第18話 わたし、堕ちました

 いやあああああああ!!!!!


 やめて!やめて!やめて!やめて!


 さわらないで!!さわらないで!!


 汚い!汚い!!汚いいいいいいいい!!!


 豚人オーク達に囚われたわたしは、着ていた服を全てひんむかれて、裸にされてしまっていた。

 わたしの手癖足癖を警戒してか、それぞれ1匹づつ両の腕と足。足はわざと広げられて!


 やめて!豚なんかに見られたくないわ!!

 見ないでったら!

 この!

 この!!


 押さえつけられていても抵抗を試みるわたし。

 でも、強化魔法の使えない今のわたしは、見た目相応の非力な女の子…

 それを考えると強化魔法って偉大よねぇ。


 そ、そんな、考察は兎も角!!!

 ヤバい!ヤバいから!!


 輪姦する気満々の豚人オーク達。

 最初の1匹が、わたしを犯そうとアレを近付けてくる。


 う…

 で、でかい…

 ヒトのソレじゃないものね…

 

 まだ触れてないけど、何か感じる…

 


 ひいいいいいいいいいいい!

 マジで!マジで!マジで!マジで!?

 あんなの、ムリムリムリムリムリムリムリムリ!?


 助けて!


 助けて!!

 

 誰か、助けてよぉぉぉぉぉぉ!!


 

 ガチで泣き出したわたし。

 その顔すらも下卑た笑いで見下ろす豚人オーク達。

 嗚呼、こうやって女の子達を犯して、弄んできたのね…

 豚人オークのアレがわたしの大事なところに触れ様とした。


 え?


 当たった?


 当たってる?


 いや!


 いやあああああああ!!!!!


 やだやだやだやだやだやだやだやだああああ!!


 お嫁に行けなくなっちゃううううう!!!


 お母さーーーーーーん!!



 ママーーーーーーーーー!!!

 

 半、狂乱状態のわたし。


 その時。

 


 ぶわりと、突風が吹き抜けた。


 一瞬、目を閉じてしまうほどの風だった。



 


 気がついたらわたしは、男のヒトにお姫さま抱っこされていた。


 え?

 何が、起こったの??


「大丈夫か?」

「は、はい…」


 男のヒトに声をかけられてハッとするわたし。


 豚人オーク達は獲物を盗られて怒り心頭の様だ。

 豚人オーク達がそのヒトに襲いかかろうとした瞬間。



 ぶ、ぶひ?


 ぶぶは?


 ぶへぶ!?


 ぶぶぶぶべ?

 

 ぶっほほほほ?

 

 わたしを輪姦しようとしていた豚人オーク達が小間切れになっていました。


 ほ、北斗の拳かよ…


 後続の豚人オークも現れる。


 そこに1人の女性が立ちはだかる。


 背は180cmくらい。セミロングの赤い髪に褐色の肌。

 服装は、現代的にいうと羽織袴の和装。金属っぽい小手とブーツ。


 なにより、額の左右から1対の立派な角が生えているのが特徴的だ。


「まっこと、よか女っぷりたい」

 女のヒトは振り替える。


 あ、この人、鬼人オーガって種族だ。

「おはんの事、バリ気に入ったい」


 な、何で九州の言葉なのf(^^;?

 そんなのお構い無く、涙と汗と、豚人オークの唾液で汚れたわたしの頬を指で撫でる。


「フウガ、この娘はおはんにまかせっど。手出し無用たい」

「ふっ、心得た。好きに暴れろ」

「言われるまでもなか!」


 女の鬼人オーガのヒトはゆっくりと豚人オークに向かっていく。

「どこ行っても、おはんら豚人オークはろくでもなか!」

 腰に下げていた立派な刀を抜き放つ。

「1匹も逃さんけん。覚悟するたい!」

 

 バリッ!バリ!


 雷を纒いだす女のヒトの刀。



「吼えろ!雷切!!」


 女のヒトの刀が雷を放ち、豚人オークを数匹まとめて黒焦げにする。


 そのまま、一気に踏み込み、ばっさ、ばっさと豚人オークを斬り倒して行く。


「す、凄い…」

「キミの奮闘っぷりに感化された様だ。ああなっては手がつけられんさ。くわばら、くわばら」


 フウガ、と呼ばれた男のヒトは涼やかに言い放つ。


 そ、それにしても…


「ん?おれの顔に何か?」

「い、いえ!なんでも…」


 このフウガってヒト…




 超~☆イケメン♪

 わたし好みの、ね♪♪


 背は2mくらい。

 肌の色や髪の毛の色や額に2本の角があるのは女のヒトと同じね。

 髪は風に靡くサラサラヘアで、少し長め。七三くらいで分けてる。

 服装も、和装。陣羽織、袴にガントレットにレガース。

 きっと部族の装束なのね。

 でも、そのわずかな隙間から覗くカラダは…

 

 見事な逆三角形だわ♥️

 ゴリマッチョでもなく、細マッチョでもない、フィジークの選手の様な肉体ね♥️


 あと、お声も



 ス・テ・キ♥️


 そんな、超イケメンにお姫さま抱っこされている、わたし。

 ドレスでも、着てたら絵になるわね!

 だって、今、豚人オークにひん剥かれて裸だし…



 ん?



 は



 は



 ハダカ!?


 

 急に、恥ずかしくなるわたし。


「あ、あの~…もしかして、みました?」

「ああ、しっかりと」


 ボッ!


 音がするかの様に赤くなるわたし(汗)


「美しいな。目の保養になった。土埃なんかで汚れていない姿もみたいものだな」



 あひ!!!



 イヤらしさも、何も感じさせないイケメンレスポンス!


「このまま、麗しの姫君を抱いておきたいところだが、焼き餅焼きの雷様がいるんでね」


 ウインク一閃!


 ずきゅーーーーん♥️



 何かがわたしの中を突き抜けた



 わたしをゆっくりと立たせ、ご自分の陣羽織をわたしに着させてくれる。



「痛みを引かせるツボを押さえておいた。少しは楽になっているハズだ」


「あ、ありがとうございます」


 軽く、わしわしと、頭を撫でてくれるフウガさま。


「あ、あの。助けてくれて、ありがとうございます」

「ああ、気にするな」

「ところで、あなた達は?」


 わたしはフウガさまに聞く。

 2人は旅の途中だそうです。

 鬼人オーガの一族の、そこそこの地位の方みたい。

「あれは、ギンカという。一応、おれ達一族の当主だ」

 へえ、ギンカさんっていうのね。

「あれが、武者修行に出るというのでね、おれもついてきた、というわけだ」

 なるほど。武者修行ですか。

「その、ギンカさんとはどういうご関係で?ご夫婦とか?」

「いや。許嫁というか、目付役というか、護衛というか、腐れ縁というか、まぁ、そんなところだ。おれ達の一族の感覚を表現する適切な言葉がみつからんな、すまん」

 いえいえ、大丈夫です。

 丁寧に教えてくれるフウガさま。

「おれ達の親父殿達が戦で敗れてね。敵討ちとかそういうのではないのだが、単純に敗れた相手に勝負を挑むための修行というわけだ。あいつにとってはな」

 フウガさまは丁寧に、鬼人オーガの風習を教えてくれる。

 戦で敗れても遺恨は残さず。

 というものらしいわ。よく分からないけど。


「ほう。随分と仲が良さそうな感じたいね」

 豚人オークの一団をあっという間に薙ぎ倒したギンカさんが戻ってくる。

「ありがとうございます。ギンカさん。助けてくれて」

 ギンカさんはニカッと笑いわたしに目線を合わせ頭をわしわししてくれる。

「よかよか。そんなこと気にせんと。私がおはんに勝手に惚れちょっただけたいね」

 何か、細かいことは気にしなさそうな方ね。

「それよか、こいつは見境なかけん。おはんも気を付けっと」

 ジト目でフウガさまを睨み付けるギンカさん。

「なんのことだ?」

「おはんの心に聞くたい!また女の子泣かしよるか!」

「わかった、わかった。お前も構って欲しいんだろ?」

「そ、そんなことなか!」

 わたし、お構いなしに口喧嘩が始まりました。

 な、なるほど。

 ギンカさんもきっとフウガさまの事が好き。というかそういう感覚持っていて、わたしと仲良く話していたのが気に入らないのね(汗)


 そこに


「ルクスリア姫さま!ご無事ですか!」

 白狼に乗ったエルスと獣人ビーストの女の子フェルが現れる。

「エルス!よかった。わたしは、まぁ何とか無事よ」


 格好は無事じゃないけどね。


「強がるな。全身打撲に、アバラに数本ひびが入っている。腕と足の筋肉にもダメージがある」


「あはは、そゆこと…イテテ」


 フウガさまには強がっているのがバレてました。


 わたしは、フウガさまとギンカさんを。エルスはフェルを紹介する。


「それよりも、豚人オークの大部隊がこの森に侵攻してきました」


 何ですって!大変じゃない!

 わたしはつい、フウガさまとギンカさんを見てしまう。

 ニヤリと笑い嬉しそうなギンカさん。

「大部隊と言って、どんなもんたいね?」

「そうですね、豚人将軍オークジェネラル豚人英雄オークチャンピオンが確認できています」


 ヒュウ、と口笛を鳴らすギンカさん。


 そこに、獣人ビーストのフェルが地面に手をついて、頭を下げる。


「どうか、この森を護るためにご助力を願えませんでしょうか?」


 ギンカさんはフェルの頭をわしわしと撫でる。


「気にせんでよか。暴れ足りなかったところたい!」


 ギンカさんもニカッと笑う。



 こうして、突如侵攻してきたオークの大部隊とわたし達が激突することになるわけ。















 ま、わたしは怪我で戦えなかったんだけどね(汗)

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