反セシリア症候群

ソレは数年前。

まだレイ=グライムブラスが米軍に所属していた時の頃、

食堂で酒が入ったとは言え喧嘩騒ぎと成りレイは営倉に入れられた際、当時彼の上官でも有ったマギーは彼の本当の理由を知ってしまった。

彼の本当の入隊理由は。

彼がまだ幼かった頃Nasaに所属した宇宙飛行士の両親はある任務で宇宙に出た。

戦後、宇宙に住む者達は全ての人工衛星のコントロールを支配下に置かれて、また彼等の許可無く人工衛星を打ち上げようなら打ち上がった直後に破壊される為だが、

地球から新たに打ち上がった大型宇宙船の存在に宇宙に住む者達は非難したが、

『地球産の生活消耗品の輸送』を名目としたが。

突如メインスラスターの暴走、

宇宙に住む者達の拠点であるスペースコロニー等を無視して月衛星軌道から外れて意向行方不明。

それを知ったマギーは暫くして。

真実を語った、

生活消耗品の輸送は嘘、

実は宇宙に住む者達の監視の眼を掻い潜り各国は秘密裏に無人探査衛星を太陽系外へ送った、

多くが人が住むには適さないとされた中で一つだけ発見された。

NasaとJaxaが共同で開始した計画、『オペレーション=モリアーティ』が始動した、

生活消耗品の輸送は嘘、

本当の目的はただ1つだけ見つけた星、

セラフィム星系第4惑星『惑星セシリア』

其処の調査が目的だった、

奇跡的に地球人が住むには適した環境なのが幸いして後は問題も何て想った矢先に発生した、

宇宙に居る間だけは問題無っかた、そう…宇宙に居る間は、

問題なのはそう惑星セシリアに降りた時からだ。

宇宙服を着たまま降りたにも関わらず、

最初の頃は身体から微弱ながらも磁場が発して各種電子機器の異常が起きやすく成った、

次に本来なら味等無い筈のプラスチックやビニールに舌を触れると味を感じたりした。

宇宙での超長期活動を想定した野菜、

『宇宙ブロッコリー』を口にしても味を感じなかった。

宇宙ブロッコリーとは将来の食料不足を想定した植物の名前で土と日光等を頼らなくても専用の薬液、LEDの光りで育つ様に品種改良を繰り返したのだ、そのまま口にしても大した栄養素が無いのだが、すり潰しておく事で1日に必要な栄養素を得られるのだ。

のだが逆にセシリアの植物に舌を触れると味を感じた、

地球から持ち込んだ水が飲めなく成って逆に吐いてしまい、

挙げ句の果てには宇宙船の空気で呼吸が出来なくなった、

その事からNasaとJaxaは計画は一部放棄。

宇宙船に自爆命令を出して乗組員全員で開拓をする破目と成った、その中にはレイの実の両親、ジョージとマリアもやむ無く。

「彼等はコレを『反セシリア症候群』と名付けたのそしてソレを知った当時の日本政府とアメリカ政府はJaxaとNasaの職員全員に固く口止めされたの」

その詳細は不明だが、恒星セラフィムとまるで踊る様に回る第一惑星セラフ、

セラフィムから発するモノとセシリアの大気に何らかの力場か何が有ったからでは無いか?

結局は解らないままだった。

レイが軍に入る前に元Nasa職員と裏取引をした際に得たのが『政府に口止めされてる』だけだったのだ。

その後の事、

セシリアに残された通信機器を使い政府と何度か無線でコンタクトを取ったが少しづつ向こうの通信機器が壊れかけて来たのだ。

「…そんな事が遭ったのですか」

マリーが哀しそうな表情をした。

「そうよ。もしソレがバレたら大混乱を招きかねないから口止めする必要が遭ったの、ソレにこの事を話すのは容易じゃないの」

「…そう言えば。マーガレットと言われると直ぐにマギーって訂正したな出生届けでもマギーって言ってたのが惑星セシリアの事を話したらあの後訂正しなかったな」

其れだけ重大過ぎたのだ。

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