第12話:ひきこもり、変態(変態)とコラボする。(前編)

紫苑が沙結に可哀そうな人を見る目で見られてから3日後。

コラボ当日になっていた。

世間ネットの評価ではクロノスタシス自体が個性の塊多方面の変態

クロノスタシスでも変態(変態)と言われている本当の意味での変態だった。


「うーん...なんか不安だなぁ...」


紫苑よ、その不安、大正解である。これがもしもオフコラボだった場合

紫苑の貞操の危機だったところである。


「涼葉さんにも暗にいろんな人とコラボしろって言われてるから今更断る

 こともできないしなぁ...」


そう紫苑が呟いていると部屋のドアが開き沙結が入ってきた。

なおその顔は若干...いや大分不安がっている。

それもそのはず。沙結はすべて知っているのだ。相手がド変態であることも、

これから紫苑が辿る運命も。


「その...紫苑、頑張ってね?」


「え?あ...うん」


「ファイト!」


そういうと沙結はそそくさと部屋を出て行った。


「ん?...あ、もう約束の時間だ」


紫苑はthiscord連絡アプリを開き、相手に準備完了の旨を伝える。


渚:こちらはいつでもいけます


マリア:わかりました。そろそろ始めましょうか


「うーん、普通の人だと思うんだけどなぁ」


遂に紫苑とマリアのコラボが始まる。


「みんな!こんなぎぃー、クロノスタシス3期性の銀鏡渚だよ!」


「皆さんこんにちわ、クロノスタシス2期性、マリア・ベイリーです」


《コメント》

・遂に来た...いや来てしまったか

・マリアの清楚モード慣れねぇww

・ホントそれww

・あれ...そっくりさんですか?


「マリア先輩...何ですか清楚モードって?」


「ああいえ、気にしなくて結構です。それよりも今日の本題に移りましょう。

 それに敬語は結構ですよ?」


「いえいえ、事務所の先輩には敬語を使うのが礼儀でしょう?」


「その先輩が敬語は結構だと言っているのですから、いつもの口調で良いと

 思いますよ?」


「ええ...でも...」


「それにいつもの貴女、とっても可愛いですから」


「かっかわ!?」


「はい、とても可愛らしいと思いますよ?少し高めな中性的な声で、子供らしさが

 あるのに色気もある。そんなとっても興h...素敵な声です。」


《コメント》

・てぇてぇ

・最初は良かった最後があまりにもよろしくなかった

・早くもボロ出てて草

・渚ちゃん気づいて!そいつは清楚の皮を被った性獣だから!


「う...うぅ、さ...さっさとやりましょう!?」


「はい♪わかりました♪今日はお互いに質問し合う...ということで

 いいんですよね?」


「はい、今日はお互い交互に質問し合って仲を深めたいと思ってます」


《コメント》

・質問かー

・なんか嫌な予感がするぅ

・絶対ボロ出す


「では最初の質問は私から...渚ちゃんは自分で自分を生み出したそうですが

 ビジュアルはどのように決めたのですか?」


《コメント》

・うーん普通

・でもまぁ気になる

・そこ気になってた!

・まぁ属性多すぎるビジュだとは思う

・確か差分も馬鹿みたいにあったよな

・そうそう、10個以上あったはず

・ガチで多くて草


「え”...い、言わなきゃ駄目ですか?」


「ダメです☆」


「えぇ...」


「な...なんでそんな嫌そうなんですか!?」


「あの...ちょっと...恥ずかしいというか...」


「でもこれって企画なので質問には答えないといけないと思うんですよ」


「うー...」


「............き...」


「え、なんとおっしゃいました?」


「僕の...性癖...」


「...へ?」


「だから!僕の性癖全部ぶっこんだのが!僕のビジュアルです!」


「あははははは!」


「な...!わ、笑わないでくださいよ!」


「いやぁ...ははっ、おかしっ」


《コメント》

・性癖www

・草

・じゃあ渚ちゃんの性癖は銀髪碧眼のセミロングで巨乳な子ってこと?

・改めて字にするとかなりアニオタ感あって草


「もう!次は僕の質問です!」


「む、逃げましたね...まぁ良いでしょう、渚ちゃんは私に何が聞きたいのですか?」


「んーと...では、マリア先輩は普段どのような配信をしているんですか?」


「...スゥゥゥゥゥ」


《コメント》

・唐突な呼吸音

・ほら、言ってやれよ

・渚ちゃんはちゃんと素直に答えたぞ

・ラインギリギリのasmrとか

・ライン越えてる発言とか

・ほとんど猥談の雑談配信とか

・↑ただのヤバいやつで草

・実際一回BANされてるしなぁ


「ほら...教えてくださいよっ」


「それは...そのぉ...」


「...えホントになんか言いにくいような配信してるんですか!?」


「そそそそんなわけないじゃあないですか!?」


「ならすぐに言えばいいじゃないですか!」


《コメント》

・ん?渚知ってて揶揄ってるわけじゃないんか

・コラボ相手を欠片も調べないvtuberがいると聞いて

・形勢逆転してんの草

・一進一退の攻防戦

・ポ〇モンバトルかよw


「そ...そうですね...雑談配信猥談とかゲーム実況エロゲーとかですかね...」

「なんだ、普通じゃないですか、じゃあなんでさっきあんなに言うの

 躊躇ってたんですか?」


「アハハ...ソノ...チョットハズカシクテ...」


《コメント》

・うーん間違ってはいないww

・言い訳棒読み過ぎて草

・嘘じゃないけど本当でもない

・これは上手い

・↑上手いとはww



◆◇◆◇◆◇◆◇


最後までご覧いただきありがとうございました。

誤字脱字、日本語のおかしなところがあればご指導ご鞭撻のほど

よろしくお願いします。

ブックマークや★、コメントをくださるととても嬉しいです!

それではまた!





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