第6話 お手紙
サンタさんは、あいも変わらず、あたしが一番、欲しいものをくれた。
だから今年は、サンタさんに、お礼のお手紙を書くことにした。十一にもなれば、漢字くらい使いこなせる。
「それ、サンタさんへのお手紙?」
「ええ、そうよ」
「ふーん……。字、汚いね」
「マナチャ!? じ、じゃあ、お姉ちゃんが書いてみなさいよ」
「嫌」
「うえぇぇ……?」
かなり、だいぶ、ものすごく、いや、多分、これまでで一番、ショォーックだった。
「それ、読めるの?」
「よ、読めるわよ!」
「ちょっと、音読してみなよ」
「いいわよ! ――サンタさん、いつも、プレゼントを、ありがとうございます。サンタさんも、クリスマスが終わったら、ちゃんと休んでください。このドングリは、サンタさんへのプレゼントです。受け取ってください」
「ふーん。そんなこと書いたんだ」
「お姉ちゃんは書かないの?」
「うん。わたしも、字、汚いから」
「なにそれー! ずるいわよ!」
サンタさんは、すごくきれいな字で、「ありがとう、大切にします」と、返してくれた。
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