第27話
「ふっふっフフフ、大量、大量 余は満足じゃ。
二人が頑張ってくれて、かなり採れたからアマテラス様達の所へ行こうか」
「焼き♪煮物♪炊き込み♪茶碗蒸し♪お刺身ー♪
たのしみなのですー!」
「疲れたわ、泥だらけだからお風呂入りたい↓」
元気いっぱいのヘレナに比べてスティアはかなり消耗しているようだ。
「エルフって自然の中で生活してるイメージあったんだけど、へばるのはやいな」
「あなた達が体力あり過ぎるのよ!それに私は都会派だから体力ないの」
「それじゃ、しょうがない。
五右衛門風呂出すからヘレナと軽く入っちゃって」
収納に何故か入っていた人が3人は入れる大釜を出して天幕で囲いお湯を張る。
一応スノコは入っているけど、泥を流すだけだから追い焚きは無し。
「お待たせしました。二人がお風呂入ってるから料理手伝います」
「大丈夫よ、とゆけちゃんが殆ど準備しちゃったから、ケイくんは休んでて」
「後は焼き筍と刺身を切るだけなので私と月読様だけで大丈夫です」
とゆけさんがまな板の上で日に当たっていない白い筍をスライスしている間に、月読様が同じく若い筍を銀紙に包んで火に放り込んでいる。
アマテラス様は二人を応援しつつ茹で筍を見張る係のようだ。
「それじゃ、僕はバージョン追加でバター醤油焼き」
「おお、それはいいですね。
では私のも、、、だけという訳にもいかないので全員分ですね」
月読様と僕とで全員分のバター醤油を準備した。
皮ごと焼いているので、剥いて刻んでスキレットへ、更にバター、醤油を入れて炒めるだけ。
食欲を誘う匂いが辺りに立ち込める。
動いているから植物系ばかりで腹が満たされないかもしれないので、追加で肉も焼いていく。
シンプルに塩のみで焼いて、後は個人の好みで味を付ける。
わさび醤油もいいし、某メーカー焼肉のたれもある。
僕はそのまま塩オンリー。
「匂いでお腹すいたのですー!」
「いい匂ーい。
先にお風呂入らせて頂いて有難うございました。」
「私達なら気にしないでー
食べる前に味を確認するので忙しいから、お風呂はあとからノンビリ入るわー」
「姉上、堂々と摘まみ食いを宣言しないでください」
「あら、チーフシェフとして味に責任をもつのは重要なのよー
今回ここの筍は美味しいって責任をもって言えるわよ♪」
「それでは全員揃った所で食事にしましょう
全員の所に杯は回りました?
では、今回の主賓、アマテラス様、乾杯の音頭をお願いします」
「あら?私でいいの?
それじゃ、今回も私達を温かく迎えてくれてありがとう。
皆さんと今日の収穫に感謝して加護多きを願って、乾杯♪」
「「「「乾杯!」」」」
アマテラス様の音頭に合わせて全員が杯を上げると、光がはじけてみんなの上に降り注ぎ、溶けるように消えていった。
体が軽くなったし筍掘りの疲労も完全に消えたので、かなり強力な加護が実際についたのかもしれない。
月読様がアマテラス様に何か言っているし、アマテラス様は舌をだして笑っているけど、見なかった事にしよう。
うん、新春の初物、旨いね。
掘りたてでしか味わえない刺身はコリコリの歯ごたえを楽しめるし、炊き込みご飯も筍の香りが最高。バター醤油のホイル焼きはホクホクで後引く旨さ。
今回用意した発泡と辛口の日本酒とラム、冷たいビール、お酒が進む、進む。
お酒NGのヘレナにはノンアルコールの甘酒。
焼き筍が気に入ったらしくてアマテラス様と一緒に追加を焚火の中に放り込んでいる。
とゆけさんと月読様は日本酒を飲みながら色々とつついている。
ちなみに月読様が発泡をノンビリとで、とゆけさんが辛口をお猪口でぐいぐいと。
いい雰囲気なので、そっとしておこう。
残ったスティアは僕の隣に来て、ビールを飲みつつ炊き込みご飯とホイル焼き、煮物なんかを掻っ込んでいた。
「美味しー!バターで焼いたのがご飯とビールに最高に合うわー」
「本当にね、今日は掘りに来て良かった。
スティアとヘレナのおかげで大量だしね。
お疲れ様」
火のまわりでワイワイ楽しみながら、夜が更けていく。
今日はみんな酔ってるからそのまま寝て 朝風呂確定だね。
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