エピローグ ~堀田繁太郎O大学名誉教授の回想

第15話 堀田繁太郎O大学名誉教授の回想

 新制O大学に新任助教授として招かれた堀田繁太郎氏の大学教員生活は、ここから本格的にスタートすることとなった。よつ葉園について、後にO大学名誉教授となった堀田繫太郎氏は、後にこう語っている。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 最初に岡山に赴任したとき、山藤さんに案内されてよつ葉園さんに伺った。

 確かに、昔の孤児院独特の雰囲気も、あるにはあった。

 ただそれ以上に、ここから何かが変わっていきそうな、そして現に何かを変えている、そんな雰囲気も、同時に感じられた。

 当時、よつ葉園の子どもと職員のための風呂を、余った時間で地域の人らにも開放していて、それで得られた金を使って、施設の運営にも使っているとお聞きした。

 他にも、クリスマス会をはじめ様々な行事を子どもらに提供しておられたようであるが、それについても、確かにその場限りの気休めと言えなくはない。

 とはいえ、あの地で子供時代を過ごした人たちにとっては、それも、いい思い出のひとつとなって残っているのではないかな。


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若手助教授の旅立ちは、新設の特別急行列車から 与方藤士朗 @tohshiroy

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