概要
いつ世界大戦が勃発してもおかしくない状況。だがそこに救世主が現れる。
香川県農業試験場に勤務するケーン・カガワ博士が画期的な小麦『サヌキドリーム2626(ツルツル)』の開発に成功したのだ。
これにより世界情勢は一変する。
科学の力により人々の暮らしは安定し治安状況は劇的に改善された。
そして日本は産油国並みの莫大な資源を得たのだが……。
奇跡の小麦の利権をめぐる新感覚SF。
讃岐弁満載でそちらもお楽しみいただけます。
独立をぶち上げたうどん県に未来はあるのか?!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!奇跡の小麦は世界を変える
地球温暖化、食糧危機など現代で問題になっている話が出てきますが、全然重い話ではありません。
香川県で開発されたサヌキドリーム2626という小麦が世界を変えます。
そこには政治などの問題も絡んでくるのですが、コメディ要素多めで楽しく読めました。
そして何と言っても方言がたくさん出てくるのが良かったです。
ルビが振ってあるから意味が分かるのですが、話中に香川県の方言が出てきて、それがとても魅力的でした。
読んだ後、小説だけでなく実際に香川県に行ってみたいな、とも思いました。
僕は実家が田舎なので、お年寄りはみんな方言で話していました。やっぱり方言は気持ちが和んでいいですね!
気になっている方…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これぞ『ご当地短編小説』UDONが世界を救う時みんなが笑顔になれるんだ
さあ!あなたもご一緒に!
カガワ博士が世に広めたサヌキドリーム2626ツルツルを食べましょう♡
ただのうどんのお話じゃありません。
世界の貧困…。肌の色…。
そこには、確かにうどんへの愛と郷土愛があるのです。
圧巻は、ラストに登場するniniko。
彼女の言葉に作者様の思いが詰まっているように思えてなりません。
彼女は言います。
「あんたの世界はそんなに小さいのか?あんたはそんなに小さい人間なのか…?」
本当の平和とは…?
ぜひ、お手にとってお読みになってみてください。
きっとあなたも『UDONを世界に』プロジェクトに賛同することでしょう♡ - ★★★ Excellent!!!うどん!うどん!溢れるうどん愛が世界を救う!?
6話構成の短編小説です。とにかく奇想天外な面白さです。
まずは何よりも、うどん、そして香川県への愛が詰まりに詰まった秀作です。
今すぐうどんが食べたくなる!
日本人は言わずと知れた粉もの=小麦大好き国民です。
うどん、お好み焼き、たこ焼き、パスタ、ピザ、みんな好きですよね。
私なんて関西出身、粉もんなければ死んでしまう(笑)
しかし、日本の小麦の自給率なんて、たった13%程度、あとの87%は輸入に頼るしかない。昨今のウクライナ情勢もあり、価格も高騰!
何が言いたいかというと、本編でもその辺がしっかり取り上げられているのですね。
だからこその、世界を救う!?なのです。
でも、全然堅苦し…続きを読む - ★★★ Excellent!!!うどんって、すごい食材だ……!
食糧問題が深刻化した未来の地球。
以前から食糧自給率が低く崩壊寸前となった日本に救世主(小麦!)が現れます。
その名も『サヌキドリーム2626(ツルツル)』! 劣悪環境でもすくすく育ち、味も良好。
この作品は、そんな奇跡の小麦をめぐる物語。
まず目を引くのは讃岐弁全開の会話文!
馴染みのない方には半分くらいしか理解できないかも知れませんが大丈夫。しっかりルビが振ってありますので、むしろ雰囲気があってクセになります。
また、クスッと笑えるだけでなく、小麦の利権をめぐる政治的な駆け引きも楽しめます。
社会を知り尽くした大人の皆様にも満足いただける作品だと思います。
スケールの大きさに感嘆しま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!うどんが食べたい。香川県民が美味しいうどんを用意して待っているから
まず、一番に言いたいことは、作者はうどん愛、そして香川愛にあふれている。
作品を読んで、作者、そして香川県民はうどんに誇りを持っているのだと感じられた。
長く子どもたちのおやつから晩御飯の主食として親しまれてきたうどん、そしてうどんを提供する年季の入った製麺所。
しかし、香川県民のうどん愛はそれだけにとどまらない。トムヤムクン味や果ては世界進出など、貯金好きの堅実な県民性は、うどんに対してはどこまでも貪欲で、清々しい野望を持ち合わせている。
方言を主軸に書かれた文章は、そういった作者のおもてなし力を余さず伝えている。
改めて、僕は香川にうどんを食べに行きたいと思った。
よし、取…続きを読む