第11話 終盤のイタリア語教室。しごきとはこういう状況のことを言う。

 会話のね、練習をする訳だ。


 先生: 「今週何をしましたか?」


(正解あるのかなあ、この質問?)


 生徒: 「仕事しました」

     「寝ました」

     「ご飯食べました」


 以上。


 先生: 「肉をどれくらい食べますか?」

 

(年齢的なこともあるからなあ。そんなに食べないなあ)

(夕食=落花生っていうときも、あるからなあ)


 生徒: 「週1回くらいです」


 先生: 「野菜はどれくらい食べますか?」


(特に、好きでもない)

(すぐ、腐るし)

(そんなに食べられないなあ)


 生徒: 「週2、3回くらいです」


 先生: 「魚はどれくらい食べますか?」


(買わないし)

(さばけないし)


 生徒: 「食べません」


 先生: 「果物はどれくらい食べますか?」


 生徒: 「食べません」


 先生: 「朝ごはんに何を食べますか?」


 生徒: 「クロワッサンを食べます」


 先生: 「クロワッサンなの? だけ? いくつ食べますか?」


 生徒: 「1つ」


 先生: 「1つだけ? それだけ? クロワッサン1つだけ?」


 生徒: 「クロワッサンを1つ食べます」


 先生: 「――食事のバランスが悪いですね。」


 ごもっともです。

 総合すると、計算合わないし。食事の数と、食品の数。


 でも、嘘でもない。そんなもんでしょ。

 外食は計算できないし、どう説明してよいかわからんし。


 インスタント麺とか、分類できないもん。

 それと栄養バランスは食材では調整しきれないので、最初からあきらめている。


 頼みの綱は「ビタミン剤」である。

 これは毎日欠かさず飲んでいる。


 ――はあ……。


 悲しくなるわ!

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