第17話 山へ進め 3
「やっと到着か。山小屋かと思ってたけど結構立派な
「坊ちゃまが生まれた邸ですよ……懐かしいです」
「え?そうだったんだ。初めて知ったよ…………そうなんだ。……此処で」
「ここへ療養に向かう奥様に私は出会って。そのまま仕えて1年程ここでお世話をしておりました。……マールがとても元気で、おっちょこちょいで」
「マールって、アラン
「……ハァ……ハァ…………ハァ……ハァ……」
どうも静かだと思ったら、まだバテてたのかよアラン兄。こんなに山歩きをさせて悪い事をしてしまったかな。
「よろしいですか?次に参ります。……ゴブリンウサギは……」
「取った!……これで俺の勝ちだ!」
「……耳がウサギで身体がゴブリン」
「レイ破れたり!……お手付きだな。見てよこれが正解のカードだ。僕の勝ちだ」
「ふざけんな!……普通ならウサギが本体だろ!それになんだそのキモいカード。図鑑以上にリアルなゴブリンが、ウサギの耳を生やして小首を
「ふふふ……僕が王都に三回も行って探し回ってやっと手に入れた。流行りの有名画家が描いたタルカのセットだからね」
「坊ちゃまがお持ちのカードは、スライムが化けた、ゴブリンのこん棒を持ったウサギです」
「分かるかよ!……スライム何にでも化けんだろ!」
「ちなみにですが。ウサギゴブリンのカードは……」
「もういい!見たくない!……夢に出てうなされそうだよ……俺はもう寝る!」
何なんだよ、あのタルカのセット。あんなキモいのが流行りなら俺は王都になんか行きたくないよ。でもアラン兄が元気になって良かった。カーラも母様との思い出のあるこの邸で過ごせて楽しそうだし。……今夜はぐっすりと眠れそうだ。
「……う……う~ん…………カーラ……逃げて……オークウサギの大軍が……」
「坊ちゃま……」
「……出たな……ゴブリンオークオーガサイプロクスクイーン……ここは通さないぞ……」
「……坊ちゃま!朝ですよ!」
「……え?……無事だったのかカーラ?……良かった……」
「おはようございます。……まだ寝ぼけてますね坊ちゃま……早く朝食を。今日はアラン様と一緒にピクニックに出掛けるんですから」
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