第11話 アンサー!
――あれから、約十年。
お姉ちゃんの死を受け入れ、乗り越えて、やっと私の中の時計は、動き始めた。
自分が、二十五なのか、六なのか。もう、正確には分からなくなってしまった。
お姉ちゃんを失った私は、それでも、お姉ちゃんと一緒にいることに、こだわりすぎた。妄執に取り憑かれて、大切なものを見失って。
強がることだけを覚えて。幼い心を傷つけて。
――気づけば、時を遡っていた。
「今はもう、大丈夫」
自分で自分を励まして。お姉ちゃんを安心させてあげたいから。
「あたしって、やっぱり天才なのかもしれないわ」
なぜかって? ふっふっふっ――それはね。
サンタさんに会う方法を、思いついちゃったからよ。
「今日はクリスマス。そして、今年、小さいあたしは、八歳――完璧ね」
そう。よい子のあたしのもとには、プレゼントが届く。そこを狙えばいいって考え。
どう、天才でしょう?
「まあ、小さいまなに出会うのはよくないし――変装していきましょう」
赤い服に赤いズボン。サンタさんのコスチュームを身にまとう。これで、小さいまなに気づかれたとしても、誤魔化すことができる。
「プレゼントも用意しておいた方がいいわね」
あの日、もらった図鑑を本屋で探して、購入し。お姉ちゃんの分も用意する。
そこまでして、やっと。私は、気づいた。
「あはっ、あははっ、あははははっ! そういうこと!」
気づいてしまって、胸の奥の熱と、笑いが止まらなかった。
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