まったりM&A現場閑話★ファンドPart.2

前回の続きです。

PEファンドには大きく分けて3つの分類があります。


3.PEファンドの種類


(1)バイアウトファンド

(狭義の意味で、PE≒バイアウトのニュアンス多い)

 ✔中小企業や大企業の一部(部門や子会社)を買収

 ✔自らマジョリティを獲得し率先して時価総額向上を狙う

 (経営陣を送り込むハンズオンや、他買収企業と合体していくロールアップなど)  

  ➡よって、バイアウト(完全買収)することが多い


 <大企業のM&A担当の目線>

 ✔時には競争相手(買収合戦)

 ✔時には交渉相手(PE)

 ✔時には協働相手(コンソーシアムで大型買収:事例は後述)


(2)ベンチャーキャピタル(VC)

 ✔ベンチャー企業(スタートアップ)に投資する

 ✔1000に3つしか成功しないと言われるスタートアップ投資なので、

  期待すべきリターンは非常に大きい。

  ハイリスクハイリターン。

  ➡たくさんのスタートアップに出資する(ポートフォリオ構築)

  ➡そのうち数%が大成功することで大きなリターンを得る

  ➡成功率を上げるため、新規事業立ち上げノウハウを提供して育てる役目あり


 <大企業のM&A担当の目線>

 ✔共同出資、VCから買収などあり得る

  ➡M&A担当者はスタートアップ独特の仕組みも知っておく必要ある

   ✔︎KISSやSAFE(日本はJ-KISS)……以前話しましたね🎵

   ✔︎残余財産分配権や優先株

   ✔︎独特のバリュエーション


(3)その他

 ✔再生ファンド(経営再建専門ファンド)

 ✔ディストレスファンド(倒産企業専門)

 ➡私は(幸い?)まだ関与したことがありません。


4.ファンド期限


『ファンドには期限がある』☚これ重要!

 ✔ファンド期間は大抵10年強

  ➡ファンドが買収してから5年前後で売却の動きが始まる

  ➡ファンド保有で有望案件がある場合は絶好のチャンス。

   常にチェックしておく必要あり。


ということで、今回はまじめモードしちゃいました💦


……………………………………………

最近でいえば、日本を代表するPEファンドのJIP(日本産業パートナーズ)が、ロームやオリックス、中電、ゆうちょなど事業会社を巻き込んだコンソーシアムを組成して東芝の買収(TOB+株式併合(スクイーズアウト))を実行しているところのようですね。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF186560Y3A710C2000000/


KISSやSAFE(日本はJ-KISS)はこちら

https://kakuyomu.jp/works/16817330650774329202/episodes/16817330653079294700

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まったりM&A現場閑話 どまんだかっぷ @domandacup

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