第37話


 場所は地下教会。


 大広間にて、ゲーラ達信者達はハンバーガーを見ながら頭を抱えていた。その空気は重く、悲しみと少しばかりの怒りに満ちている。


「……どうしましょう、ゲーラさん」


 深く考えていたゲーラは、視線を上げ、苦しそうに眉間を揉んだ。


「……まさかハルヒコさんが、金の亡者となってしまうとは、……」


「我々の心は、彼らには届かなかったのでしょうか?」


 悲しむ信者の肩を叩き、ゲーラは立ち上がる。


「……私達は皆家族、皆苦しみを知った者達です。彼らとてそれは同じこと。……それに、ハルヒコ殿とミュゥ殿は、神に認められた使徒です。私達が何をせずとも、きっとこちらに帰ってきてくれる筈です」


 語るゲーラを目に、信者達にも落ち着きが戻ってゆく。


「……それでももし、彼らが罪に呑まれてしまうようなことがあれば、



 ……その時は、私達で救って差し上げましょう」



 信者達の笑みが、薄暗い教会を優しく包んだ。



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