第5話 予想外の来客


 親切なお隣さんに恵まれて、俺の一人暮らしは最高のスタートを切った。


 新しい生活にも慣れてきたし、そろそろバイト増やそうかな?


 大学への通勤時間が大幅短縮により、バイトする時間も出来た。

 週三位で働けば、家賃と、生活費位は稼げるだろう。


 この仕事も、早いもので丸三年、技術も手に入り、要領も良くなった。

 仕事内容は、主にマンションの空室クリーニングだ。

 1Kの部屋をエアコン込みで一万二千円〜八千円位貰える。

 だいたい、四、五時間位で終わるので効率もいい。

 休みの時は二件やる時もあるし2LDKとかの広い部屋をやる時もある。

 また複数人で戸建てをやったり、店舗をやったりもする。


 そんなだから、月に二十万位は稼げる様になった。

 これも社長や、バイト先の先輩が熱心に指導してくれたお陰だ。


 それなりに体力がいる仕事なので、育ち盛りの俺は、腹が減る。

 高校の時、家にお金を入れていたのは、母子家庭と言うのもあるが、食費がかかるのが一番の負担になると思ったからだ。



 ーーーー 



 「今日は何食べようかなぁ?」


 バイトも終わり、夜八時。

 幸い近所には定食屋や、ご飯を食べれる居酒屋みたいなのもある。

 コンビニもあるしね。


 なんて思ってたら、LIMEが……。


 白河さんだ。


 『久しぶりーっ』

 『元気かなぁ?』


 すぐに返信する。


 『元気ですよ!』

 『バイト終わって帰ってる所です』


 『お腹空いてる?』

 『作ってあげよっか?』


 『ホントですか?』

 『あと十分で着きますっ!』


 ギョーザを貰ってから一週間程、

 お礼のLIMEを送ったっきり、連絡がなかった白河さん。


 ギョーザも、もちろん美味しかった。

 また、あの手料理が食べられるかと思うとウッキウキで家に向かった。


 あっ、コンビニでインスタントの味噌汁買って帰ろ。


 マンションに着き、エレベーターを降りて角を曲がると、俺の部屋の前には白河さんが立っていた。


 「あっ、おかえりー」


 相変わらず寝起き頭のすっぴんメガネだ。


 って、何で食材持ってるの?


 「今日、休みだったからさっきまで寝てたよー、あははっ、清澄くん家で作った方が、効率いいかと思ってさー! マズかったらウチで作って持って行くけど、どうかな?」


 えーっ、俺の部屋来るの?


 「あ、えっと、ちょ……、ちょっとだけ、待ってて下さい!」


 なんかマズいもの……。


 ……急いで片付けて、


 「あっ、どうぞ、お待たせしました」

 

 「お邪魔し…………、めっちゃキレイじゃない? 普通、清澄くん位の一人暮らし男子の部屋って、結構散らかってるでしょ?」


 「あぁ、俺掃除のバイトしてるから、片付けるの趣味みたいなモノですよ」



 「……」



 「……ねぇ、清澄くん。……彼女、いるの?」


 「えっ、いないですよ?」


 「だって、食器二つセットだし、調理器具や調味料全部揃ってるじゃない? 酷いわ、騙したのねっ?」


 「な、何言ってんですか? 俺の妹が日曜日に来て、置いてっ行ったんですよ。アイツ、料理が得意なんで、来た時にご飯作ってくれて……」


 「私の他にも、ご飯作る女が居るなんて! ヒドイわっ!」


 「ププッ! 今やってるドラマ『修羅場を迎えた男』のワンシーンみたいっ、……それじゃ、私の部屋から取ってくる物、あまりないわねっ! 簡単な物、チャチャっと作っちゃうからシャワー浴びて待っててよ!」


 相変わらず早口で捲し立てるなぁ。


 「それじゃ、シャワー浴びて来ます」


 「キッチン借りるわねー」


 ーー


 シャワーを浴びながら、


 やっぱり、大人の女性は物怖じしないんだなぁ……。

 もっと恥じらったり……一応男の部屋で二人っきりだぞ?

 おまけに男はシャワー浴びてるし

 俺が、……急に襲いかかっても文句言えないぞっ!

 

 ……まぁ、それはないか。


 「もっと、色っぽい人だったら……」


 ダメだっ、好意でご飯を作ってくれてる人になんて事をっ!



 そんな事を考えながら、悶々としていた。


 

 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


     お礼とーーーーお願い!


 ここまで読んで頂きありがとうございました♪♪

 続きが気になるっ? 白河さんのご飯が食べたいよって方は、


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