第4話 今日は輪廻に任せて!

※注意:曖昧な表現や子供特有の少ない語彙力などの表現が苦手な方はお控えください。


輪廻ちゃんが来ておよそ二日が経った。私はバイトのシフトが入っていたから輪廻ちゃんを一人にしなきゃいって話したら急に任せてほしいなんて言いだしたけど、大丈夫かな…?


「ねぇ、私の言った通りにできる?」

「うん!今日は輪廻に全部任せて!」

「もう一回確認するよ。まず、洗濯物を物干し竿に干して洗濯ばさみで止めてそれをベランダに干してね。届かなかったら台使っていいから。そのあと、お昼ご飯は私で用意したからお肉の炒め物をレンジで温めて食べてね。あとはお風呂だけ洗ってくれれば何してもいいからね。それで、本当にやるの?」

「うん。輪廻で夜ご飯作ってあげるよ」

「じゃあ、お願いね。行ってきます」

「いってらっしゃーい」


「んーしょ、んーしょ…ふぅ」


輪廻はまず洗濯物を干そうと思って洗濯機のところまで行ったけど、結局台がなかったら下の方の洗濯物が取れなかった。えっと…洗濯ばさみって一つに何個使っていいんだろう?まあいいや、三つくらい一気に使っちゃえ。


やっぱり、ベランダ、だっけ?の棒には届かないか…。しょうがないけどまた台使わないと。


「お届け物でーす」


あれ?たくはいの人かな?


「はーい」


「お嬢ちゃん、学校は?」

「り、輪廻、実は人間じゃなくて…」

「へぇ。まあ、このアパート自体いわくつきだから驚くことでもないか。それで、二之宮さんは?バイト?」

「は、はい。なので、よければ輪廻が受け取ります」

「いいのかい?なら、ここにお名前書いてね」

「にのみや、って書けばいいですか?」

「うん。まあ、上を説得する手間が省けるからその方がおじさんは有難いかな」

「で、でも輪廻、漢字わかんないから平がなでいいですか?」

「ああ、全然いいよ」


「こ、これでいいですか?」

「はい、これ荷物ね」

「ありがとうございます」


これ、何が入ってるんだろう?

開けてみたけど、変な形の紫色の石が使ってあるペンダントだけだし…。まあいいや、付けよぅ。

あ、忘れないうちにお風呂洗わないと!


「これでいい…かな?」


スプレーみたいな入れ物の動く部分を握ったら黄緑色の水が出てきたけど、確かこれをスポンジでこすればいいんだっけ?


すると、泡が立ってきた


あわわ!?泡ができた!?これでお風呂の中をこすればいいんだっけ?

あッ…


いたたた…。転んじゃって服ベタベタだ…。どうしよう、こうなったらお姉さまの服借りよう。

あれ?この外れる黒いヤツがたくさんついてる服(※ボタンシャツのことです)ってどうやって着るんだろう?これは外せたけどどっちが前でどっちが後ろか分かんない。とりあえず、手は通そう(※腕を袖に通すことです)。


「あ、お腹減ったしそろそろお昼ご飯にしよう」


電子レンジってどうやって使うんだっけ?まあ、少しづつ使えばそのうち温まるでしょ。と思っても、何回やっても全く温まらないから大きい数字にしてみたけど、時計の長い針が次の数字にいってもなかなか終わらなくて開けたら真っ黒こげになっちゃってた……。


もう一つはうどん?だったから食べれたけど、このお肉どうしよう。神様に申し訳ないけど、これはもうゴメンナサイするしかないのかな。


お昼ご飯が終わってからはテレビでお昼の番組見てたけど、途中で寝ちゃった…。

起きたら…よ、四時三十七分!?もうお姉さまのバイト終わってる時間!!どうしよう、夜ご飯作るって言っちゃってあるし…


『ご覧ください!これを使うだけで一時間であっという間にローストビーフが…』


しょ、しょっぴんぐ?よくわかんないけど、もうやるしかない。

テレビの中に両手を入れて、テレビの中の人に止められる前にギリギリでローストビーフを全部持ってこれた。でも、本当にこれでよかったのかな…?


「ただいまー」

「お、お帰りなさい、お姉さま」

「あれ、その皿に乗ってるのは?」

「ろ、ローストビーフです」

「え!?すごい、作ったの!?」

「えっと、その…、ご、ごめんなさい!!実は、夜ご飯作るって言ったのに作り忘れちゃって、お姉さまを悲しませたくなかったから…テレビの中から持ってきちゃいました!!」

「謝らなくてもいいよ。その気持ちだけで嬉しいから」

「え?いいの?輪廻、テレビの人に迷惑かけちゃったかもしれないんだよ?」

「大丈夫だよ、リアルタイムじゃないと思うし。それより、何で着てるかは分かんないけどボタン閉めて、煉砥れんと来てるから」

「あ、うん」

「お姉さま、まだ謝ってなかったけど、もう一つ謝らなきゃいけないことがあるの」

「何?」

「お姉さまが用意してってくれたお肉、レンジかけすぎちゃって焦げちゃったから捨てちゃって…」

「別にいいよ。輪廻ちゃんはまだこの生活に慣れてないだろうし、まだ私も教えれてないことがいっぱいあるからね。そういえば、お届け物来なかった?」

「うん、来たよ。これ」

「あー、もう付けちゃったか。それはね、付けた人の霊感が上がるアクセサリーなんだ。あんまり無闇に使わないでね。それ、煉砥がくれたやつだから」

「そっか、これを付けてるから輪廻は隣の部屋に何かいると思ったんだ!」

「…え?」


続く

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