第7話

あの朝から、二週間と少しが経ちました。


少し落ち着いてはきましたが。

これまで、自分でも驚くくらいに泣きました。


今でも一人でいると、ふとした時に涙が出てきます。


とりあえず、一人娘を亡くしたんだからそうなって当然だろう、と存分に自分を泣かせています。




そして、いろいろグルグルと考えてしまいました。


私が「パパが土曜日には帰ってくるよ」と言ったせいで、そこまで無理をさせたんじゃないか。

しんどい時間を長引かせただけじゃないのか。


彼女が旅立った当初は、この考えが頭から離れず、とても辛かったのですが。


夫が

「頑張ってくれたから、俺、最後にちゃんと会えた。良かったと思う」

と言ってくれて。


お世話になった方も

「会えずにお別れになってたら、その方があの子もパパも辛い。ママがちゃんと土曜日には、って教えてあげたから、そこまで頑張れたはずだよ」

と言ってくれました。



二人がちゃんと会えて良かったのはもちろんです。

だから、これで良かったのだ、と思うようにしています。





◆◆◆◆◆



ねえ。


ちゃんとパパを待っていてくれてありがとう。

ちゃんと私の言葉を聞いていてくれてありがとう。

最後まで頑張ってくれてありがとう。


これまでのことも、ホントにありがとう。


最後、大好きなパパに会えて良かったね。



あなたには、たくさんの『大好き』と『ありがとう』を贈りたいです。




-完-





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