第3話 ねむねむ

 サンタさんに、起きてるの、バレちゃった!


 早く、捕まえなきゃ!


「こーら。目は閉じてなさい」


 おめめの上に、おててが乗ってて、見えないー! うーうー!


「なんで分かったの? あんなにかんぺきな寝たふりだったのに」


「バレバレよ。おめめが、ひくひくしてたわ」


「えー! うそー!」


「ふふっ。ほんと」


 サンタさんのおてて、あったかくて、気持ちいい――。


「プレゼント、くれないの?」


「まながいい子で寝てたら、ちゃんと置いていくわよ」


「お姉ちゃんのも?」


「ええ、もちろん」


「じゃあ、よかった!」


 なんだか、すっごく、ねむねむ……。


「おやすみ、まな」


「……ねーえ、サンタさん。あたしも、いつか、みんなに、何か、してあげられるかなあ」


「大丈夫。あなたもいつか、きっと、サンタさんになれるから」


 そのサンタさんは、顔はよく見えなかったけれど。


 きっと、かわいい、女の人だった。


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