第21話
そうして地下から出た俺達は、今日も今日とて大通りを歩く。
「おにーさん今日はどうするの〜?狩る〜?」
「おう。でも視察は終わりだ。今日から本格的に動く」
「えーーまだ行ってないお店いっぱいあるよー」
駄々をこねるミュゥをひっぱり、俺は冒険者ギルドの扉を開く。
「お前小さいくせにめっちゃ食うよな。食いしん坊キャラなの?」
「うわぁ乙女にそういうこと言う?そんなんだからおにーさんはいつまで経っても童貞ボッチ隠キャなんだよ〜?反省しなー」
「心配するな変態メスマセガキ。俺はいつかハーレムに囲まれる運命だからよ」
「キッショw」
「うるさい黙れ」
俺達はクエストボードの前に立ち、いつも通りウサギ討伐の依頼書を剥がしてカウンターに持ってく。
「受付嬢さんお願いします」
「はい、畏まりました。……ハルヒコ様もLv5になりましたし、これを機に他のモンスターを狩ってみては?」
「あー、考えときます。もう少し素早い動きに慣れたいんで」
「ふふっ、そうですね、慎重なのは良いことです。その気になりました仰ってください」
「はいっす」
「ではお気をつけて」
頭を下げる受付嬢さんに見送られた後、門番おっさんに挨拶して、俺達はいつも通り林へと入る。
「……お、いた」
早速水場に集まるウサギ3匹を発見。片手剣を引き抜き、体勢を低くする。
「ミュゥ(ボソ)」
「あいあいさ〜(ボソ)」
ウサギが顔を上げる、と同時に俺達は草むらから飛び出し2手に分かれる。
一気に接近したミュゥの蹴りが1匹に炸裂、木まで吹っ飛ばす。
俺は突進して来た1匹を身体を逸らして躱し、横っ腹を切りつけ、
「っ」
跳躍してきたもう1匹のツノを片手剣で弾いた。瞬間、
「『ボルト』」
ミュゥの雷魔法が空中のウサギに直撃、硬直したウサギに向かって俺は片手剣を引き、
「ッ」
「ギュィッ⁉︎」
刃を突き刺した。
だらりと絶命したウサギを刃から引き抜き、一息吐く。
「……ふぅ。ナイスカバー」
「ん〜。おにーさんもよく反応したね、前までだったら串刺しになってたんじゃなぃ?」
「俺だって成長してるのさ」
「のわりにはビビってたけどねぇw」
「は?ビビってないし、余裕だし。次行くぞ次」
「は〜ぃw」
3匹のウサギをずた袋に入れ、今日のノルマへと足を進めるのだった。
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