第18話
「え、これ凄いんじゃね?職業最初から決まってる人もいるのか」
「は、はい。職業とは要するに、その人の魔力の形です。多くの修練を積んだ者が、その職業に固定されるのはよくあることでもあります」
「なるほど」
「いや、そんなことよりも、ミュゥ様!」
「ぐえっ」「ピャい⁉︎」
俺を弾き飛ばした受付嬢さんが、とミュゥの肩をガシッ、と掴む。
「エンハンスエンチャンターなんて希少職、私初めて見ました‼︎どなたか高名な付与魔法使いに師事されていたのですか⁉︎」
「あ、うん。おじいちゃんが教えてくれたの。適正もあったし。……凄いの?」
「凄いなんてもんじゃ無いですよ‼︎
エンハンスエンチャンターと言えば、強力なバフ効果で仲間を援護する最上級職!パーティに1人いれば適正ランクが2つ上がると言われている、伝説の職業ですよ⁉︎知らなかったんですか⁉︎」
「う、うん。おじいちゃんには自惚れるなって言われてたから、」
「これ程の力を持ち、その弟子に心の在り方を説くとは!良い師ですね!」
「っうん!おじいちゃんは凄いの!」
「魔力ステータスもS、この年で、……これは、ギルド始まって以来の神童が来たかもしれませんっ‼」
「ぉ、おお!嬉しい!ミュゥ凄い?」
「凄いです!」
「ミュゥ凄い⁉︎」
「凄いです‼︎」
受付嬢さんと手を取り合い喜ぶロリを、俺は床に倒れ伏しながら祝福していた。
……え?別に泣いてないよ?俺もあんなふうになりたかったとか、別にそんなこと思ってないよ?別にね
……ぐすん。
ミュゥの首から下がるカッパーのプレートが、やけに眩しく見えてしまうのであった。
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