第31話 一流料理人になる!?
【
詳細:どんな食材も劇的に美味しく調理できる
「なんか盗めたっぽい!」
「さすが師匠! ところで何を盗んだのですか?」
「ああ、言ってなかったっけ? なんか、どんな食材でも美味しく調理できるスキルらしい!」
「では、これからは師匠のお料理が食べられるのですね! ユニカ、うれしいですっ!」
「料理なんかしたことないんだけど・・・・・・なんか急に作りたくなってきた!」
ユニカとそんなことを話していると、
それは2メートル以上ある体でタックルしてくるという単純なものだったのだが、戦闘経験の乏しい俺には十分恐ろしい攻撃だった。
「うわああああっ!」
と言って俺がそれを間一髪で
「師匠! 早くそんな猫ちゃんなんか片付けちゃってユニカにお料理食べさせてくださいよ!」
とユニカが言ってくる。
当然、俺はこう言い返した。
「無茶言うなよ! 俺はこんな魔物と戦うのは初めてなんだぞ! そうだ! ユニカが倒してくれよ! ユニカなら楽勝だろ!」
「それは・・・・・・確かに、こんな猫ちゃんくらい余裕で倒せますけど、師匠に戦ってるところ見られるのユニカ恥ずかしい・・・・・・です」
頬を赤らめてそんなことを言ってくる美少女がかわいくないわけがない!
なら俺が、ともうちょっとでカッコつけてしまいそうになるところをグッとなんとか堪えた。
こっちだって命が掛かっているのだ!
「そんなことを言わずに倒してくれよ! 倒してくれたら美味しい料理愛情込めて作ってやるから! なっ? 頼むよ、ユニカ!」
我ながら男としてむちゃくちゃ情けない発言だったが、なんと言っても相手は2メートル以上の体躯を持つ化け物なのだ!
情けないなんて言ってられない!
ユニカは少し迷っているようだったが、俺にすがるような目で見られてついに観念したのかこう言ってくれた。
「しょうがないですね! わかりました! ユニカが特別にこの猫ちゃんを倒してあげますから、師匠はちょっと目を瞑っていてください! すぐに済ませますから!」
「ああ! わかった!」
そう言って俺が目を閉じるとすぐに、
「ドカッ! ボカッ! ズギッ! ベコッ! グシャッ!」
と何度か恐ろしい音かした。
そして、
「師匠! 終わりましたよ! 目を開けてください!」
とユニカの声が聴こえてきたのだが、俺はなんだか少し怖くなってすぐには目を開けることができなかった。
それでも恐る恐る目を開けてみると、2メートル以上の体躯の化け物猫は白目をむいて舌を出し仰向きに倒れていた。
俺はそれを見てなんだか少し可哀想になってしまったのだが、ユニカにこう言われてちょっとだけ安心した。
「大丈夫です! この猫ちゃんは気を失ってるだけですから! さあ、師匠! 猫ちゃんが目覚める前にここから立ち去りましょう! 師匠にスキルを奪われたのに気づいたらたぶん相当ショックを受けることになるでしょうから、ひとりにしてあげましょうよ!」
※※※
第31話も最後までお読みいただきありがとうございます!
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