第17話 わたし、大ピンチ!「くッ!殺せ!!」何て口が裂けても言わないんだからッ!

ぜぇ

ぜぇ

ぜぇ


 肩で息をするわたし。

 近くには、3匹のオークが転がっている。

 き、厳しい…


 万全な状態ではないにしろ、それを通り越して、肉体フィジカルの差が厳しい…


 やっと、3匹…


 後、10匹くらいいるし…

 

 普通の女の子がお相撲さんとガチバトルしてる感じをイメージして。


 何より、頼みの点穴がそろそろ限界…


 豚人オークが突進を仕掛けてくる。

 この突進には慣れてきたから最小限の動きで捌くわたし。

 そこに、違う角度から別の豚人オークが突進してくる、


 捌き、きれない!ヤヴァい!!


 ドスン!!メキメキッ!


 わたしの身体はモロに豚人オークのぶちかましを受ける。

 

 お相撲さんのぶちかましって1tくらいの破壊力があるってきいたことあるけど、ほ、ホントみたい…


 木に叩きつけられるわたし。


 ミシッ!



 やば、アバラ逝った…


 と、いうかアバラ程度で済んでよかった…


 けど…

 

 木に叩きつけられた衝撃で、動けない…

 要は、交通事故にあったみたいなモノだものね…


 動けないわたしに豚人オークが近づいてくる。



 げげっ!


 こ、この、パターンは…


 豚人オークはわたしの首を片手で掴み、持ち上げる。



 か、かっ、ふ



 い、息が…

 

 わたしが窒息しない程度に片手で締め上げてくる豚人オーク


 そして、もう片方の手で…


 ビリビリっ!

 ビリビリビリッ!!


 わたしの服を破る。


 わたしの美しすぎる完璧なカタチの、バストが露になる。

 そして、豚人オークはそのまま、がしりとバストを鷲掴みにして、舐め回しはじめる。



 うげぇぇぇえぇぇぇえぇーーーっ!!



 ぎ、気持ぢ悪いいいいいいいいいいいいいッ!!


 わたし、不潔なおデブさんだけはムリィィィ!!

 風俗時代の嫌な記憶がフラッシュバックするじゃない!!

 

 下卑た笑みを浮かべ、股間を大きくしながら他の豚人オークも集まってくる…


 こ、こんなことされ続けられると考えると


「くッ!殺せ!!」


 とか言いそう!

 女騎士の気持ちがよくわかるぅぅぅぅ!

 現代のゲームや漫画、アニメでは

「はい、『くっころ』いただきましたぁ!!」

 とか言ってはしゃいでたけど、洒落になんないわ!

 自分が『くっころ』言う側になってるじゃない!


 は、離せや!


 わたしは豚人オークの首筋に発勁を叩き込み、体勢を崩す。

 そして、そのまま頭を左右から叩きつける形で発勁をお見舞いする。


 プシッ!


 耳と鼻と眼から血を吹き出し、倒れる豚人オーク


 これで、4匹…


 次の豚人オークが迫る。


 くっ!この!


 わたしは肉体強化フィジカルエンハンスを使い、1度、ダン!と、震脚を踏み込み、一気に豚人オークに駆け寄り、そのまま、階段を昇るかのように駆け上がっていく。

 そして、そのまま首を太股で挟んで、スピード、遠心力を利用して、そのまま投げつける。


 ゴキャ!


 豚人オークの自重も相まって威力が倍増!

 首の骨をへし折ってやったわ!!


 この豚人オークもハッピーよね、わたしの"幸せ投げ"で死ねたんだから。



 これで、5匹…


 着地したのも束の間、次の豚人オークが迫る!



 う、ぎ、


 肉体強化フィジカルエンハンスの反動で脚が動かない!


 そ、そりゃあ、体重40kg代の女子が余裕で120kg以上あるお相撲さんに無理矢理フランケンシュタイナーしたようなモノだものね、足も動かなくなるでしょぉぉぉぉぉ!!!


 冷静に分析してる場合じゃないわよ!わたし!!



 ヤバい!!

 ヤバい!!!

 ヤヴァい!!!

 ヤヴァいいいっ!!!!!!


 豚人オークはわたしの腰をがっちりと捕まえ、持ち上げる。

 

「は、離せ!こ、この!!」


 脚をバタつかせ、力の入らない手で掌打をするけど、ダメージになりもしない。


 ニヤリと下卑た笑みを浮かべ、わたしの首筋を舐める豚人オーク


 ぞわりと、チキン肌、MAX!!

 


 ひ、ヒイイイイイ!!

 汚い!気持ち悪い!

 やめて、やめて、やめて!

 舐めないで!


 わたしの考えを察してなのか、豚人オークはわたしを抱える腕に力を込める。

 鯖折りとか、ベアハッグというやつね…



 ミシミシミシッ!


 あ、あああああっ!!


 すでに痛めたアバラだけでなく背骨や腰骨もミシミシと悲鳴をあげる。

 わたしのカラダを壊しきらない内に少し力を弱め、首筋や胸元に涎でベタベタの舌を這わす…

 その度に豚人オークの股間の固くなったモノがわたしに、不快さを跳ね上げていく。


 うああああああ!!!



 ぎ、いいいいいいいい、ァア…


 

 アーーーーーーーッッッッ!!!


 わたしの苦痛の叫びを楽しむかの様な豚人オーク


 他の豚人オークも集まってくる…

 わたしを捕まえている豚人オークが他の連中に見せびらかすかの、様にわたしへの力をゆるめ、待ってましたと言わんばかりにおっぱいにかぶり付こうとする。


 ふざけんな!


 誰が、アンタらみたいなのにおっぱいしゃぶらすか!!


 わたしは最後の力を振り絞り、豚人オークの則頭部に発勁を叩き込み、両の手で頭にわずかなを作り挟む。

 

 肉体強化フィジカルエンハンス!!


 魔法により強化されたわたしの両掌はさながら鋼鉄の壁。その壁に数えきれない回数、頭を超高速で叩きつけられる豚人オーク

 すでにあるかないか分からない脳ミソはシェイクされてはどろどろじゃないかな?眼や耳や鼻や口からドローッとした何が垂れ流される。


 どーよ


 菩薩掌よ!!

 パクってみたけどうまくできたみたいね。


 何とか、解放されたわたし。

 でも、ヤヴァい状況は1ミリも変わらないのよね…


 こ、このまま、豚人オークにレイプされちゃうの、わたし?

 回りを取り囲む豚人オークの輪がジリジリと狭まって来る。



 じょ、冗談じゃないわ!!

 あんなのとしたくないし!!

 ぜ、絶対に、犯らせなんかしないわ!!!



 とは言っても、絶体絶命!





 森を駆ける白い影。

 2人の女性を背に乗せた白狼が疾走する。

「待ってください!」

 1人の女性、森人エルフのエルスが声をあげる。

「どうしたの?」

 長い白髪と、犬耳(厳密には狼ね)、モフモフの尻尾の獣人ビーストの少女フェルが聞き返す。

「森の、豚人オークの数が

「な、なんですって!?」

「間違いありません。木々の精霊が教えてくれています。一際大きな個体が率いて来ている、と」

 それを聞いたフェルは少し青い顔になる…

「も、もしかしたら豚人将軍オークジェネラルかもしれないわ、早く!ルクスリア公女のところへ急ぎましょう!」

「はい!」

 エルスは白狼を撫でて、「頼むわね」と声をかけたのでした。




 ひいいいいいいいいいいい!



 いやあああああああ!!!!!



 さわらないで!!


 汚い!臭い!!


 暴れるわたしを取り押さえて、残っていた衣服も引きちぎる豚人オーク達。


 全員が下卑た笑みと汚い涎を垂らして、股間を大きくしている。


 何か話してるわね?


 大方、誰から犯るか?みたいな相談でもしてるんでしょ!



 ヤバい!!


 ヤバいからぁぁぁぁぁ!!!


 誰か!


 誰か!!


 誰か、助けてよぉぉぉぉぉぉぉ!!!




 わたしの悲痛な叫びが、ただただ、森に虚しく響く…

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