奈良時代を舞台にした切なさと甘さが溢れ心揺さぶられる極上の恋愛小説。

この小説の魅力は、まずは作者の美しい文体と描写です。

奈良時代の風景や人々の暮らしが、繊細に丁寧に描かれていて、古代の言葉や仮名遣いも雰囲気を高め、物語の世界に自然に溶け込んでいけます。
登場人物たちの感情や心理も、細やかに表現されていて読み進むうちに魅了されます。

主人公の古志加と三虎の恋のやり取りは、じれったさや切なさや甘さに溢れています。
読者は、きっとこの二人の想いが通じ合うまでの長い道のりに胸を締め付けられることでしょう。
登場人物たちの個性と人間味も魅力です。
古志加は不遇な境遇にもめげず、明るく強く生きる女性です。
三虎は孤高で厳しいけれど、時折見せる優しさや照れが愛らしい男性です。
古志加と三虎を取り巻く多彩な登場人物たちが、それぞれに影響力を与え、その関係性や背景も物語の奥ゆきを深めています。

作者の情熱を至るところで感じる読み応えのある恋愛小説です。
恋愛小説が好きな方はもちろん、そうでない方も是非読んでみて欲しい物語です。
きっと、古志加と三虎の恋に心を奪われることでしょう。
さらに、物語の合間に描かれた挿絵も素晴らしくイメージも膨らみ魅了されます。
私の一押しのおすすめ小説です。

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