第6話

メニースターズ

私の旅団 第6話


 ネクロス皇国はどうやら一枚岩と言うわけではなさそうだ 分家が王位継承

前王のジェラールは引退、2人の息子、ルドンとレッツィ 正統ならば後者だと

アドラ団は領土拡大に使役させられている模様だ 現皇帝の私兵部隊はバロン軍

マリー達は獣兵と一戦交えている 両部隊共に戦力を増強するなら――この後は



「さあ、パンドラさん達何故か小説に参加させられてるのよね♪ このタコが」

「思い出というのは全て美しいわけではないのです」言うと思ったぜライオネル

「だってマスターはピジョンですから、あーいいわよ知らなくて姑息な御仁達は」



一行は街の波止場から小舟で東方面へと出た 小島までは左程の距離ではない様だ

名目上は懐かない野生の獣が付近を荒らしている為ギルドの精鋭が討伐に来たと



「何だぁ・・・小舟で誰か向かって来やがるぜ バーカ いう事なんざ聞くかよ」

「領土なんて関係ないぜ俺等は クック 皇国にゴマすりながら暮らすとでも?」


「うむ殺気だな 一応名目はある 害獣の駆除で良いのか」渋い表情の義信達だ

「あら、マリーさん達以外にも先に上陸してる連中がいる感じね ギルドねぇ」

「何か小さな基地っぽい建物が見えます 警備兵の施設でしょうか」とサーシャ



東の小島は船着き場が北と南に分かれている、先に到着していた冒険者達は北寄り

ギルドから詳細な概要までは聞かされていないのだ 情報を探るべく南側に停泊を

まだ陽は高い 小島の中心は山岳部になっている様で周りを囲む獣が徘徊中である

やや風の流れは強い、潮の香りと野獣が放つ独特の悪臭が入り交じり居心地は悪い

兵の詰め所らしき場所から細い小橋が架かっているが作りは頑強には見えなかった




             ドンドン・・・ガチャリ

「おっと、追加の兵士・・・ではないな まあ安上がりを考えるならば妥当か」

皇国の警備と思われる詰め所にいたのは壮年の武骨な重戦士だった 詰長だろう

「えっと、地域の住民から苦情が出ていると聞いておりまして」とライオネル

「あーそうね お疲れ様です兵隊さん、獣って野蛮よね~」流石のパンドラさん

「む 俺達はギルドに依頼されて来たのです 仕事としてね」敬礼をするレオだ

「いいか君達、余計な詮索は不要だ 好ましくない害獣の退治と 当然だな?」

「うちら北側の連中とは組んでないから それでいいかしら」不機嫌なマリー

「ああそれで構わんよ 少なくてもアドラ団ではなさそうなのでな・・・ふん」


頼まれた仕事だけこなして余計な発言はするなといった感じ 皇国の民ではない

他の冒険者も恐らくは同様な受け答えを強いられるだろう 彼らは正規の兵隊だ

 軽くお茶を飲んだら討伐に向かえとの通達だ 現段階でやるべき事を――



「お、馬鹿が来たぜ こっちに向かってくる気かよ 軍人でも手こずる俺等に」

「弱肉強食いいだろうよ 自分らの住処を明け渡すわけねえだろ 撃退だなー」


詰め所から一斉に9人が小島の中心に向かう 凶悪そうな獣が懐くとは思えない

      気配を察知した野生が牙を剥く、

                 


     

                                                                




            私達の戦いはこれからだ!

      

             (切るぞまじで😠)


            (センターのピジョン氏)👇

 「このスカ! 顔グラお見せ出来ないのが本当に無念だわ私等」(YES♪)

「これ期待してる友人を裏切れないでしょ さあヤルわよー☆」オリーブさん

「はっは オリジナルでも作風まで譲れないですよ 旅は長いので」サーシャ

「おい油断するな! 獣達には冗談など効かんぞ 散開しろ」レオ達だった


予想以上に獰猛だった、けたたましい咆哮を上げながら餌食となる対象の物色

野生生物の本能 百獣の王は赤子から人が育てると眼つきが優しくなる(本当)

 崖から突き落とされた個体が生き残る為には日々を食らいながら繋ぐのみ

獅子とは別の類だが根底は変わらない 鋭い爪と牙を存分に振るって来る鳴動

不機嫌だったヒロインが素早く仕掛ける 水浴びをしている骸どころではない


[Stop the unpleasant beast with the cold you hate] マリーは雹冷の詠唱!

不愉快な獣を足止めせよ お前の嫌う冷気に だと思うが脳内変換で構わんよ


「あらーまだ前半なのに 縦書き依頼されたら修正よね」パンドラの皮算用☆

「うーん 要所以外は多用しない方が無難よ英文」ピジョンの意見が多数派か


不意を突かれた斜め後ろから獣の足元に鋭い氷柱が突き抜ける――普通は怯む

 グオオォォ! 浅かったようだ 怒りの雄叫びをあげながら左の毒爪を強振

「そこだ!」 反対側にいち早く潜んでいたハイマとライオネル 射撃の的へ

この魔物は飛行系の典型種だろう 投げた短剣と鉄の矢が野蛮な羽を打ち抜く

シャアアァァ・・・地上へ崩れる 待ち構えていたのはオリーブとサーシャ達

討ち取った~♪ 怯んだら物理の餌食 これは1対1の戦いではない 集団の掟

奥の2人組が獣の統制を取れているとは思えない 陣を考慮しない野生達だった


 「の野郎・・・俺たちに謎々なんて通じねえぞ!」青筋をたてる不潔なA

 「調子に乗るなよ これだから街の連中達は嫌なんだ!」顔グラなしのB


こちらの9人とは対称に北側の冒険者達は悲鳴をあげていた 通常は断る依頼

表のボードクエストにはない案件、一定の腕利きには声掛けしていた様だが

気の毒に感じるがマリー達とは別で断りは可能だったハズ 報酬次第か――

 この後も想定よりは手間取ったが夕日が差し掛かる頃には大方勝負はついた


※馬鹿2人カットで あざーす いいって 同志が見たいのはこれじゃないのです


一通り危険な獣達の排除は済んだので詰め所に報告に行くマリー達 ところがだ


「ご苦労さん・・・負傷者なしだと ほう」何かを値踏みする感じの詰長だった

「翌日北側の休憩所に顔を出してくれるか 此処を使ってかまわんぞ ではな」


                バタン(扉)


「へ? オリーブさん聞いてないけど 私等は放置プレーで自分は帰るのかな」

「黙ってろよ・・・チッ 無双出来そうにないね私が!」怒りのヒロイン様だ~

「いや 今下手に逆らうと危険だ 恐らく不法滞在者だとバレてる」レオ達さ

「この周辺の兵士は正規軍なんですよね ネクロス皇国の」ライオネルだろう

「HEYユー 斡旋状を送ったのはレッツィ派とか言ってなかった?」パンドラ氏

「最後に聞くとは困ったな はっは 知る訳ないでしょ」サーシャしかいねえな

                  ↓

「画像なくて助かってるわね~ この扱いかマスターのピジョンが」例の顔で☆


詰め所で仮眠を取ったメンバーは小舟で北側に渡る 幸いそれ程の距離ではない

別窓らしき冒険者の亡骸には関与しない方がいい・・・9人には罠の感が過った

南とは対照的な場所に小さ目の宿舎が1つ 恐らくこれが兵士達の休憩所だろう



               ドンドン ガチャ

        「*おおっとスタナー!*」(ナイスでーす♪)

                 バキッ!

「あーパンドラさん全年齢だとお見せ出来ない言葉よ残念ね 気をつけろよ?」

「ジェスチャー自体が危険だからその指は!」マリーは咄嗟に不適切を遮る👆

                  ・

                  ・

                  ・

不味い状況になった 休憩所の予想外に思わず手が出てしまった我々の聖女殿

どうやら兵士は痺れて動けなくなった様だ ヤバい 彼女の性格を忘れていた

この場所に留まるのは連載終了の予感がする・・・他の兵士が来る前に撤退だ

慌てて表に出てみた9人だが別の小舟で交代の見張りが此方へ渡ろうとしている



「ヤバいっすね 今街に戻ったらアウトの状況かとー」ライオネルさんは語る

「必ずトラブルに遭うのよこの前後って 因縁なのかな」呆れ顔のオリーブさん

「逃げるぞ 左手から縁側を北上しよう見つかる前にな」機転を利かせたレオ達

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「チッ 結局こうか 何か言いたい事は?」疑いの眼差しは我等のヒロイン様だ

「アラやだ パンドラさん上品ですから ウフ♡」この性格を覚えておくといい

「浅瀬と細い道で北側の山道に繋がってるのね 成程」状況を確かめるピジョン

「おい隠れろ! 魔物の群れだ 山林に紛れるぞ」戦い慣れしてる様子の3人衆


未開に近い形だった 中心部は獣が踏み荒らした通り道になっている 密林区域

かつては何かの見張りに使っていたのか東の片隅に廃屋らしきボロ小屋が見える

身を潜めながら取り敢えず向かう事になるマリー達、何体か屍が散乱しているが

恐らくはこちら側が討伐対象だったのでは・・・正規兵の損失は避けるのが軍事

このままネクロス皇国の領内にいては安全の保障はない 派閥など二の次な現状

現皇帝の部隊はバロンと言ったか 兵士を殴ったのは失態だ あらぬ誤解を招く


             

                 廃屋内

「ふう街で備品を準備してて助かったわ この先どうするべきか」悩むピジョン

「えーオリーブさんこれじゃない感よ今 恋愛系は?」(やるとは言ってない)

「小説の方がリアルですね チートはないんですか」期待外れ顔のサーシャだ

「思ってるよりも魔物は強いぞ ムダな戦闘は避けた方がいい」レオは正論だ

「打開策か 成程 流石マリーさん ねえサーシャ手紙を開けてないわよね?」

「そうだわユー 昔はリメイクの要望が書いてあったのよ 確認してないわ私」


マリー達は最初のオアシスで小屋に寄っている 宝箱を開けているのだ3人組は

ガサガサと荷物を確認するメンバー「あった これかな」手紙の中身を確認する

封書にしては厚い部類だった 有志達の感想を眺めてみる(まず装備が少ないね

大味すぎて戦闘ツマンネ、チュートリアル用意してください 難易度マダー?)

ふーむ成程 他にはどんな意見が・・・(なんでエロ減らすんだよ!金返せよな

戦いに入るまでやたら長いんですが 趣味レーションでは? w)(#^ω^)

                  

「今WEB小説だと思うのアナタ達 当然ここはジト眼のピジョン先生でしょう」


同じ文量で真似る人そうそういないと思うが その感想を見たいわけではないが

封書からこの大陸と思われる地図を発見した 街で販売してるのは簡易版なのだ

現在地を確認してみる ギルドの街は中央大陸の南、やや東寄り 帝都ではない

小島から離れ孤島に続いているが更に北東側に抜け道がある様だ(オリジナル)


「ここにいては危ないな 少し休んだら向かってみるか」9人の意見が一致した


魔物達は天然の洞窟らしき竪穴に出入りしている 一行は刺激を避けて北東側へ

暫くするとやや開けた場所に出た こちらの縁側沿いの奥に大きめの波止場が

「船だな・・・難破船だろうか 沈んでる様子はないが 行くか」進む面子



            一方で小島の休憩所では

「おい大丈夫か 誰にやられた! クソ アドラ団のメンバーか 覚えてろよ」

「ギルドに紛れ込んでたか ふん スパイ行為とはな 手配書の案件だとさ」



皇国内でひしめく陰謀にまだマリー達は気が付いていない この先へ行くならば

    抜け道を進んで発見した謎の船 潮風が軽く吹き抜けた――


           第6話 4142文字 某日 (続)



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