雪華

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（306文字）

先生の言葉ではないけれど、時がたてば雪は溶けてなくなっていくもの。
　
いつかは消えるのだろうか……
　
このおもい。

「雪みたいなもんだよ。助けようと差し伸べた手でも、あったかすぎたら溶けちまう」
先生のこの発言が胸に響きました。

自分の中を探るように見つめる内省的で美しい文章。
その記憶の物語もまた美しく、でもやりきれない。
登場人物たちを繋ぐのはどんな感情だったのか、それは読む人に委ねられてもいいと思います。でもそこには確かに愛情があり、それが皮肉な連鎖を生んでしまう。
短い話の中に二転三転する人の心の強さと脆さを感じ、ささやかなひと時に登場するあたたかい小道具が印象に残ります。
降り積もる雪のように静かな重みを持った作品です。

ネタバレにしかならないので、多くは言えませんが。
どういう方向に解釈すればいいのだろうと、悩みました。
あまりにも思ってもいない方向のことだったので。
読み手は、とにかくそのことに驚くと思います。
その先をどう考えるかも読者に任されているため、えっ、と驚いた後に考え込まされる。そんな御話です。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（251文字）

思い出した記憶で、物語はどう進んで行くのか。

プロローグの表現がとても綺麗で、すぐに物語に引き込まれてしまいました。

恋にドキドキして、先生とのやりとりにほっこりして……。そこからはネタバレになるので言えません。　ぜひ読んでみて下さい！