたいだな。他の人にはステータスの板は見えないみたいだ。
「勇者……?」
川崎がそう呟いたとき周りのやつ、時にワクワクした目をしていた奴らがざわめく。
「おい~、異世界テンプレの勇者はお前かよ~光星~」
「ここでもお前が人気ものになるのかよ~」
取り巻きのヤツらが川崎の肩を叩いて羨ましそうに言う。
なんだと……川崎が勇者になりやがったのか……
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