第6話

それなのに。


彼女は、翌日曜の朝、逝ってしまったのです。

あっけなく。

本当にあっけなく。




その時。

彼女は、呼吸が止まる直前に、私を見ました。

確かに。


「パパに会えたから。もう、いいよ。もう、行くね」

まるで、そう言うかのように。


そして、ため息のように、ふうっと長い息をひとつ吐いて。


それっきり、でした。









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