第32話 ついに感動の再会!?❤️

 悪魔巨大猫ドン・キャスパリーとの戦いを終えたさらに1時間後、俺たちは第3層で新たな敵に取り囲まれていた。



 シャッテンウルフ×12


 やはりその12体の敵の大きく裂けた口元が俺には光って見え、さらにその光った部分にはこんな文字がくっきり浮かびあがっていた。



【影の咆哮ほうこう ―補助スキル― 所有者 シャッテンウルフ・・・・・・咆哮で相手の影を縛り付け、相手を金縛り状態にする】


【神速噛み付き ―攻撃スキル― 所有者 シャッテンウルフ・・・・・・とてつもない速さで相手の急所に噛み付く】


 どちらかを【隠れ職業 盗賊シーフ】の能力で盗みますか?


 ※成功率40% 1戦闘バトルに1回のみ


「ユニカ! また盗みますか? って出てきたんだけど! ・・・・・・っていうか敵多すぎくないか?」

    

 と俺はユニカに尋ねた。 


「・・・・・・確かにちょっと多いですね! まあ、オオカミは大抵群れで行動するものですからね。仕方ありませんよ、師匠! ・・・・・・それで今度は何を盗むんですか?」


「そんな人のことを盗みの常習犯みたいに言うんじゃないよ! 俺は別に盗みたくて盗んでるんじゃ・・・・・・」


 俺がそこまで言った時にいきなりこんな声が割り込んできたのだった。


「その声は・・・・・・その声はもしかして・・・・・・」


 思わずその声のする方へ振り向くと、どこの有名女性アイドルかと思うくらいの黒髪ボブの超絶美少女がそこにはいた。


「兄さん? もしかしてルーフェンス・マークス准尉じゅんいなのですか! 兄さん! 探しましたよ!」


 そうその黒髪ボブの美少女に言われて俺はもうちょっとで何かを思い出せそうだったのだが、どうしてもあと少しそれに手が届かないのだった。


 それで、


「ええっと・・・・・・あんたは?」


 と、仕方なく質問すると、


「ユアール・プライツですよ! 兄さん! あなたの最愛の部下、ユアール・プライツ第121番 伍長ごちょうです!」


 と、相手は答えた。


 俺はそれでも一切何も思い出せなかったので、一目見た時から気になっていることを尋ねてみた。


「・・・・・・あんた、目はどうしたんだ? ずっと閉じているけど?」


 すると、その黒髪ボブの美少女はこう言ったのである。


「ああ、この目ですか? に飛ばされる前にどうも視力を奪われちゃったみたいで・・・・・・。でも大丈夫ですよ! 心の目で兄さんの顔はバッチリ見えてますし、他のものも見えなくても気配とかで大体のことはわかるようになりましたから!」



※※※

第32話も最後までお読みいただきありがとうございます!


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