強化ゾンビ

くそダルいじゃねぇか、あのブラックホースメンって奴。


「だが、近づかなきゃ良いだけの話だろうがッ!」


そう高らかに叫んでは見たが、やっている事はダサい。

ただ単純に逃げているだけだしな。

俺はそう思いながらワイズマンを背負い直して走り出す。


そうして移動している時に、ワイズマンは前方の方を見た。


「解析。前方よりゾンビ」


「あ?そんなの俺の武器で…」


前方の方に顔を向けるが、其処にはゾンビは居ない。

ワイズマンは一体何処を見ているのかと思ったが、俺はビルの側面を見た。


「いッ、壁を走ってやがるッ」


赤い点灯の様に瞳を光らせるゾンビが、壁を地面の様に走っている。

それは言うのであれば、忍者の様な身軽い行動と言った所か。


「解析。…ただのゾンビではない、ペストプラスゾンビ。あれは、ペイルライダーによる強化ゾンビ」


強化ゾンビ!?

いや、それよりもなんだよペイルライダーって。


「説明。ペイルライダー、疫病を司る黙示録の四騎士。そして、そのペイルライダーから発生した独自のナノマシンは、ゾンビと化した人間のナノマシンに感染し狂暴化させる。言うなれば、ナノマシンを暴走させている状態で操っている」


なんだそりゃ、おい。

だが、ゾンビだって言うのなら、俺は負けないぞ。

俺は刀を構えてゾンビを待ち受けるが。


「解析。強化されたゾンビの進化速度が速くなっている。ナノマシンの付加によって、第一フェーズから第二フェーズへと向かっている」


その言葉と共に、上空から迫って来るゾンビの顔面の皮が割れだした。

其処から、灰色の体毛に覆われた、狼男が出現する。


「ぎッざけんじゃねぇえ!」


狼男だろうが、やる事は変わらねぇよ!

迫って来る狼男に対して、俺はワイズマンを上空へと投げる。

それと共に黒刀を納刀し、磁力を発生。

鞘と黒刀に対して双極を生み出すと、鞘から黒刀が瞬間的に飛び出る。

反発力を応用した抜刀であり、並みの人間であるならば避ける事も出来ない高速の一撃。

それを、狼男に向けて放つ事で、狼男の体が真っ二つに切れた。


「さあ、弾が出来たぜ」


俺は背後から迫って来るブラックホースメンに向けて磁力操作を行う。


「派手に飛び散れやッ!」


真っ二つにした狼男に黒刀のナノマシンを添付させた事で、磁力を帯びている。

その状態で、狼男を操作してブラックホースメンに向けて放つ。


狼男がブラックホースメンへと向かっていくが、しかし彼の領域に入ると、狼男の肉体が蒸発していった。

そうして、ブラックホースメンに完全に当たる瞬間に、包帯を巻きつけた腕で軽く払う。

ただ、それだけの動作で、干乾びた狼男が砕けた。



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レベル・オブ・ザ・デッド~ゾンビが溢れた世界で、ステータスが現れた俺は、『感染耐性』を得たのでゾンビに噛まれても感染しません、こんな世界だと俺に助けを求めるヒロインが多くなる、現代ファンタジー~ 三流木青二斎無一門 @itisyou

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